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魔物の大元、そして大会

3ヶ月...!?

翌日


サモザーラ「予定よりかなり遅れたな...」

リドル「すんません...」

サモザーラ「なぜ遅れた。」

リドル「寝坊です...朝弱いもんで...」

サモザーラ「...まぁいい、ついてきてくれ」

リドル「うっす...」

リドルとサモザーラは再び森の方へと向かった。昨日よりもさらに奥へと進み、開けた場所に辿り着くと、そこには昨日よりも10倍も大きな魔物が横たわっていた。


リドル「これって昨日の...にしてもデカすぎねぇか...?」

サモザーラ「昨日と全く同じ魔物の死骸だ。ここまでの個体差、魔族ってのはよく分からないもんだな」

そんな話をしていると、死骸を観察していたミリスがサモザーラ達の存在に気づいた。


ミリス「あっ、サモさん遅い...ってリドル?」

リドル「よっ」

サモザーラ「こいつにあの魔物の話をしたんだ。それと今日の件についても話がしたくて来てもらおうとしたら、予定より遅れしまった」

リドル「ごめん...てかサモさんって...」

サモザーラ「あまり好きな呼ばれ方ではないんだがな...」

リドル「じゃあ俺もサモって呼ばせてもらおうかな〜、名前長いし」

サモ「人の話聞いてたのか...」


ミリス「それなら良いところに来たわね!ちょうど戦闘が得意な人が欲しかったの!」

ミリス「実はそれサモさんが狩った魔物でね、ようやく大量の灰が出てきたの」

リドル「灰?」

ミリス「まさか灰も知らないの...?」

リドル「おう!」

ミリス「ドヤ顔で言わないで...」


ミリス「あの魔物をよく見て」

リドル「なんか煙みたいなのが出てきてるな」

ミリス「これが灰よ。魔物含む魔族は特殊な魔力で体が構成されていて、死ぬと体の魔力は灰になって、空気に乗って元いた場所へと還るのよ」

リドル「へぇ〜...知らなかったぁ...」

ミリス「冒険者なら常識よ...」

サモ「お前も昨日の魔物を俺が倒した時に見たことあるだろ...」

リドル「あぁ〜、あれか」


リドル「この灰ってやつは何か重要なものなのか?」

ミリス「さっきも言った通りこの灰は元いた場所へ還るの、つまりこの灰を追えばその魔物の住処に辿り着けるかもしれないってこと」

ミリス「恐らく灰が行く所にはこの魔物を生み出している大元がいるかもしれない、この巨大な個体もそいつから生まれた可能性が高いわ」

リドル「こいつよりもっとでかいやつがいるのか...」

ミリス「今まで出会ったのは魔力量が少ない分、出る灰の量も微量だったから追うことが出来なかったけど、こんなに灰が出るなら簡単に追えるわ!」


ミリス「リドル、お願いできる?」

リドル「おう!任せろ!」

ミリス「助かるわ!」

リドル「ロエルも呼んでくるか?」

ミリス「人は多い方が良いけど、時間がないから大丈夫よ」

サモ「なら早速行くか」

ミリス達は謎の魔物の大元を調べるため、灰の行方を追うのだった。


ミリス「いた」

リドル「おぉ、でっけぇ...」

リドル達は崖下を覗いていた。灰の行き着いた先、そこには先ほどの巨大な魔物よりもさらに大きな魔物が佇んでいた。


サモ「おい、あれを見ろ」

サモが指差している魔物のお尻部分を見ると、昨日のような小さい魔物が産まれ、すぐに森の方へと走って消えていった。


ミリス「こいつで間違いなさそうね...リドル、サモさん、いけそう?」

サモ「強い魔力は感じない、いけるぞ」

リドル「俺もいけるぜ」

ミリス「じゃあ、頼んだわね!」

リドル「しゃあ!行くぞー!」

リドルとサモは茂みから飛び出し、崖を滑り降りた。


魔物「きゅいえやあぁぁぁぁぁ!!」

リドル達の存在に気づいた魔物が自身の巨体よりもさらに巨大な口を開けた。


リドル「おらぁ!」

先手を仕掛けたのはリドルだった、赤黒い剣を生みだし魔物の皮膚を切り裂く。


魔物「ぎぃあぁぁぁぁ!」

魔物が怯んだところにサモがすかさずパンチを入れる。


魔物「きいぃ...!」

魔物がまた怯み、リドルは再び追撃を決めようとした。


魔物「ごああぁぁぁぁ!!!」

リドル「うおぉ!?」

魔物がすぐに体制を立て直し、リドル目掛けて炎を吐いた。リドルは間一髪で攻撃を躱した。


サモ「大丈夫か?」

リドル「大丈夫だ!」

サモ「しかしタフな奴だな、この地域にここまで強力な魔物がいるのは初めてだ」

サモ「少し本気を出そう」


サモ「氷纏(アイス・フォルン)

そう言うとサモの両腕が氷に覆われた。


サモは勢いよく跳び、魔物の脳天目掛けて強力なパンチをお見舞いした。


魔物「ぎいいいぃぃぃ!!」

魔物は大きな呻き声をあげた。しかしまだ死んでおらず、再び炎を吐こうと口を開いた。


サモ「ふんっ!」

サモはそれを狙ってたかのように両腕を構えると、氷の腕が剥がれ魔物の口目掛けて発射された。


魔物「ぎょあぁ!」

氷の腕は命中し、そのまま爆発した。魔物は口から冷気を出しながら倒れた。


リドル「すげえ〜...!」

サモ「ふぅ...」

ミリス「2人とも〜!」

ミリスが崖から降りてきた。


ミリス「大丈夫?怪我はない?」

サモ「あぁ、問題ない」

ミリス「あんなに大きな魔物を倒すなんてすごいわね2人とも!」

リドル(俺はそんなに活躍できなかった...)


リドル「あっ、そういえばさ、この魔物も灰がどっか行ってるけど、本当にこいつが大元なの?」

サモ「さあな、しかし魔物を産んでる時点で何かしら影響を与えていた奴ではあるだろうな。現時点であの強さなら、これ以上深入りするのは危険だ」

ミリス「そうね、とりあえず一安心ってところかしら」

サモ「じゃ、帰るか」


その夜、リドルとサモは焚き火を囲んで話をしていた。


リドル「なぁサモ、明後日はいよいよ大会だけど、なんで大会に参加しようと思ったんだ?」

サモ「...正直、俺はモンスター殺しで非難されてめちゃくちゃ気分が悪い」

リドル「ほう」

サモ「そして愛玩モンスターばかり殺している俺は皆から舐められている」

リドル「つまり?」

サモ「ちょっとしたストレス発散さ」


ー・・・闘技大会当日


実況「さぁ〜皆さん!今年もやって参りましたぁ!ここリメリアで最強の戦士を決める戦いがぁ〜!」

観客「うおぉ〜!!!」

闘技場内が湧き上がる。席は満員で、通路に立って観ている客もたくさんいた。


リドル「めちゃくちゃ盛り上がってんなぁ〜...!」

ミリス「そりゃあリメリアで1番のイベントだからね!」

ロエル「これから色んな戦いが観れると思うとワクワクするぜ...!」


実況「各街から集まった戦士達が競い合い!優勝したものはリメリア最強の称号が授与されるぞ〜!!!」

観客「うおぉ〜!!!」

実況「早速第一試合いぃ!エルマン・オニギラズうぅぅぅ!!!」

実況者が名前を叫ぶと、入場口から選手が出てきた。サモと変わらない体格に、半裸で毛皮のズボンを履いていた。


観客「うおぉ〜!!!」

ロエル「おぉ...強そうな奴だなぁ...」

実況「vs!サモザーラ・ソリッドおおぉぉぉ!!!」

反対側の入場口からサモも登場した。


観客「ぶ〜!!!」

ロエル「な、なんだ...!?」

闘技場にブーイングの嵐が起きた。


観客「帰れー!」

観客「ここはお前みたいなやつが来るような場所じゃねぇんだよー!」

ロエル「な、なんだよこいつら...!?」

ミリス「まぁ落ち着いて、こんなブーイングすぐに消えるわ」

リドル「そう、見りゃ分かる…!」

ロエル「えぇ...?」


エルマン「とんでもないブーイングの嵐だなぁ、サモザーラ...」

サモ「あぁ、うるさくて敵わん」

エルマン「よくそんなこと言えたもんだぜ、自業自得って奴だろ?」

サモ「そうだな、だが嫌なものは嫌なんだ。だから憂さ晴らしがしたくてな」

エルマン「へっ、か弱いモンスターしか殺せない奴はこの場所じゃ一方的にボコボコにされるだけだ」

エルマン「ましてや今回は俺が相手だ、この大会で準々決勝まで進んだことがある俺がな…!」


実況「第一試合!開始いいぃぃぃ!!!」

エルマン「悪いが1撃で終わらせる!」

エルマンはサモに飛びかかった。


エルマン「初戦がこんな楽に終わらせられて助かったぶふぉわぁ!?」

エルマンがサモを攻撃しようとした瞬間サモのパンチがエルマンの顔面に直撃、エルマンはそのまま吹っ飛んで動かなくなった。


実況「えっ...?」

ロエル「えっ...?」

観客「えええぇぇ!?!?!?」


実況「し、試合終了!エルマン選手!まさかの一発KO!よって勝者!サモザーラ・ソリッドおおぉぉ!!!」

観客「い、一撃...?」

観客「どういうこと...?」

観客「イカサマじゃねぇか...?」

観客「でもどうやって...」

客席には困惑の声が広がっていた。


ロエル「すげぇなこんな勝負があるのかよ...」

リドル「サモならやってくれると思ったぜ...」

ミリス「サモさんなら当然ね!」

ロエル「え、何?知り合い?」


サモ「ふぅ、良い手応えだった...」

サモは後ろを振り向き、裏へ戻ろうと歩いていた。


リドル「…ッ!?(...ぐっ!頭が…!)」


(リ…ル…リド…ル…)

(敵…来る…)

(強…敵…が…!)


リドル(この声…また…!ってか強敵って…)


ドオオォーン!!!


サモ「!?」

ロエル「な、なんだ!?」

突如空から謎の物体が降ってきた。土煙が晴れると、そこには青い体に1本角の化け物が立っていた。


サモ「魔族...!?」

?「こんにちは人間」

そう言うと青い体の魔族はサモに向かって突進した。


サモ「うぉっ!?」

サモは吹っ飛ばされ、その勢いで闘技場の壁をぶち破った。


通行人「うわっ...!?」

通行人「きゃー!?」

モイモン「やぁやぁご機嫌よう、人間の皆さん。私は魔王軍、二十魔将(はたましょう)の20の数字を冠してます。モイモンです、よろしく」

魔族は開けた穴から外に出て、そう名乗った。

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