1-2 お、まさかの潜入捜査か
ピーーーーーーーーーーガチャ
「・・・・了解、今すぐ向かいます」
部屋を出て、俺の所属するロストの対異生物排除部隊第三師団の教官及び司令官・・・つまるところの上司の部屋へ行った。
コンコン
「ディシクレイト、ただいま来ました」
「入れ」
ドアを開け部屋へ入った。書斎のよいな部屋、一つだけ大きなデスクがありそこに一人の女性が椅子に座っていてデスクの前にピアスが立っていた。
「少佐、用件はなんでしょうか」
「そうそう、ディスが来たんだからそろそろ教えてくれてもいいんじゃない?」
「・・・・・・・は〜」
「うわっ、いきなりため息。良い予感がまったくしない」
「ピアス、さすがの私もうるさいと思うわ・・・・では、本題にはいるわね。まず、これを見て」
差し出されたファイルを見た。ピアスは「そういうのは全部ディスに任せた」という訳で見ていない
・・・・・・・これは
「今回の任務理解したか?あぁ、ピアスお前は黙っていろ」
「要するに、シュケルになりそうな奴を見つけて引き込め、ということですか」
「え、シュケル増えんの?やったじゃん。最近死ぬ奴増えて人手不足だったし、ラッキー」
「黙れと言ったはずだがピアス?」
「ういーっす」
「だが、少佐これを見る限り一般市民区の高等学校ですが、どうやって調べるつもりで?」
「お、まさかの潜入捜査か」
「・・・・・・・・・」
「え、まじ・・・」
「お前達の任務を言おう、明日よりお前達二人は銀零高等学校の生徒としてシュケル候補二人を見つけ報告しろ。必要な物はすでにお前達の部屋に運ばれているだろう・・・・・あれだ、任務が終わったら何か奢ってやるから頑張れ」
・・・・・納得は、いかない
「失礼ですが少佐、私は今回の任務を辞退させて頂きたい」
「何故って、復讐以外に興味がないからか」
「はい」
俺は、肉親を殺した奴の復讐のためにここに所属した。シュケル探しは確かに発見したら効率を上げたり『組織』にとっていいことだが
「おい、霜時ちょっと耳貸せ」
霜時は俺の名前だ。ちなみに俺を名前で呼ぶ奴は雷少佐とそこにいる上官とピアスぐらいだ。
「なんでしょうか」
「いいから早くこっち来い」
しかたないので近づいた。顔が近づき耳元で言われた。
「これは、最近聞いた話だがどうやらお前が追っていたクリーチャーこの周辺で一件被害が出たらしい。・・・・・優先はシュケル候補探し、もし、一般人に危害が加わるような事が起きれば殺りに行っていい、引き受けてくれるな?」
引き受けてくれるな?、の部分だけはピアスにも聞こえる音量で言った。
「はいっ!」
−−−−−−−−
「は−−い、席に着けー。おい、伊東早く席に着け。・・・・・・今日は転校生が二人入ることになった。入りたまえ」
一人は目つきが少し鋭い黒髪の人、もう一人はいかにもだらし無い雰囲気が漂っている茶髪の人。どちらも男
「影宮霜時君と一瀬酋君だ。質問とかは休み時間にでもしてくれ。じゃあ影宮君はそこで、一瀬君はそこの席だ」
影宮という転校生が私の隣に来た。隣の席な訳だが、何の挨拶も無しに黙々と席に座った。何か一言ぐらいないのか!と思ったがまあいい。どうせこれから隣の席にいるのだから会話ぐらいあるだろう。ああ、私か?私は綾瀬憂希2-B出席番号2番だ。暇な学校生活だったが転校生が二人もしかも二人共うちのクラスとはラッキーだ。この二人について調べたら面白いかもしれない。
−−−−−−−−
「どこから来たの?」「名前なんて言うの?」「好きな食べ物は?」「好きなタイプは?」
・・・・うるさい。
今は昼休み、霜時は2-Bの女子達に質問責めを受けていた。もちろんどれとて答えていない。が、かわりに
「君みたいな子、オレタイプだな〜。どう?オレっちと付き合わない」
酋が女子達と話まくっていたわざと霜時の席で。
キャアキャアうるさい・・・・・
霜時は席を立ってその場を離れた。
「あんりゃー、やっぱディスには合わないか」
酋は誰にも聞こえない声をつぶやいて霜時を見送った。
−−−−−−−−
霜時は、どこか静かな場所はないか?と廊下を歩いていたら
「キャッ!」
誰かとぶつかってしまった。霜時は周りが見えていなかったのでまったく反応できなかった。見ると本が散らばっているのと床に座っている女子がいた。
「すまない」
霜時は自分がやったことをいち早く理解し散らばった本を集めた。本を積み上げると結構な量だった。
「すいません、私も前が見えなかったので、ではありがとうございました。」
その女子が本を持ち上げたら本で前が見えなくなりフラフラ歩き始めた。
「・・・・・・はぁ」
霜時はその姿を見てしまい、見捨てて行く気にはなれなかった。その女子の元まで行き持っていた本の七割ぐらいを持ってやり
「どこまでだ?」
「ふえ?」
いきなり視界が良くなったのと荷物が軽くなったことで変な声をあげた
「え!、いやいいですよ手伝ってくださらなくても」
「かまわない。どうせやることはなかったからな」
「でも・・・」
「だったら早くどこまで運べばいいか教えてくれ。さすがにこれをずっと持ちつづけるのは嫌だからな」
「・・・・・わかりました。こっちです」
女子について行き、着いた場所は図書室。まぁ当然と言えば当然だ。本を運んでいる時点でだいたいどこかは予測がつく。運び終え
「ありがとうございました、えーっと名前聞いてもいいですか?」
「影宮霜時だ」
こいつの質問は不愉快には思わなかった。
「私は1-Aの篠原結衣です。改めて影宮さんありがとうございました。」
頭を下げられる。
「いや、言ったとおりやることがなかったから手伝ったまでだ。気にするな」
「それでもありがとうございます。」
切り出す方法が思いつかなくこの状況で抜け出せない霜時、
「あら?影宮君じゃないか。シノもあらあら?」
が一人の女子が入って来たことにより空気が変わった。
いきなりの学校、化け物との血生臭い闘いばかりかと思ったらあらびっくり。自分ですら予想外の展開に!