4話『繁殖』
私は真剣な表情でパラスに
「取り敢えず報告としては一度サキュバスに捕まれて精気を少し取られました、まあ私が女だった為、サキュバスにとっての毒のだったおかげでサキュバスの方がダウンしたんですけどね」
「そうね、その為メスを剣に変えれるように改造するように言われてすぐに送ったけど……調子はどう?」
とパラスは聞いた。
私は
「まあそうだね、今までメスだったから使いづらいかなと思ったけどそこまで大変な物ではなかったかな? 正直メスより使いやすかった気がする」
と言った。
パラスは
「正直あれは天使に渡す予定だったのですがね……まあ仕方ないでしょう」
と言って少し俯いた。
それを見て私は
「まだルシファーが堕とされたこと気にしてます?」
と聞いた。
パラスは
「大丈夫です、むしろそれであなたにサキュバスを倒す様にと話が舞い込んでしまったことを私は気にしています」
「まあサキュバスの繁殖期にこんなことが起こったのならば仕方ないでしょう」
と言った。
そうこれが全てであった。
ある日神はルシファーの意見を取り入れずそれに怒り狂ったルシファーは反乱を起こして敗れた。
その為、今ルシファーは大罪の1つの傲慢を背負い魔界にいるのである。
それはただ堕とされただけでは済まず、天使たち全ての信用が下がってしまった。
そして、今世紀サキュバスの繁殖期が始まり大量のサキュバスが人間に憑りつき人間の男性と生殖をして子供を産もうとしているのであった。
しかも、サキュバスは人間1人だけでは子どもを作れず大量の人間のエネルギーを吸い取ることで子どもを作ることが出来る為止めなければいけないのであった。
そして、憑りつかれた人間は退治後傷が残り死んでしまうので神様が執行すると問題になるのであった。
その為、天使以外の者で人を殺しても問題のない者にお願いする必要があった。
それで選ばれたのが私、エルネティ・メローネールであった。
私は最初あまり乗り気ではなかったが目の前のお金と美味しい物を貰えるということに釣られてその仕事を引き受けた。
正直、人殺しに対しての抵抗はない為である。
どうしていたずら好きな私にしたのだとか余計なことは聞かないことにした。
リスクはあるが仕事を貰えることには変わりはない。
そして
「あなたにはやはり少し強くなっていただく必要がありますね」
と言ってパラスは真剣な表情で私の方を見た。
私は
「強くするにしてもどうするの? 私この子鬼だから鬼人化で身体能力は一応強化出来るよ?」
と言った。
するとパラスは
「でもその鬼人化も弱点はあります、一時的の強さを得た後当分は動けなくなります、そして鬼人化している間は意識も保つのは難しいと聞いております」
「確かに、私も鬼人化はあまり使ったことはないですからリスクもありますね、もしかしたら前みたいに憑りつかれていない人間を殺す可能性もあるかもしれませんしね」
と言って私も悩んだ。
すると
「なのでこの天界で鬼人化を使い意識を保つ訓練をしましょう、それをすればより一層サキュバスを倒すのに便利にはなりますし! ぶっつけ本番よりかはいいかと!」
と提案してきた。
私は
「それを誰が訓練してくれるんですか? 神様がしてくれるんですか?」
と聞いた。
それを聞いてパラスは言いづらそうに
「えっと……天使にお願いをしようかと……」
と言った。
私は
「さっきの見ませんでしたか? いえ、見てましたよね? 私があいつらからどういう扱いを受けているか? 明らかに差別的目線を向けられてましたが?」
と言った。
するとパラスは
「そこには考えがあります、もしあなたに酷い危害を加えようとした場合ややり過ぎそうなら止めれるように私や他の神の目の前で行う予定です」
と言った。
私は
「まあそれなら大丈夫だとは思いますがどうして天使なのですか? 信用が落ちてるのでは?」
と聞くとパラスは
「だからこそです、だからこそあなたの練習相手をさせて他の神たちの信用を回復させたいのです」
「要は私の特訓と共に彼らの信用を取り戻そうと?」
と聞くと
「そうです!」
とパラスは即答した。
私はため息をつきながら
「まあいいですけど……いつにするんですか?」
と聞くと
「そうですね、すぐにするのは準備が整っていませんので準備で着ましたら私からあなたにメッセージを送らせていただきます! それまでは今まで通りサキュバスを退治してください!」
と言った。
私はマフィンを食べながら
「まあ……そうでふか……ゴクン! 分かりました……それではお願いしますね」
と言って置いてあった粗茶を飲んだ。
「このお菓子美味しいですね」
「どんどん食べてくださいね!」
と言われたので私は後2・3個食べた。
そして、
「数個持ち帰っても?」
と聞くと
「どうぞ! 後これ今回の報酬です」
と言って私に袋を渡した。
私は
「それでは受け取ります」
と言って袋を貰いすぐさまいくらは言っているかを確認した。
「今回は多いですね」
「まあ結構退治してくれましたしね」
と言ってパラスは笑顔で言った。
私はすぐにその袋をポケットに入れた。
そして
「じゃあ、今日はこれで……」
と言って帰ろうとすると
「あ! 待って! この話をしようと思っていて!」
と言って私の足を止めた。
私は
「何か?」
と聞くと
「最近大量の男性が一箇所に集められて精気を吸い尽くされているようです、もしかしたらサキュバスが手を苦でいる可能性もあります! くれぐれもお気をつけてください!」
と言ってきたので
「分かりました」
と言って返事を返す。