1-1 《闇》がすべてに成りつつあるこの世界
「・・・・・・」
ディスは三匹目の《バット》を消した
「お前、そろそろその無口やめねえか?こっちまで暗くなるわ」
ディスに話し掛けてきたのはがたいが大きい仮面黒ずくめ・・・・名前はスーサイド・・・・《自殺する紋》の《闇》の使い手
「・・・会話する必要がない」
「いや、まぁたしかにそうなんだがこんなにコミュニケーションがないとチームワークが・・・・・もとからあんまねーな」
基本、クリーチャーや異端者を刈るのは一人で十分。シュケルと呼べる者は皆十体ぐらいなら普通に刈れる。
今回スーサイドといるのはクリーチャーの大型種が出たからである。
「・・・・・先に行く」
「あ、おい待てよ」
対象がいる目的地まであと少し
彼ら二人がいる場所はクリーチャーが大量発生して人が住めなくなった廃ビル群の中
世界は今多くの場所でクリーチャーが大量発生するポイントが増えている。この廃ビル群もその一つ
「・・・・・いやがるな・・・・・あいつぁ・・・《ドッグ》の合成体か?頭が三つもあるぜ」
「《ケルベロス》だ・・・・・・・・最近は出てきてなかったやつだ・・・・・後方支援を任せた」
ケルベロス−顔が三つあるドーベルマンのような犬、大きさが全長3〜4mと大きい見た目は犬のように見えるが体には黒色が脈動するように纏わりついている
ディスは何もなかった空間から刀を『出し』斬りにかかった
「うおっ、はえーな。んじゃ、俺も準備しますか」
スーサイドもまた『出した』、札を。
−−−−−−−−
ケルベロスは対して強いものじゃないが大型種はいるだけでその周囲にある《闇》が暴走する−−さっき消した《バット》も多分そこらにいた蝙蝠の《闇》が暴走した結果だろう−−ただし《闇》を制御したシュケルは暴走しない。
俺はまずその三つの頭のうちの右側を首元から斬った。黒色が飛び散り《ケルベロス》の頭が一つ落ちる
《ケルベロス》は唸りを上げ口から火を吐いた
《闇》にはファンタジーめいた部分が多くある、火をだすしかり、雷をだすしかり。《闇》には能力がある、例えば
ディスの後方から《ケルベロス》に向かって炎弾が飛んでいき当たった
バックアップしてくれるスーサイドは札を利用し炎弾や雷弾などを撃てる
《ケルベロス》に炎弾が当たったが怯みすらしなかった
「スーサイド!火は効かないぞ!」
俺は大声で言った
次に雷弾が飛んできた《ケルベロス》の真ん中の頭に当たった
・・・・怯んだ!
俺はこの隙を逃さなかった。すかさず近寄り今度は怯んでいる真ん中の首を斬り落とした
《ケルベロス》はもはや間抜けな格好になっていた左よりな頭が一つだけ、見た目バランスが悪い様
雷弾が連射されいろんな箇所に命中、ディスもその中最後の首を斬り落とした・・・・・・・・・がこれだけではまだ終わらない《闇》に蝕まれた元生物は核となる部分を破壊しなければ殺したことにならない、コアを破壊せずにそのままにしておくとこの《ケルベロス》の場合首が三つとも三日ぐらいで再生するだろう
俺は《ケルベロス》の腹を刻み始めた・・・・・・見えた!
脈動する心臓のような物これがコア、コアはたいていその対象の中心部分にある
「喰らい尽くせ!」
コアに刀を刺す
《ケルベロス》は霧散していった
「スーサイド、帰るぞ」
「うい〜っと」
《闇》が人類を補助し、暴走し、喰らい、襲い、《闇》がすべてに成りつつあるこの世界・・・・・人はこの《闇》に対しどこへ向かうのか、破滅か?・・・・・・まぁ、俺には関係ない。俺はただの復讐者、奴を消すだけだ。