1-6 「あら影宮君そんなところにいたの?」
「命を喰らい尽くせ!」
霜時は一般市民区でもクリーチャーを殲滅していた。今は午後3時、《ドッグ》を三体刈った。・・・・・・高校からは俺だけが出て来た。組織側の手回しによって母親が危篤常態でいつ死ぬかの瀬戸際・・・という設定になっている。長居はしないからいいがこんな理由いつまでもつのだろうか。
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「で、今日はロールケーキを作ってみました!」
篠原結衣が部室でロールケーキを出していた。篠原結衣はお菓子を作るのが趣味らしい。毎度部活の際に必ず何か持ってくる・・・家庭科部に入った方がよくないか?
「はい、どうぞ」
切り分けられたロールケーキを渡された。
「お?今日はロールケーキ?いいじゃんおいしそーじゃん」
酋はそう言って、手づかみでロールケーキを頬張り始めた。こいつからの殺気はあの日の次の日には消えていた・・・多分寝てる間に忘れたのだろう。
「あら、じゃあ紅茶も・・・準備がいいわね。シノ愛してるわ」
綾瀬結城、篠原結衣のことを愛する女、同姓愛者、殺気を放たなくなったが、「あら影宮君そんなところにいたの?」とか言ってハサミを投げてきたり、「誰がそんなことしたんでしょうね(笑)」とか言って俺の席の椅子に画鋲が敷き詰められたり・・・俺は綾瀬結城に何かしたか?対したことはされてないので特に俺は何も言わない。
そんな風に、高校に入って一ヶ月が経った。今だ一人もシュケルは見つかっていない。
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ん〜、シノのお菓子に紅茶幸福ね・・・・・・・・・じゃなくて、影宮君の素性がまったく掴めない!私が一ヶ月も調べてるのにまったく謎しかない。こんな得体の知れない奴にシノを近づけてたまるか!って言いたいけどシノから影宮に近づいて行く・・・シノ、だめ!そっち行っちやだめ!
「影宮先輩、今日のロールケーキどうです?今までで1番の力作です。」
「ああ、美味い」
「お口に合ってよかったです」
え?シノなんで顔赤くなってんの?それに影宮なんでシノのお菓子食べてそんな一言しかないの?・・・・・・影宮の○○○ヤロー!
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ゾクッ!
ん!なんだかなりの寒気が・・・風邪は引いてないはずだが?また、綾瀬結城が俺に殺気を放っている・・・・・・なぜ?
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ん〜・・・こりゃ見てて飽きないな〜霜時は特に色恋沙汰にまったく興味ないからな〜だから今の状況になってんだけど・・・・・・あ〜このロールケーキおいしいな〜
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最近私が気づいたことだけど影宮先輩ってかなりモテてる・・・・この前新聞部で彼氏にしたいランキングを製作したら三位に輝いた。「一匹狼なところがいい」とか「顔がむっちゃ好みやん」とか「あの目で睨まれたら絶対に服従する」とかいうコメントをもらった。中には共感でき・・・ライバルはいっぱいいるなー・・・・・・でも部活でいつも一緒だし1番チャンスあるよね!そういえば今は無いけど、最近まで新聞部の入部希望者が増えたんだけど、もちろん狙いは影宮先輩。ユキちゃん先輩が追い出したのはかっこよかった・・・あれで私のこと襲ってこなかったら尊敬できるんだけどね。後は酋先輩、どうしてか下の名前で呼んでって言われたので酋先輩。で、その酋先輩は何かいつも部室でゴロゴロしてる。たまに影宮先輩やユキちゃん先輩に「貴様、働け。将来ニート志望か?」「私はね、あいつが嫌いだけどねまだ優秀に働いてくれるからいいのよ。でもね、働いてない人間はね死んでしまってもいいと思うわ」という感じで蹴られてます。あいつって誰だろう?そういえば影宮先輩と酋先輩が入ってからもう一ヶ月も経ったんだ。
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一人も見つからないか・・・組織はこの状態をどう見ている?
「よ〜し朝のホームルーム始めるぞ〜」
今は学校でホームルームが始まった。
「今日はサプライズ!転校生がうちのクラスにまた一人増えることになった。」
・・・そういえば、そんな噂があったな。新聞部にいるとこういう情報はすぐに入ってくる・・・たしか、女だったか?
「入ってくれ、園崎さん」
「は〜い、園崎ミチルです。よろしくね☆」
・・・なんでやつがここにいる・・・酋、開いた口を閉めた方がいいぞ・・・
「あ!霜時だ〜☆」
・・・・・・全員の視線が集まったのだが・・・・・・
「ん?影宮の知り合いだったのか?だったら席は影宮の隣がいいか・・・お〜い、そこ開けてやってくれ。じゃあ園崎さん影宮からいろいろ聞いてくれ。じゃあホームルームは終わりにする。」
・・・・・・厄介なやつが来たな・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・
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アレ、ナンダコレハコトバガカタコトニ・・・冗談はほどほどにして、あんれ〜影宮が妙にハーレム状態になっていく気が・・・