始
言葉には魂が宿ると言う。
その人の想いを、魂を分けることによって言葉に乗せ、意味を持たせる。
そして、魂を持つモノは全て、生きている。
つまり、言葉も生きている。
そんなことを誰かが言った。
それを裏付けるかのように、強い魂の篭った言葉は、生物としての活動を始めた。
人はそれを、《怪言》と呼んだ──
あちこちから声が聞こえる。
女の人の声。
男の人の声。
どれも、記憶にない声だ。
誰?
『──取り押さえろッ』
『待ってよ!助けられないの!?』
『《怪言》に取り込まれてんだ、助けられるはずがねえだろ!』
『でも!』
『封印の呪詛を紡げ──《結界》!』
動きが重くなる。
なんだろう、これ。
枷?
うざったいな。邪魔。
『なッ!?』
『三人がかりの、それも完全詠唱の《結界》だぞ!』
ああ、なんだかやかましい。
そこ、黙れ。
『くっ、来るぞ!防御!』
『万里の壁なりし言の煉瓦──』
うっさい。
ん?今何かを潰したなぁ。
べちょって言った。
まあいいや、少し静かになった。それじゃ次も──
『──もうやめて、「────」ッ!!』
──誰の、声?
聞いたことある。
誰。誰なの。キミは。
『……知ってる?ヒツジは、オオカミさんと友達になれるんだよ?』
鼻でも詰まってるのかな。聞き取りづらいよ。
でも、聞こえた。
ああ、そうか。
キミは──ヒツジだ。
こっちも暇暇で更新しようかと……。
一話一話を長くして行こうと思ってるんで、ね?
一話5000文字くらいが目標かなぁ、と。
ちなみに、一応バトルモノの予定……です。