3話『天界にて』
私は今日は天界にいる。
そこは綺麗な神殿が目の前にあり天はいつも光り輝いていた。
いつもの様な服ではと思い少し汚れてはいるがまだ綺麗な方な少年用の服を着て帽子を被っていた。
そして門番らしき天使がいたので、
「あの? パラスさんっていますか?」
と聞くと体のゴツイ門番の天使は
「貴様!! 女神パラス様をそんな呼び方をするだなんて!! 恥を知れ! この薄汚い子鬼風情が!!」
と怒鳴られた。
私は
(やっぱりか……)
と少し頭を抱えながら
「あの? 前にも来ましたよね? それにこの呼び方はパラスさん自身からの命令ですので、私にはどうしようも……」
と言いかけたが
「黙れ!! 貴様のような子鬼が許されるはずがないんだ!! あの御方はお優しいから許してやってるんだ! 勘違いするなよ!」
と何を言ってもダメのようだった。
その為
「ではパラス様はいらっしゃいますか?」
と仕方ないので言い方を変えた。
すると天使は
「貴様のような薄汚い子鬼に会われるほど暇ではないのだ!! さっさとこの純白の天界から消え失せろ!! 汚らわしい!」
と言われたので
「あああ! もおおお!! これじゃあ報告が出来ないじゃない!! 面倒臭いな!」
と揉めるていると
「どうかしましたか?」
と声がした。
目線を向けるとそこには可愛らしい顔立ちではあるが何処か大人びたような白いワンピースの様な服を着ていた。
彼女こそが女神パラスである。
すると天使は膝待着いて。
「パッパラス様! この薄汚い子鬼が一向に帰ろうとしないのです!」
と言った。
私は
「いや、用があるし話があるからって言われたから来たんだけど? 何この状況? 私が悪いの! 私のせいなの!! 違うよね!」
とイライラを女神パラスにぶつけた。
それを聞いて天使は
「きっ貴様!! パラス様に何という口の聞き方だ!! 叩き斬ってやる!!」
と言って腰に掛けていた剣を取り出して私に向かってきた。
「やっ止めなさい!!」
と女神パラスは大声を出したが天使は私にほんの2・3メートルで辿り着きそうだった。
私は咄嗟に避けてメスを天使の首元に近づけて。
「私の方が強いみたいだね? だからサキュバスの討伐を天使に任せてもらえなかったんじゃ?」
と先ほどの怒りを煽って返した。
天使は
「きっ貴様あああああああああああああああああ!」
と怒り狂うが。
女神パラスは
「コラ! あなたの力はそんなことの為の力ではないでしょ!」
と天使に向かって言った。
天使は
「ハ!! 申し訳ございません!」
と頭を下げて謝罪した。
私は
「頭を下げるのは私でないだろうか?」
と聞くと
「!! 貴様!! まだ言うか!」
と天使は私を睨みつけた。
するとパラスは
「私が代わりに謝罪させていただきます、申し訳ございませんエルネティ・メローネール……」
と深々と頭を下げて謝ってきた。
天使は
「パッパラス様! あなたの様な高貴な方がこんな下賤な子鬼如きに頭を下げる必要はありません!」
と慌てたように言った。
私は
「パラス様が謝るのはいいけど……この天使に謝って欲しいんだけど?」
と文句を言ったら
「貴様!! この無礼者が!!」
と先ほどの剣を私に突き立てた。
私は
「はあ、これだから天使は……」
と呆れた。
そして
「分かったよ、パラス様の謝罪でいいよ、じゃあ早く通して貰える?」
と言った。
パラスは
「そうね、あなた、ちゃんと通してあげて」
と天使に言った。
天使は
「女神パラス様がおっしゃるのであれば……」
と不満そうにドアを開けて私はそこを通った。
そして、その中の神殿のような建物の中に入って行った。
パラスが通ると
「パラス様」
「パラス様」
と崇めるようにモブ天使共がお辞儀をする。
私が通ると
「何であんないたずらしか出来ない小汚い子鬼如きが……」
「汚らわしい……天界が汚れるではないか……」
「さっさと帰れよ、低能の子鬼風情が……」
という中傷の言葉が飛んだ。
それを聞いてパラスは
「本当にごめんなさい……あなたには苦労を掛けます……」
と言って私に言った。
私は
「まあ、別にいいですよ、貰えるもの貰えるなら……」
とあまり気にしないでいた。
そして女神パラスの部屋に着いた。
そこは綺麗な太陽の日差しが入っており心の中が美しいという言葉で支配されるような領域であった。
私は
「で? 報告の後の話があるってことでいいのかな?」
と近くにあった椅子に踏ん反り返った。
パラスは
「ええ、そうね、貴方にはいつも迷惑を掛けてすみません」
と言って心苦しそうな表情をした。
私は
「さっきも言ったようなことを何度も言いたくないんですが?」
と言うと
「ありがとう」
と少し照れながらパラスは言った。
私は
「取り敢えずはサキュバスを5匹は倒しました」
と言って報告書を出した。
そこには
「1人の人間に恋をしたサキュバスの人がいましたがこれからもこいつは退治対象でいいのですか?」
と聞くと
「はい……そうですね……心苦しいですがお願いします」
と言った。
私は
「人間の男に恋をすることってあるんですか?」
と聞いた。
パラスは
「そうね……神や天使……それに悪魔……あり得ない話はないわ……でももしそうなる可能性があるならそれも防がないといけないんだす……人間たちの中に異様な者を誕生させないために……」
と言った。
私は
「ふーん……そうなんだ……」
と取り敢えずは仕事のことは納得した。
するとパラスは優しい笑顔で
「あなたももう少し大きくなれば分かるわ」
と言った。
私は顔を真っ赤にしながら
「私はもう立派なレディだ! 子鬼だから小さく見えるだけだもん!」
と言って帽子を脱いで2つの角を丸出しにして怒りながら立ち上がった。
「そっそうね! 言い方が悪かったわ! 好きな人が出来たら分かるわ!」
と言い直した。
「もう!」
私は不貞腐れながら座り直す。
そして、私は
「じゃあ……今後のジャック・ザ・リッパー方針について話し合おうね……」
と言った。
パラスも頷き話が始まる。