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第10話 女装するけど質問ある?

昨日は2つ投稿したから注意してちょ




「ええっ! バンちゃんアクアパークに行くの!?」


 そんな声を荒げるのは、俺とユウカの会話を盗み聞きしていたクラスメイトの釧路正勝(くしろまさかつ)

 クラスのムードメーカー的な中心人物。


「え、うん。行ったことないし」


と答えると


「みんなー! 今週バンちゃんがアクアパークに行くんだって!」


 と大声で宣言!


「ちょ、マサカツ!!」


 せっかく番長から解放されてストレス解消のために行こうと思ってたのに、俺の制止もむなしくさっそくクラスメイトに広がってしまった!!


 ぬおお! ごめんよ白鳥さん! せっかく昨日、俺のストレス解消リフレッシュにテーマパークのチケット4枚もくれたのにリフレッシュできそうにない!!


「マ? バンチョーが行くならももうみんなで行くしかねーっしょ!」

「いいねいいね! うちらが案内したげるよ!」


 クラスのギャルたちもノリノリでテーマパークに行くことが決定してしまい


「どうすんの、あんたも来んの?」


 ユウカがじろりと睨みつける先に居るのが、俺の前番長である曽我太一。


「ああ? いくよ。決まってんだろ。ったく面倒くせーなぁ」


 なんて言っているが、やはり中学生。遊びたい盛り故、遊びに誘われればうれしくてほいほい行ってしまうのだ。


 俺の知らないところでクラス皆の俺の歓迎会及び親睦会のような形でテーマパーク行きが決定してしまった。


「チカちゃん。自慢の妹ちゃんも一緒に連れて来なよ。みんなに紹介してくれる?」

「うん。もちろん」


コミュ強者である花梨は誰とでも仲良くできる才能を持っている。

きっと俺のクラスのみんなとも仲良くしてくれるはずだが………




「うえーん! どうしよう花梨えもん!」


 またしても小学生の妹に泣きついてしまう。


「どうせ番長バズも一過性の物だろうし、放っておいてもいいかもしれないけれど、途中やパーク内で喧嘩を売られるのも困るんだよねぇ………」


「俺の顔知られてるのってどこまでなんだろう。開発区だけ?」

「うんにゃ。バズリは現在落ち着いてはいるけど、海上都市全体に浅く広くって感じだね」


 つまりミーハーな子たちは俺の顔を見て俺が千景だと判断できるってことか。


「じゃあやっぱり変装は必要ってことか。………花梨、任せていいか?」

「よしきた! 現役JSヤングギャルに任せておいて! もちろん当日は私も一緒に行くからね。 さーてエクステとカツラどっちにしようかな。お兄ちゃんはブルベ寄りだしぶつぶつ………お母さんにも相談しよ。」


 妹が俺の変身計画についてなにやら恐ろしいことを考えて良そうだけどまあ良き。


 クラスメイト皆で行くことになったけど、それはそれで楽しそうであり、すでに楽しみでもあるのだから。

 なんだかんだでみんなが俺の事を歓迎してくれていたことがわかり、すごくうれしい気持ちになるんだ。

 もしかしたら遊びたいだけなのかもしれないけどね。




さーあテーマパーク当日!

母さんと花梨の手を借りてわたし(・・・)は全力で……番長、生嶋千景から変身する!!


「やーんもう! 本気出しちゃった!」

「お兄ちゃん可愛い!! さすが私。コーデも決まってるよ!」


 上はゆったりとした黒のバルーンスリーブ

 下はベージュのフレアスカート。

 若干暗めの服ではあるが、素肌がそもそも色白ではあるからなるほど、映える。

 小道具のピンクのバッグが服をより際立たせる

 さらには両腕には紺色のシュシュをつけて、ウォッチの存在すらごまかす。

 ふわふわに毛先がウェーブした鎖骨まであるセミロングの黒髪のカツラをかぶり、もともと小さく中性的な顔立ちにこの格好


「か、完璧だ。完全に女の子だ。生まれ変わったぞ!」


 ぐっとこぶしを握り、おっと。ガッツポーズをすると女の子らしさが抜けてしまう。

 気を付けなくては。

 

「チカ、スカートを翻すようにくるって回って!」

「ほら。」


 母さんの指示に従い、ふわっとスカートが遠心力に従って舞い上がる。

 パシャパシャとスマホのシャッター音がなる。

すると、母さんがスンと鼻を鳴らした。


「あんたの姉がちゃんと産まれてたらそんな感じだったんだろうね」

「ほへえ。俺のねーちゃん。俺、双子だったんだっけ」

「そう。片方死産だったけどね。あんたはちゃんと生まれてよかったよ」


なんて言われて頭を撫でられても、意識ある時からずっと兄弟姉妹は俺と花梨がいるだけだったからなんか実感ねーや。

おっと言葉遣いと一人称がブレてるな。わたし。わたし。気をつけなければ。

亡きわたしのねーちゃんの代わりに女の子を演じようじゃないか。


「ふーーむ。やっぱり、どこからどう見ても美少女だね、お姉ちゃん!」


 花梨はまじまじと俺の変装を観察して満足して、

 いえーい! と母さんと花梨と俺でハイタッチを交す。

 花梨もわたし(・・・)の事をお姉ちゃんと呼ぶ


「あ、白鳥さんから返信きたよ。【本当に千景くんか? 見違えたな。本当に生まれ変わるとは………。たしかにこれなら誰も君が千景くんだとは思うまい。】だって。」


 すでに送っていたのか………。白鳥さんになんてものを送っているんだ………!


「性別が違ってるんだ。分かるわけない。昔からさんざん母さんの着せ替え人形にされていたから、今更女装に抵抗なくてよかったとつくづく思うよ。これでわたしはもう生嶋千景(チカゲ)じゃない。」

「じゃあ、なんて名前なの?」


 なんて花梨が首をひねる。

 はて、わたしに名前か………


「チカでいいんじゃないの? もともとあんたの姉につける予定だった名前。漢字だと千の火」


 と母さんが答える。

 うーん。おもったよりもちょうどいい名前。

 双子で「火と影」だったのか。おしゃれ。

 俺の名前の由来が景色だから、双子で表裏一体でありながら、明るく照らして景色を見る。なんか気に入った。


「生嶋チカ。じゃあわたしが変装するときはそう名乗ろっか。」

「チカおねーちゃん!」

「うん! よーし花梨! それじゃあテーマパークに出発だ!!」


あとがきちゃん

ご拝読いただきありがとうございます

面白いと感じてくださったらブクマと☆☆☆☆☆→★★★★★にしておいてください。


次回【なにか忘れてるけど質問ある?】

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