第一話 港
開いていただきありがとうございます!
稚拙でド素人な小説ですが最後までお読みいただけたら嬉しいです!
首都から南に位置する大きな港町――『リィーンズ』。
この大陸周辺の海域は、潮が荒く、港の数が限られていたが、その中でも、リィーンズ港周辺では比較的潮が安定していた。
そのため、漁船も遊覧船も軍用船舶もすべてこのリィーンズ港から出航するようになり、多くの人が盛んに訪れ、次第に規模が拡大していった街である。
街の酒場や宿屋は、常に出稼ぎにくる漁師であふれ、外国人も多く見られた。
FRANが蔓延る現在でも魚は食料として漁獲されている。――かつて地上を汚染した灰は、海中への影響は薄かったのか、海深くまで逃れた魚介類はFRAN化しなかった。
それでも、多くの種は生き延びられなかった上、他の水棲動物型FRANにより食い荒らされる今、魚は非常に貴重な食料として高価な値段で取引されていた。
港町に住んでいる者ですら、ほとんど魚を食する機会はない。
漁で捕れた魚はすぐさま外国へ輸出され、他の資源へと姿を変えることになるのだ。
そんな大勢の人と貿易が盛んに行き交う街リィーンズに、ミリスたちは訪れていた。
海沿いの広い道の端っこを並んで歩く二人。透き通った青い髪と、ゆるくカールのかかった紫色の髪が、風でゆったりとなびく。
そばには装飾が施された緑の鉄柵が並び、そのすぐ向こうには広大な海が広がっていた。
そして、青い髪を持つ方が、海を見渡して目を輝かせる。
「ミリス、海だよ! 真っ青だよ! 真っ白な鳥さんが飛んでるよ!」
と、レインが明るい声で言った。
すこし大き目のベレー帽をかぶり、前をボタンで留めた襟付きのケープを羽織っている。透き通った青い髪は肩までまっすぐ伸びている。そして、ゆるく編んだ三つ編みをひとつ、耳前に垂らしていた。
レインは小さな少女だったが、その目線は、大人のミリスと並んでいる。その体はぷかぷかと宙に浮いていて、ぼんやりとした光に包まれている。――ミリスはこの現象を〈霊体〉のプリムスによる、魂の実体化と考えている。
少女の本当の体は、今も病室ですやすや寝息を立てているのだ。
「そうね……海だね……」
ミリスは歩きながら、遠くを見るような目をして答えた。
「え? なんでそんなに元気ないの?」
レインは、ぱっと振り向き、ミリスの顔を覗き見るようにして言った。
「……海は苦手なんだよね」
「えー、なんでぇ?」
「地に足ついていない不安定な感じがもう……あの無理やり揺らされてる感じがだめだ」
「……ん? ミリス、なんのこと言ってるの?」
「そう……レインは知らないのね。船」
「しってるよ! たのしそう! もしかして今回の任務って船に乗るの?」
「乗ると思う……」
「やったー! じゃあ、もっと近くで海もあの鳥さんも見れるんだ!」
レインは両手を重ねてうきうきしていた。
ミリスは暗い顔をしながら、空を見上げた。
さんさんとした日が顔に当たって、目を細める。風に乗った潮の香りが鼻先を通り抜ける。
真っ青な空には、白い鳥が泳ぐように羽ばたいていた。
「ちなみにあの飛んでる鳥型FRANは動物の脳みそをほじくり食う凶悪な生態をしてるから気をつけて」
「……そーゆーこと言わないで」
あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございます。
みなさん、旅行へいってみたいと思いませんか?
小説の中だけでもいろんな街へ訪れて旅行気分を味わってみたいです。
この作品に少しでも気になっていただければ
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