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折れ!

ドラゴン「クオアアアァァァ!!」


リドル「この一撃で確実に折る…」

リドルから赤黒いオーラが溢れ出る。そして剣がオーラを吸収していく。


デリーヌ「なに…あれ…」

ロエル「あいつの魔法?っていうのかな。俺も、あいつ自身もよく分かってねぇな」

デリーヌ「なにそれ…やっぱり二十魔将を倒しただけあって只者じゃないわね…」


ドラゴン「カアァ…!」

ドラゴンが口に魔力を溜める。


リドル「いくぞ!!」

リドルがブルードラゴンとの距離を詰める。そして牙目掛けて、赤黒い剣を振り下ろした。


ドラゴン「ガアァ…!」

ドラゴンは炎のブレスを放ち、リドルの剣を押し返す。


リドル「うおおぉらああああぁぁぁ!!!!」

リドルも負けじと剣に力を込める。この衝撃で双方の魔力が溢れ出す。


ドラゴン「カアアアァァ…!」

ドラゴンは火力を徐々に上げていく、リドルの剣は少しずつ押し返せれていた。


リドル「こ、こんだけ魔力を込めてんだぞ…!」

ドラゴン「カアァ…!」

ドラゴンは魔力をどんどん溜める、ブレスはさらに威力を増していく。


ロエル「泥波巨拳(でいはきょけん)!」

サモ「ふんっ!」

セノ「はっ!」

危険を感じたロエル達が技を繰り出す!しかしそれらを合わせてもドラゴンの攻撃を止められそうにない。


リドル「ここで…負けられるかよ…!」

リドルは諦めないが、それでも限界があった。それを迎える寸前



その時だった。



リドル「うっ…!」


???(リド…ル…よ…)

???(力を…貸そう…)


あの声が頭に響く。

するとリドルの剣から膨大な魔力が溢れ出す。


放たれた斬撃は業火の息を断ち切り、ドラゴンへと駆ける。


止まらぬ斬撃はブルードラゴンへ直撃し大きな大爆発を起こした。


ロエル「何が起こった…!?リドルは!?」

何十メートルと上まで舞い上がった土煙が晴れる。


そこには牙が一本欠けたドラゴンと、牙を腕に抱いたリドルの姿があった。


リドル「とっったぞおおおおぉぉぉ!!!」

ロエル「よおしっ!」

セノ「やりましたね!」


デリーヌ「並の冒険者じゃ上位種どころか、普通のドラゴンの鱗一枚さえ取るのは至難の業なのに…あなた達ってほんと…」

サモ「ほんとに…上位種の牙をへし折ったな…」


リドル「すげぇ…!」

リドルはドラゴンの牙をまじまじと見る。穢れなき純白、巨大な牙はリドルの腕に重みを感じさせた。


ドラゴン「グルル…」

リドル「…!」


ドラゴン「クオオオアアアアアァァァ!!!」

牙を折られたドラゴンはかつてない咆哮を見せる。月落としのダメージが回復したドラゴンは空へと舞いがった。


ロエル「まだゴールには立ってなかったな…!」

リドル「次の一撃で最後にしようって言ったじゃん!空気読めるんじゃないの!?」

ロエル「そりゃお前の事情だろ!」


ロエル「あの攻撃を喰らっちまって余計にやる気が出ちまったみてぇだな…!」

リドル「マジかよ…」


ドラゴンが口に魔力を溜め、火球を形成する。

しかしそれは今までとは比べ物にならない魔力量と巨大さだった。


サモ「あんなの防ぎようが無いぞ…!」

ロエル「こんどは禿山にされるだけじゃ済まねぇぞこりゃあ…!」

リドル「つってもやるしかねぇ…!せっかく俺達が頑張っておった牙だぞ…!取れて満足じゃねぇぞ!」


ドラゴン「クオオアアァ…!」

火球がリドル達に向けて落ちる。太陽とみまごうほどに巨大な火球がリドル達へと近づいてくる。


リドル「かかってこ…」

火球を迎え撃とうとしていたリドル達の前に突然謎の人物が現れる。


謎の人物は大剣を担ぎ、猛スピードで火球に近づく。そして、なんと巨大な火球を打ち返してしまった。


リドル「…は?」

火球は空へと上り大爆発を起こす。雲を超える高さまで飛ばしたにも関わらず、火球は目に見える空全域の雲を払い、地上にもその爆風が届いた。


???「貴様の戦い、見させてもらったぞ」

???「後は任せろ」

銀髪の女性、リドルよりも高い背丈、黒い鎧。道中で出会った男が言っていた人物と瓜二つだった。


ドラゴン「クオアアアァァァァ!」


生物として上位に位置するブルードラゴンに天敵はおらず、それ故警戒心に乏しい。しかしそんなブルードラゴンが本能で奴を危険だと認識する程、女はとてつもない威圧感を放っていた。


ドラゴン「カアァ…!」

ドラゴンが再び魔力を溜める、先程より更に大量の魔力を。


しかし魔力を溜めている最中、女がドラゴンの目の前に瞬間移動し、ブルードラゴンを大剣で両断した。振った剣はドラゴンを斬るだけに留まらず、数キロメートル先までその斬撃は届いた。


デリーヌ「ブルードラゴンを…一撃で…!?」

リドル「バケモンかよ…!」


???「横取りをするようですまない。私はこれにて失礼しよう」

女はそう言うと一瞬で姿を消した。


ロエル「…呆然だな」

ロエル「俺達が力は合わせて牙一本だって言うのによ…」

ロエル「まぁ…」


ロエル「お目当てのものは手に入ったから、なんでもいいよな…!」

ロエル「じゃっ、戻るか!」

デリーヌ「誰か〜おぶって〜…体がいうこと聞かないの〜…」


ブルードラゴンの牙を入手した。一行は、

街へと戻っていくのだった。


リドル「おっ」

街へ戻ると、ドラゴン狩りに参加していた冒険者達がいた。怪我を負ってリタイアした者、鱗の欠片を入手して大喜びする者、一度退いて体制を立て直していた者、様々だ。


冒険者「おい!あれ…!」

1人の冒険者がリドル達を指差す。すると他の冒険者達もリドル達を見て目を丸くした。


冒険者「それは…ブルードラゴンの牙か…!?」

冒険者「おいおいマジかよ…!?」

冒険者達がリドルの前へゾロゾロと集まる。


冒険者「これ本物か…!?」

冒険者「ちょっと見せてくれよ!俺は鑑定士もやってんだ!」

冒険者「…こいつは紛れもねぇ…!こんなデカいやつは初めてだ!」

冒険者「おぉ!」

冒険者達が騒めく、気づけば百名以上が群がっていた。


ロエル「とりあえずどいてくれるか、俺達めちゃくちゃ疲れてんだよ」

冒険者「そんなこと言わねぇでもうちょっと見せてくれよ…」

ロエル「鑑定士ならこれの価値は分かるだろ…このどさくさに牙を奪われたらたまったもんじゃねぇ」

冒険者「ちぇ、もう少し見たかったんだがなぁ…」


冒険者「お前らもうじっくり見ただろ!さぁどいたどいた!冒険者は戦いの疲れを癒さなくちゃならねぇんだよ!」


冒険者「なんだよ!せっかくのドラゴンの牙だぞ!しっかり目に焼きつけさせてくれよ!」


冒険者「お前らみたいな力も見る目もない奴らは視界に入れられただけでもありがたいと思って話だ!」


冒険者「あぁ!?なんだてめぇ!」


ロエル「行こうぜ」


冒険者「あっ、おい!ブルードラゴンはどうなったんだ!?それくらいは教え…」

冒険者達が後を追おうとすると、おぶられていたデリーヌが冒険者達を睨みつけた。


冒険者「ひっ…こ、こえ〜…」


ー・・・


デリーヌ「ちょっとお邪魔するわよ」

リドル達が泊まっている宿にデリーヌがやって来た。


リドル「体調はどう?」

デリーヌ「1人で歩くくらいには…けど体はまだまだ重いわね…」


デリーヌ「サモとセノは別?」

リドル「隣で寝てるよ。あいつらも頑張ったからな」


リドル「俺達に用事か?」

デリーヌ「あなた達がドラゴンと戦ってる姿を見て思ったの。この人達と旅をすれば、もっと新しい世界を見れる、私の魔法も更に磨けるって…」

デリーヌ「あなた達の旅について行きたいの」


リドル「あぁ、いいぜ。けど、俺達の旅の最終目的は魔王討伐だ」

デリーヌ「魔王討伐?」

リドル「実際にいるかは分からないけどな…」


デリーヌ「なるほど…私はいると思うわ。最近現れた二十魔将を名乗る魔族、実際名乗るに相応しい力を持ってたらしいし、あなた達が倒したのも偶然じゃなさそうね…」

デリーヌ「魔法の腕を上げて、世界を平和を保てるなら一石二鳥よ」


リドル「決まりだな…!」

デリーヌ「寝てる人に何も話さず決めちゃっていいの?」

ロエル「他者を拒むような人間性じゃないさ。あいつらも俺とリドルが道中で出会った仲間だし」


デリーヌ「ふ〜ん…じゃあ、改めてよろしくね!」

リドル「おう!」


デリーヌ「話したいことは言い終わったし、私は帰るわね」

ロエル「5日後に駅で落ち合うか」

リドル「またな」

こうしてデリーヌが新しい仲間に加わった。


ロエル「俺達もそろそろ寝るか」

リドル「おう」



ー・・・



リドル「ん…うぅ…」


(リド…ル…)

(リ……ドル……)

(リドル…)


リドル「ん…あれ…?」

リドル「ここ…どこだ…?」

リドルは目を開けると見知らぬ空間にいた。壁も地面も天井も分からない、ただひたすらに無だった。


(リドルよ…)

リドル「この声…!」


(竜を穿つその姿…見事…)

あの声はいつになくハキハキと喋る。


リドル「あれはお前と銀髪の人が助けてくれたからな…来てくれなかったら死んでたぜ…」

(お前…あの業火を押し切る力があった…だが…それをお前がわからなかった…)

リドル「だから手助けしたと…」

(お前は…いずれ…更なる力を解放する…だが…それはお前次第だ…)

リドル「で、今日こんなふうに話せるのはそれ

を言うためなのか?」


(リドル…お前は…魔王がいる確信がないと言っていた…)

(確かに…真実は己の目で見なければ…真実とは言い難い…)

(だが…魔王は復活している…)

(私は…リドルを…新たなる勇者を魔王の元へ導く…それが…我が役目…)

(今もまた…危険が迫っている…)

声の主がそう言うと、リドルの視界が暗くなり、現実のリドルが目を覚ました。


リドル(導くか…本当に何もんなんだ…?)

リドル「ん?なんだこれ…」

ベットの横には見知らぬ手紙が置いてあった。暗い部屋の中で目を凝らしてその手紙を読む。


「牙はもらった。返してほしければお前1人であの山へ来い、俺はそこで待っている。「1人で」だ」バケット


リドル「危険ってそういうこと…」

リドルはふとロエルの方を見た。いびきをかいてぐっすり眠っている。


リドル「最後までめんどくせぇなぁ…」

リドル「いいぜあの野郎…けりをつけようじゃねぇか…!」

そういえばセノが竜を殺せる毒薬なんて持ってましたね。


ちなみにリドルの身長は176cmのつもり

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