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ココロノツバサ - distant moon  作者: Kanra
第三章 月への道
30/78

28 緊急ピットイン

三条神流がマルシェにいる。

三条神流はモビリティリゾートもてぎのレースの際、ダウンヒルストレートの先の90°コーナーでコースオフし、グラベルに落ちたため、霧降のローダーでBRZを運び、マルシェで緊急的に足回りの点検を行っていた。

そこへ、小岩剣が姿を見せる。

こちらは先日、オイル交換をしたばかりだと言うのだが。

「どうしたんだ?」

と、三条神流。

「いやぁ―。」

と、小岩剣は、間瀬峠でスピンした事を話す。

「秩父の間瀬峠を走っていて、誰かが道端に棄てた油を踏んでしまってスピンしたのです。それで足回りの点検を。」

と言う小岩剣。

「間瀬峠か。少し遠出したのか。まっ気を付けろよ。」

と、三条神流は言った上で自分のことを話す。

「こっちは、もてぎの90°コーナーでアンダー出してグラベル突っ込んで足回りの点検。」

「そうでしたか。」

三条神流が頭を抱える。

三条神流はアライメントを狂わせたらしく、アライメント調整が始まった。

(えーっと。)

小岩剣は無傷で済んだが、三条神流のアライメントと言う物が気になり、教科書でアライメントを調べる。

(アライメントとは、ホイールの整列具合を表すもの。ホイールの向きや角度などを調整して揃えることを指す。キャンバー角、トー角、キャスター角の3つで構成される。)

ふむふむと勉強する小岩剣を見る三条神流は僅かに溜め息。

「無理に、アヤに追い付こうとするから、痛え目に遭うのかもな。でも-。」

「歩き続けることは止めない。目的のためならば、手段を選ばない。それがお前だな。」

「だが、強制された道を強制的に歩くのは嫌だね。」

「教師嫌いめ。」

「うるせ。トー角はっとー。」

などと、三条神流と霧降要は話す。

小岩剣の方は異状なし。

三条神流も、さっさと修理してしまった。

そして、ついでにと言って、小さな作業も行った。

「試運転行くか?」

と、三条神流。それに頷く小岩剣。

赤城道路へ進路を取る三条神流に随伴する格好で、小岩剣もN‐ONEを走らせる。

修理及び点検後の試運転であるが、三条神流はなりふり構わず、BRZを攻め立てる。

小岩剣も負けじと、喰い付いていく。

バックミラー越しに見た三条神流は、小岩剣が4WDドリフトのような事をしていると気付いた。

だが、小岩剣はドリフトをしていると言う実感がない。

(違う。拓洋さんのやっていた、4WDドリフトはこうじゃない。それに、S660のように走れない。)

小岩剣、首を横に振る。

姫百合駐車場から、ヒルクライムが始まる。

そうなると、BRZは一気に離れていく。

登りきった時にはまたも、三条神流に待っていて貰う格好になってしまった。

バーベキューホールで昼食後、三条神流は北面道路を走りに行くと言うが、小岩剣は例によって、赤城サンダーボルトラインへ向かう。

つづら折りの低速ヘアピンを駆け抜ける。

サンダーボルトラインならば、どうにか、ADMの下っ端やサンダーバーズの下っ端には付いて行ける。だが、三条神流や松田彩香クラスとなると、ついて行けない。同じ軽自動車のS660にも、ついて行くのは不可能だ。

粕川を渡って、三夜沢赤城神社への参道に出て、今日は終了だ。

三夜沢赤城神社に参拝する際、小岩剣は三条神流のBRZを見て「あれ?」っと言う。

給油口に付いているエロゲのキャラのステッカーが貼ってある。先程、マルシェで貼ったのだ。

「お前も、なんか名乗れば?」

三条神流が言うが、小岩剣は「生憎、名乗れる名前は持ち合わせておりません」と、首を横に振った。

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