9話『事実』
私の怪我はすぐに治った。
そして、訓練の日取りも決まり私は気合を入れていた。
しかし
『これより! 天使ミカエルと子鬼風情の御前試合を行います!』
私は訓練のための覚悟をしていたのであって試合をする覚悟はしていなかった。
「頑張れよ! ミカエル!」
「あの子鬼風情を切り刻んでやれ」
私はパラスの方を見て
「ねえ! パラス! 私訓練を受けるんじゃないの! 御前試合って何!」
私に気づいてパラスは気まずそうにそっぽを見た。
「おい! 聞いてんのか!!」
「黙れ! この薄汚い子鬼が! 成敗してくれる!」
「成敗とか言ってるよ!! 私を殺す気満々なんだけど!」
と私は不満をぶつけた。
パラスはもごもごと何か言っている。
もうあいつは何の役に立たん。
------------------------------------------------------------------------------------
「話が違います!! 御前試合って!! 訓練ではないのですか!」
「確かにそうだが……それじゃあ不足だ。やはり力と言うのは本気と戦いによって美座目るものじゃとアレスが言ってたぞ」
「確かにあの方は戦いの神ですが私も同じ戦いの女神です! それに訓練で燃えられるものがあります! 彼女は子鬼で鬼人化を慣れさせるためなのにこれで死んでしまったらどうするんですか!」
と反論した。
ゼウスは
「その程度で死ぬのであれば奴には荷が重すぎたのであろう」
「いや! 我々がいきなり頼んだから引き受けてくれたんでしょ!」
とパラスは反論した。
しかしゼウスは
「相手にはミカエルを選ぶ」
「天使の中でも最上級の者ですが!!」
「それぐらいの強さは必要だ」
とパラスの言葉を聞き入れてくれなかった。
パラスはその後も反論をし続けた。
しかしアレスとゼウスは聞き入れてくれなかった。
天使たちもあの邪魔な子鬼が殺せるとむしろやる気満々だった。
私はエルネティが御前試合に出ないように話をし、そして心配させまいと話さなかったのが一番悪かったのであろう。
エルネティが知ったのは試合の当日であった。
―――――――――――――――--------------------------------------------------------------
「糞!! やるしかないのか!!」
と言って普段の武器を手にする。
そしてミカエルは
「神のみ技! デュランダル!」
と聖剣を出してきた。
「ええええ……」
と私は震えながら見ていた。
「くらえ!! そして消え去れ!」
と言って何か光の様な物が聖剣に入っていき聖剣自身が光出した。
ミカエルは
「これを喰らって無事だった魂はない」
「魂!!」
私はビビり倒した。
当然だ。
喰らえば死ぬだけでなく無に変えるのだから。
「死ねえええ!! 勝利を我に!!」
と言ってビームの様な光を放ってきた。
私はすぐに鬼人化をして
「ぶがあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
と呻きながら避けた。
ミカエルは
「ちょこまかと! くらあえええええええええええええええええ!!」
と言って再び撃ってくる。
私は絶え間なく鬼人化をした状態で避け続けた。
命がけの訓練のおかげか本能で自分自身の命を守ろうと逃げることに鬼人化を使っているようだ。
今までの場合ならばどんな攻撃にも避けることなく突進の実だった。
あの時はまだ理性を保っていたので避けれていたが今完全に意識が乗っ取られている。
突然の出来事でその上え逃げ場が私自身だけでは分からず跳ね返しか思いつかなかったのであった。
その為、全力の鬼人化はとても久しぶりだ。
だが、むしろ体が楽であった。
どうやら鬼人化が反射神経を上げて肉体自体を脳を使わずに動いている。
どうやら反射を使っているようだ。
これならば肉体の体力も神経も加奈ら軽減できる。
するとミカエルは
「糞!! これならどうだ! 神のみ技!!」
「ほほう、神のみ技とは」
「あの子鬼風情消し飛ぶぜ」
と私が死ぬ瞬間を楽しみにしているようだ。
私は
「キチ共目」
と罵倒した。
これぐらいは許してほしいと私は心の底から思った。
そして
「グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアガアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
と呻きながらミカエルに近づく。
ミカエルはどうやら先ほどのビームのせいで唐がオーバーヒートを起こしたように動かなくなった」
私はその隙をついて
「今だ!!」
と叫びながら怯んでいるミカエルに
「ドロップキーーーーーーク!!」
を食らわした。
だが
「フン、やはり雑魚か……見える者にしか反応しない」
と言って私が殴ったミカエルは消えた。
私は
「どこだ!」
と探すが見当たらなかった。
すると
「死ね!」
と聞こえて後ろから先ほどのビームが飛んでくる。
(ダメだ……死ぬ)
私は死を覚悟した。