プロローグ
学園生活編
あたりは、粉塵で何も見えない。
突如何か重たいものが降ってきたようだった。
想定していなかった衝撃から
ここがどこなのかを把握するまでに時間がかかるが
すぐに態勢を立て直す。
まだ敵が潜んでいることは明らかだ。
目を凝らし、標的を見定めようと無数の目を凝らす。
夜だろうがこの目は、獲物はハッキリ見えるのだからー
遥か上空の時計台の頂上。
今は真夜中であり、周りに時計台よりも大きな建物はないという事もあり、この高さを照らすことはない。
暗闇の中、声が響く…
『マルコシアス。
なにか落ちたぞ。。。』
ため息のあと、
呟かれた声の後に肩に乗る黒い影が叫ぶ。
『レイーッ!! 早く、拾うのだー!!』
叫びの中、影の主には赤い光が収束していく
その手の先が向けられるのは、時計台の下にいるクモの魔物。ー魔物に向かって黄色い物体が飛んでいるー
『無理言うなよ、こんな時にまで持ち歩いてきたのか……炎神の名の下に、その力を示せ “フレア” 』
火球が魔物めがけて放たれる。
『あぁーーっ!フラッシュサンダーがぁぁあー!』
階下のクモの魔物が、光と熱風を感じたのも束の間。
一瞬で火球につつまれ消滅する。
もちろん黄色い物体なんかは、跡形もない。
うぬぅ〜、私のフラッシュサンダーがぁぁ〜
そんなの持って戦いに来るなよ。
また、買ってやるさ。