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ココロノツバサ - distant moon  作者: Kanra
第二章 月明かりに照らされて
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13 恵令奈とアヤ

隔日勤務を終え、深夜時間帯に帰宅した三条神流は誤って仕事の時に起きる時間に目覚ましをセットしてしまい、短い睡眠時間になってしまったが、これ幸にと、朝早い赤城へと繰り出していった。

今日は、松田彩香の姿が無い。

松田彩香は、呼び出しを受けていた。

呼んだのは、東郷恵令奈だった。

夜遅くに富士見を走るダークグリーンのN-ONEは、国道353号で紅いGR86と、ブリティッシュグリーンのロータスが、嶺公園近くのラブホに入るのに出会した。

「アヤと恵令奈?まぁたレズの関係に?」

と、加賀美は言った。


ラブホに入る松田彩香と恵令奈。

部屋に入ると、シャワーを浴びて恵令奈は、松田彩香を縛る。

「分かっている。恵令奈。」

縛られていく間、抵抗せず、松田彩香は言う。

「ただ私は、小岩剣って言う子を大事な弟と思いたい。でも、私の中に変な感情も湧き上がる。」

「だから、私をー。」

「そうよ。」

言いながら、アイマスクを松田彩香に付ける。今まで、松田彩香が恵令奈を攻める事が多かったが、恵令奈はその仕返しも兼ねていた。

どれくらい事を行っていたか分からぬ。気付いたら朝になっていた。

恵令奈は、放心状態の松田彩香を横目にベッドから起きると、窓の外を見る。

国道353号が、ラブホの目の前で複合コーナーになっていて、そこを僅かにタイヤを鳴らし、エンジン音を轟かせながら通過して行く奴等がいた。

三条神流のZD8型BRZを先頭に、霧降要率いるサンダーバーズの霧降艦隊の隊列だった。

その音で、松田彩香も起き上がる。

「カンナを先頭にして、BRZが多数。」

窓の外を見ていた恵令奈が言う。

「ゼクウで朝ラーメンかな?」

「私、煮干しラーメン嫌い。」

恵令奈は言いながら、服を着ていく。

「満たされない。アヤを抱いても、満たされない。アヤは、カンナが帰って来た事で満たされているだろうけど、私は違う。」

恵令奈は言いながら、松田彩香に付けた首輪を外した。

「追う?奴等を。」

と、恵令奈。松田彩香は頷いた。

ラブホを出る時、同じ方向へ行く加賀美と小岩剣に出会した。

事情を知らぬ小岩剣は目を疑った。

ラブホから松田彩香が恵令奈と出て来たのだから。

グリーンフラワー牧場の信号で、松田彩香と恵令奈に追い付いた加賀美と小岩剣。

(函館駅のトワイライトエクスプレス。)

と思う。

先頭の紅いGR86を青函トンネル専用のED79。合間のグリーンの2台をトワイライトエクスプレスの客車。そして、自分の青いN-ONEをJR北海道のDD51に例えて。

かなり無理がある。そもそも、函館駅にトワイライトエクスプレスは入線しない(緊急時を除く)。

353号の高速区間を走る隊列。

だが、小岩剣と加賀美は、草木ドライブインに向かうため、大間々で隊列から別れる。

別れて草木ドライブインに向かっていたら、背後からうるさくて青い奴等が接近。

「今度はトワ釜の日本海ですね。三条さん。」

三条神流を先頭にして、霧降要のBRZ含むSUBARU軍団が後ろについた。

小岩剣を除くと10台も。

「さっきの函館駅のトワイライトエクスプレスは無理があったが、こっちは無理は無い。加賀美さんがEF81で、俺が電源車。三条さんがA寝台で後はB寝台車9両。」

と言いながら、三条神流に通信する小岩剣。

三条神流が応えた。

「アヤが恵令奈に呼ばれてな。」

「そうなのですか。あのー」

小岩剣はラブホから出て来たのを見たと言う。

三条神流、驚かない。

「アヤと恵令奈は、俺が長野に行っていた時に、そう言う関係だった。」

と言う。

逆に小岩剣が驚いた。

「玲愛とはどうだ?」

三条神流が聞く。

「加賀美さんとは違う意味で、刺激的です。しかし、自分は同じN-ONEの先輩として、加賀美さんの後に着きたいと思います。玲愛さん。ちょっと強引過ぎて、手に追えない場面もありますので。」

「そうか。だがな、現実は辛いぞ。」

三条神流は冷たい。

前が空くと、国道122号のワインディングを一気に駆け抜ける。

(基本的には安定して居るんだけど、たまにヨタヨタするな。)

と、三条神流は思う。

わたらせ渓谷鐵道の沿線に入ると、更に小岩剣はヨタヨタする場面が目立つ。コーナーを攻めようとして居るのではなく、ストレートでフラつくのが特に目立つ。

「ー?」

三条神流、気になる。

横目に見える線路を、単行の気動車がトコトコと走るのが見えるが、明らかに車の方が早い。

ローカル線の厳しい現状だ。

草木ドライブインに着くと、小岩剣にそれを指摘する。

「ちょっと地図をー」

と、小岩剣。

三条神流は少し疑う。

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