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二十魔将

サモ「魔王軍...!それに二十魔将だと...!?」

モイモン「そう。復活したんですよ、魔王軍」

サモ「そんなこと何年も前から予想は付いていた...!しかし何故二十魔将がここに...!」

モイモン「部下の魔物が殺されたんですよ、あの大きくて白いネズミみたいな子。君が原因ですよね?」

モイモン「本当はあの子を使ってこの街を征服しようと思ってましたが、まさかここまでの手練れがいるとは予想外、私の手で征服することにしましたぁ」


サモ「あの魔物達はお前の仕業か...!」

モイモン「そう、せっかくだから呼びますねぇ」

そう言ってモルモンは指を鳴らした。すると四方八方から口の裂けたあの魔物が大量に現れた。


男「うわああぁぁ!!」

女「きゃああぁぁ!!」

魔物達がリメリアの住民達へ襲いかかる。


サモ「やめろおぉぉぉ!!」

リドル「おらぁ!」

ロエル「ふんっ!」

住民を喰おうとしていた魔物を闘技場から出てきたリドルとロエルが両断した。そしてリドルへ続くようにリメリアに集った戦士達が魔物と闘い始めた。


戦士「こいつら…もしかしてサモザーラの野郎が言っていた…!?」

戦士「おい坊主達!この魔物共は俺達がなんとかする!お前らはその魔族を倒すんだ!」

戦士「サモザーラ、あのモンスターに似た魔物がいるってのは本当だったんだな…すまなかった...」

サモ「…口を閉じればあんなに可愛らしい見た目をしているんだ、信じられんのも無理はない」

サモ「魔族の方は任せろ」

戦士「あぁ...!頼んだぞ...!」


ミリス「サモさん大丈夫!?」

サモ「大丈夫だ、大した傷は負っていない」

リドル「サモ!こいつなんだ!」

サモ「二十魔将だ...!」

リドル「二十魔将!?」

サモ「なんだこれは知ってるのか?」

リドル「あぁ...!本にも出てたからな...!」


二十魔将(はたましょう)」魔王軍の中でも特に高い実力を持った20人のことである。


リドル「てことはクソ強えってことか...!」

ロエル「燃えるじゃねぇか...!」

サモ「この前の魔物とはわけが違う、油断するなよ!」

リドル「おう!」

ロエル(やっぱり知り合いかよ…)


リドル「どりゃあ!」

リドルはモイモン目掛けて剣を振った、しかし大して刃が通らなかった。


リドル「固ぇ...!」

モイモン「痛いですねぇ...見込みあり!」

リドル「うぉっ...!?」

リドルは振り払われたが、なんとか受け身を取った。


リドル「なんちゅう怪力だよ...!腕振るだけで虫みたいに吹き飛ばされちまった...」


一方ロエルはモイモンの周りを回っていた。


ロエル「よぉ魔族…!人間様がお楽しみ中のところに襲ってくるとはいい度胸じゃねぇか!」

モイモン「それは失礼、人間の楽しみなんて知らないものでしてねぇ」

ロエル「なっ...!?」

一定の距離を保っていたロエルだったが一瞬で目の前まで距離を詰められた。そしてモイモンの拳がロエルに迫っていた。


ロエル(速い...!?けど...)

モイモン「おっ...?」

ロエルはモイモンのパンチをギリギリ躱した。


ロエル「危ねぇ〜…」

ロエル「そんじゃあ、お返しだ!」

そう言うとロエルは各所に溜めていた泥波拳(でいはけん)のエネルギーを一気に放出した。


ロエル「へへっ!どうだ!」

モイモン「ほぉ…中々の技ですね…しかしまだまだ!」

ロエル「ごはっ!?」

モイモンはロエルの脇腹へ蹴りを入れた、ロエルは吹っ飛び家屋へ激突した。


ロエル「くっそ痛え...!あいつ、前のカエル野郎と違って素で俺より速いのかよ...!」


リドル「はっ!おらっ!」

サモ「ふんっ!せいっ!」

二十魔将の実力は凄まじい、しかし流石のモイモンも2人の猛烈な攻めに手を焼いていた。


モイモン(2人同時に攻撃されると遊びの余裕があまりないですね、少し侮っていた...)

ロエル「でりゃあ!」

モイモン「チッ…」

ロエルもすぐに復帰しモイモンを斬りつけた。


モイモン(これは…もう遊ぶことはできなさそうですね…仕方ない)

モイモン「ふんっ!」

リドル「ぐおっ...!?」

ロエル「ごあっ...!?」

サモ「がはっ…!?」

突如リドル達の真下の地面が隆起し、それぞれの腹を突いた。


リドル「痛ってぇ〜…!」

モイモン「ふふふっ、これが私の魔法「地突身(マダム・コルポ)!」私から一定範囲内の地面を操作できる能力です…!」

ロエル「よくもやりやがったなぁ...!本気出したくらいで調子に...ぐはっ...!?」

ロエルの脇腹に再び地突身が当たる。


リドル「ぐあっ...!」

ロエル「ごはっ...!」

サモ「ぐほっ...!」

モイモン「はははっ!愉快愉快!」

地面が無数に隆起してリドル達を殴り倒す。リドル達は全身から血を流していた。


ドカッ...!


モイモン「んん…?」

突然、モイモンは背中を殴られたような感覚がした。


モイモン「ふんっ…!」

?「ぐあっ!」

肘打ちで殴り返し後ろを見ると、エルマンが鼻血を垂らしながら立っていた。


モイモン「君…誰ですか…?何か用で…?」

エルマン「用って…お前を倒す以外に何があるんだ…!」

モイモン「君がぁ…?とても強そうには見えませんねぇ…」

エルマン「そうやって舐めてかかると…痛い目をみるぞこの野郎…!」

エルマンはもう一度モイモンへ殴りかかったが。


エルマン「ぐぁっ…!」

モイモンにあっさりと返り討ちにされた。


モイモン「あれま、軽く殴っただけなのに」

エルマン「クソ…うおぉ!」

その後エルマンは何度もモイモンに立ち向かい、悉く返り討ちにあった。気づけば顔だけの怪我が全身に広がっていた。


エルマン「はぁ…!はぁ…!」

モイモン「さっきから何もできる感じがしない、どうやって私に勝つんですかぁ…?」

モイモン「後…」


ミリス「きゃっ!」

モイモンの背後でリドル達を回復していたミリスを、地面が隆起して襲った。


モイモン「見えてますよぉ。狡い真似を」

リドル「ミリス…!」


戦士「クソ…なんだこの化け物…!数が多すぎる…!」

戦士「このままじゃ俺達全滅するぞ…!」

モイモン「あっちも良い調子、そろそろ終わりですかねぇ。まぁ…久々に良い運動にはなったかなと…」

エルマン「クソ…!」


モイモン「じゃあ、そろそろ終わりに…」

モイモンがエルマンにトドメを刺そうとした次の瞬間、体に大きな痛みが生じた。


モイモン「ッ…!?」

反応したのも束の間、痛みの元から爆発が起きた。冷たく、ジンジンくる痛み、モイモンの死角からサモの氷の腕がモイモン目掛けて発射されたのだ。


サモ「はぁ…!はぁ…!」

モイモン「…なんだ、そんなこと出来たんですねぇ…」

サモ(なんて硬さだ…!これでも死なないのか…!)


モイモン「今のはかなり効きましたよぉ…雑魚どもで競い合ってる場所だと思ったら…少しは見直しましたぁ」

モイモン「あぁ…この傷が治るのにどれくらいかかるやら…許せませんねぇ…!」

モイモンの表情が豹変した。


モイモン「いいですよぉ、まず君から殺してあげます。魔族の力に絶望して死ね…!」

モイモンは鋭い爪を立てると、サモへとその凶器を向けた。


サモ「さような…!なんだ…?」

サモは嫌な気配を感じた。魔物や魔族よりもドス黒く、禍々しい魔力、そんなものが…


こちらに接近している


モイモン「…!?」

すぐにモイモンは後ろを振り向いた。そこには拳に赤黒いオーラを纏わせたリドルが、今まさにモイモンへ殴りかかろうとしている。


モイモン「なっ…ごあぁっ!?」

リドルの拳はモイモンの腹へ直撃した。


リドル「へへっ!どうだ!」

モイモン「なぜ…動けて…!?」

リドル「傷の治りが早いもんでな」

モイモン「それに…なんだその力は…!?」

リドル「お前をぶっ飛ばしたいって気持ちが込み上げてきて、そしたらなんか力が湧いてきたんだよ!」

モイモン「どいうことだ…!?」


リドル「さぁな、でもお前を倒したいって気持ちは確かだ!」

モイモン「ぐっ…!?」

リドル「でやっ!はぁっ!」

モイモン「ちっ…!ぐあっ…!」

リドルは強化された体と形成した武器を巧みに使ってモイモンを翻弄する。


モイモン「ッ…!私を…舐めるなぁ!」

リドル「ぐはっ…!?」

モイモンは地突身でリドルへ反撃した。


モイモン「だあっ!」

リドル「がっ…!?」

追撃で強烈なパンチをお見舞いする。リドルはぶっ飛び、その勢いで建物を何棟も貫通した。


モイモン「確かに強くなったのかもしれませんが!実力はまだ私の方が上のようですねぇ!」

モイモン(しかし、あの子からは妙な力を感じますねぇ…放っておけば私を遥かに超えてしまいそうな…あの子だけは絶対に殺す…!)


モイモン「さぁ早く出てきなさい!その体粉々にしてあげましょう!」

リドル「言われ…なくともぉ!」

瓦礫の中からリドルが飛び出した。


モイモン「これで終わりです!」

モイモンは地面を隆起させ、リドルを囲むように飛ばした。しかし…


モイモン「なっ…!?」

隆起した地面達の先端から泥波拳で作られた手が出現し、地面を押し始めた。これにより一瞬だけ地突身の動きが停止したことで、リドルはギリギリのところで囲む地突身の隙間を通り抜けることが出来た。


リドル「サンキューロエル!」

ロエル「へっ、これが俺様の力ってもんよ…」


モイモン「小癪なぁ!」

リドル「はあああああぁ!!!」

リドルは赤黒い剣を形成すると、その剣でモイモンの体を斬り裂いた。


モイモン「がっ…!?なんてね!今度こそ終わりに…!」

そう言うとモイモンはリドルへ爪を振りかぶった。


サモ「それはこっちのセリフだぁ!」

モイモン「なに…ごはぁっ!?」

再び氷纏を使用したサモがモイモンの顔面目掛けて強烈なパンチをお見舞いした。


モイモン「なっ…あぁ…私がぁ…くそぉ…」

モイモンはそう言いながら灰となって消えた。


魔物「ぎいぃ…」

戦士「ま、魔物達が消えていく…!」

戦士「か、勝った…?」

戦士「うっ…」


戦士達「うおおおおおぉぉぉぉ!!!!やったぞおおおぉぉぉ!!!!」

リメリアに歓声が響いた。


リドル「…あぁ〜!つっっかれたぁ〜!」

リドルは地面へとへたれ込んだ。


サモ「大丈夫か、リドル?」

リドル「いやもうすっごく疲れた…逆にそんな血だらけでよく立ってられるよなぁ…」

サモ「根性は誰よりもあるからな」


リドル「ロエル〜、ミリス〜、大丈夫かぁ〜…」

ミリス「私は大丈夫〜!けど、ロエルが…」

ロエル「あぁ…人参畑からゴリマッチョなマグロが…」

リドル「ロエルー!!!」

リドルは疲れなんて忘れたようにロエルのもとへ走った。


サモ「ははは」

エルマン「サモザーラ!」

サモが声の方を振り向くと、エルマンや戦士達、街の皆が立っていた。 


エルマン「…すまなかった!まさかお前の言っていることが本当だっとは…」

エルマン「今更許してもらおうなんて思ってはいない、もし俺達に出来ることがあればなんでも言ってくれ…!」

エルマン達は深く頭を下げた。


サモ「そうだな…」

サモ「少し空気が悪いし、今日は強敵を討伐した記念ってことで、宴でもするか?」

エルマン「…!」


エルマン「…よぉし!お前ら、宴の準備だぁ〜!!!」

皆「おおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」


ー・・・


リドル「この飯うっめぇ〜!」

ロエル「本当だなぁ〜!」

ミリス「はぁ〜、最初はどうなるかと思ったわ〜」

サモ「結果的にはどうにかなったな」


サモ「それにしても、まさか二十魔将を討伐出来てしまうとは」

リドル「あいつはマジで強かったぜ…」

サモ「しかしリドル、最後は急に強くなったな。どうしてだ?」

リドル「いやぁ〜、分からないんだよ。本当にあいつをぶっ飛ばしたいって思ったらいきなり力が湧いてきてさ」

サモ「不思議なものだな…」


ロエル「がほっ!?ごほっ!む、むせだ…!」

ミリス「だ、大丈夫!?」

リドル「うわ、ばっちぃ〜…」


サモ「ははは…今はこんな話置いといて、宴を楽しむか…!」


ー・・・


リドル&エルマン「お゛え゛え゛え゛え゛ぇ」

ロエル「おいおい食べ過ぎじゃねぇか〜…?」

ロエル「おっさんの方ははなんで吐いてんだ…?」

エルマン「飲み過ぎだ…」


ー・・・数週間後


ロエル「じゃ、俺達はそろそろ行くぜ」

リドル「今までありがとな!」

ミリス「えぇ、またいつでも遊びに来てね!」

住民「ありがとな〜!リメリアの英雄さん達〜!」


リドル「あれ?サモは?」

ミリス「確か来るとは言ってたはずなんだけど…あっ、来た!」

ミリスが指差す方向を見ると、平原からサモが巨大な牛の様なモンスターを引きずってやってきた。


サモ「すまん、討伐依頼を受けていて遅れた」

ミリス「これって、森のヌシ…」

サモ「あぁ、この前の魔族に比べたら大したことはなかったがな」

住民「………!?」

リメリアの住民達は呆然としていた。


リドル「すげぇなサモ!」

ロエル「このデカさ…街の皆で食っても3日は持つじゃねぇか…?」

サモ「あぁ、この街の置土産としてちょうど良いと思ったんだ」

ミリス「置土産?」


サモ「リドル、魔王討伐の旅を再開するみたいだな。俺も連れて行ってくれないか?」

リドル「…!」

サモ「俺はこの街を愛している、そんな街をめちゃくちゃにされた」

街は見渡すとたくさんの建物が瓦礫の山と化していた。


サモ「だから俺は魔王に仕返しをしたい。だから連れて行ってくれないか?」

リドル「俺は…もちろんいいぜ!ロエルは?」

ロエル「もちろんいいぜ、旅仲間は多い方が楽しいからな…!」

サモ「ありがとう…!」


サモ「…皆」

ミリス「あなたがそう考えるなら行くべきよ!」

エルマン「お前のその力、ここだけで発揮するのはもったいないぜ!」

住民「頑張れー!サモザーラー!」

サモ「…あぁ、行ってくる…!」


ロエル「よし、行くか!」

リドル「おう!」

サモ「あぁ!」


魔王軍二十魔将の1人を倒した3人は、打倒魔王を目指して再び足を進めるのであった。

最初のボス倒したぞー!

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