其の翼は誰が為に(2)
ベルスター帝国の領海を突き進むデヴォンジャー号。その側面に空いた穴から聖達輝光機隊が出撃する。侵入者の総戦力はサルベージシップが一隻に輝光機が四機。それを迎え撃つのは戦艦五隻、輝光機二十五機の防衛隊である。聖は先陣を切りながら溜息を漏らした。
「なんかさん、もっとロボットアニメみたいにかっこよく出撃できねーの?」
「デヴォンジャー号にカタパルトはないからなー。ガラクタの寄せ集めだし仕方ないって」
そう、よりにもよって彼らの母艦はサルベージ艦。無理な増設を繰り返した船の外観は左右対称ですらなく、その様相は動く巨大なスクラップというのが相応しい。当然火器など搭載していないので、援護も一切期待出来なかった。
「ふん。今更言うまでもないが、あんなポンコツでよく乗り込む気になった物だな」
「見た目はポンコツだけど住み心地は結構いいんだって。しっかし数が違いすぎるな……ガドウィン、こういう場合はどうすりゃいいと思う?」
「我々の目的はあくまでも突破だ。いちいち全て相手にする必要は無い。船の守りは俺が引き受ける。トレイズは敵艦隊の武装を狙撃、聖はその護衛と援護だ。リージェントはその機動力を生かした遊撃と陽動。敵陣をかき回してくれればそれで構わない」
ガドウィンは結局の所晶を信用していなかった。だから重要なポジションに置かなかったというのは理解出来る。だがそれは晶にとっても好都合な事だ。彼もまたこんなサルベージ屋風情と仲良く戦うつもりは毛頭なかったのだから。
「いいだろう、僕は僕の好きにやらせてもらう。予め言っておくが、僕が手伝うのは最初だけだ。適当な所で切り上げるつもりだから、そのボロ船はお前達で勝手に守るといい」
変形し、鳥のような姿になったリージェントが急加速で敵陣に飛び込んで行く。それを慌てて聖が追いかけ、更にトレイズが続く。こうして遂に戦闘が幕を開けた。
「リージェント、先行して敵部隊に攻撃を開始……はやーっ!? 最初の接触で三機も輝光機を落としちゃった!? 敵の輝光機はティムールタイプです。例の新型もトリフェーンもいません。これなら突破出来るかも……! 聖ちゃん、デヴォンジャー号の進路上に居る船を優先的に黙らせちゃってー! 予定進路……送ります!」
「デヴォンジャー号より予測進路、送られてきました。マスター、右側から片付けましょう。右手左手、フォゾンガン構築……!」
双子とウルシェの声に耳を傾けながら敵機を睨む聖。ライフルの光をかわしながら両手に光の銃を掴み、一気に距離を詰めて行く。
「退けぇえええっ!! 当たり所が悪きゃ死ぬぞおおおっ!!」
二丁拳銃の乱射で敵機を滅多打ちにし、近づいて武器と頭を蹴り砕く。脱出装置が作動したのを確認し、振り返って背後のティムールをマントで切断した。
「上手く脱出してくれよ……! そこまで気ぃ配ってやれる自信がねぇんだ……!」
ティムールは球体に手足を生やしたような量産型の輝光機だ。性能は決して高くない。群がる敵機を拳銃の乱舞で薙ぎ払い、敵艦への道を切り開く。
「さすが聖、やるねぇ……! まあ一応先輩だし、負けては居られないか……!」
狙撃銃を構えるトリフェーン。聖に砲撃を加えている敵艦の武装を全てロックし引き金を引き捲くる。放たれた弾丸は銃座や砲座に直撃、光の爆発を巻き起こした。
「トレイズ機の攻撃が成功、ロアン級巡洋艦沈黙! 続いてドーヴェルニア駆逐艦も沈黙! さっすがトレイズ、前線に出さなければ強い男ーっ!」
「一言余計だよ、シトリン……デヴォンジャー号、そのまま進め! 援護する!」
突き進むデヴォンジャー号、そこへ側面から接近するティムールをガドウィンが撃ち落す。剣に持ち替え素早く間合いを詰めると擦れ違い様一刀両断、次々に敵機を撃破する。
「……流石にオリジナルが二機も居れば話が違う。近衛が出てくるまでにどこまで進めるかが鍵だ! 足を止めるな! 進軍し続けろ!!」
あっという間に五隻の船を無力化した一向。しかしベルスターの領海奥深くへと進めば進むほど、比例して敵の数は増して行くばかりだ。
「ベルスター第二、第三スフィアより敵増援! ロアン級八! ドーヴェルニア級十二! ティムール二十……それから敵トリフェーン隊、数八! だめっ、多すぎる!!」
「デヴォンジャー号はこのまま前進! 攻撃に晒されるのは覚悟の上です! 総員対ショック用意! ダメージコントロールは任せます!」
三方向から迫る敵艦隊からの攻撃。数も敵の錬度も上がって行くのだから、たった四機でカバーできるはずもない。聖達も奮闘しているが、ついにデヴォンジャー号も敵艦の砲撃を浴びるようになってしまった。次々に閃光が直撃し、船の外壁が吹き飛んで行く。
「くそっ、デヴォンジャー号が!」
「待て聖! デヴォンジャー号の事はいい! あれは丈夫な船だ、多少のダメージはどうとでもなる! それよりお前は進路上の敵を叩け!!」
「だけどよガドウィン、皆が!」
「お前を信じて俺達はついてきた! だったらお前の成すべき事はなんだ!? 仲間を案じんて弱音を吐いている暇があったら振り返らず進め! 道はお前が切り開くんだ!!」
三機のトリフェーンに攻撃を受けながらもガドウィンは対等以上の戦いを見せている。そして叫んだのだ。彼らしからぬ熱意を持って。トレイズは口笛を吹き、口元を緩める。
「なんだよガドウィン。あんたも聖にそそのかされた口か。だけど……それは俺も一緒でね。無理な事をするのは趣味じゃないんだけど……仲間の為に命を賭けるのもたまには悪くない」
次々に敵機を撃ち落すトレイズ。二人の奮闘を脇目に聖は歯を食いしばる。だが迷ったのはほんの刹那。前を向き、白い光の尾を引きながら敵艦隊へと突撃する。
「ウルシェ、フォゾンライフル両手! ジャッジメントを使うぞ!」
「了解。両手にフォゾンライフル構築完了。ジャッジメント展開まで八秒」
拳銃を手放し新たに長銃を握り締める。腕を左右に突き出し、近づくトリフェーンを次々に射抜く。そして敵艦隊の真上まで大きく飛翔して反転した。
「五……四……三……二……一……ジャッジメント起動。ターゲット、マルチロック」
瞳を輝かせ片腕を振るうエクセルシア。その周囲に十二個の光の弾が浮かび上がる。次の瞬間それらは光の槍へと形状を変化させ、聖の意思に反応して動き出した。
降り注ぐ光の矢。眩い軌跡を描きながら放たれたそれは同時に敵艦隊の武装を貫き爆発させていく。だがその威力は過剰すぎた。船をそのまま沈めてしまった攻撃に聖はきつく目を瞑り、しかし後悔を振り払うように瞳を開く。
「あんたらにもあんたらの事情があって……理由があって……家族とか友達がいるって、それはわかってる。でも――俺にも守りたい物があるんだ! だから――ッ!!」
聖は射撃が苦手だ。だが攻撃の命中精度は飛躍的に上昇していた。輝光機を動かすのは技術、そして意志の力。聖の純粋な意志をエクセルシアが感じ取り、ウルシェがサポートする。だからこその百発百中。近寄る端から敵を光の弓で撃ち抜いて行く。
「エクセルシア……前回とは動きが違いすぎます。マスター……?」
「聖の奴、少しは輝光機の扱い方を理解したみたいだな。だが……まだまだだ」
両腕に構築した剣でトリフェーンを切り裂くリージェント。素早く変形し敵艦へ接近。擦れ違い様に艦橋を両断する。くるくると旋回しながら黒い鳥は人へと姿を変え、敵部隊へと右腕を突き出した。
「ジャッジメント起動済み。チャージも終わっています。マスターの心のままに」
掌に収束した黒い光がはじけるようにて放たれた。それは無数の光の矢となってベルスターの船や輝光機を執拗に追跡し、的確にコックピットを貫いていった。
「敵は殺せ。そうでなければ……恨みと憎しみを生むだけだ」
「マスター、ベルスター本国から敵増援を確認。タイプ・ヘリオトロープ……近衛隊です」
遠距離から放たれた大出力のフォゾンビームライフル。その一撃をかわしつつ反転、晶は面倒臭そうに眉を潜めた。
「あの距離から平然と狙ってくるか……だからあいつらは厄介なんだ。トトゥーリア、頃合を見て離脱するぞ。近衛は聖にでも相手をさせておけば良い。僕達は僕達の目的を果たす」
無言で頷くトトゥーリア。徐々にデヴォンジャー号へと後退するリージェント。それを狙撃したヘリオトロープに乗っていたのはミリアムだ。腕の立つ部下を引き連れ、真っ直ぐにデヴォンジャー号へと向かう。
「これだけ戦力を出しておいてなんて様だ……! それでも帝国騎士か! 恥を知れ!!」
防衛に回ってきたエクセルシアを三機で押さえ込み、その間にミリアムが突破する。大型のライフルでデヴォンジャー号の艦橋に狙いをつけようとするが、外観がめちゃくちゃでどこが急所なのかすらわからない。
「なんだこの船は……これでは戦艦の体裁すら成していないではないか?」
「全く、誰も彼も酷い言い草だな。あれでも俺達の切り札だぞ」
側面からの攻撃に驚異的な反応を示すミリアム。ライフルをかわし、襲い掛かるガドウィンの剣をライフルで受け流す。ライフルは破損したが、その間にブレードを抜いて反撃へと乗り出した。刃を打ち付ける二機……二人の騎士が顔を突き合わす。
「暫く見ない間にまた腕を上げたな、ミリアム。天武の才があるとは思っていたが」
「貴様ぁ……ガドウィン・グルッフェル!!」
入れ替わり立ち替わり刃を交える二機。ルメニカを圧倒したミリアム相手にガドウィンは一歩も引けを取らない。むしろ隙を作らぬその動きにミリアムは攻めあぐねていた。
「国を捨て逃げ出した臆病者が……今更どのような了見なのだ!?」
「俺はベルスターを捨てたわけではない。ただ俺は俺の忠義に従っているだけの事だ。お前と俺は何も変わらんよミリアム。俺達はただの剣であり、ただの盾に過ぎない」
「いつまでも隊長面をする! 弁えろ落ち武者風情が! 貴様等、とうに私が超越した!!」
至近距離でフォゾンクロスを張り、ガドウィンを弾き飛ばす。そこから素早く剣を持って踏み込むが、ガドウィンは二刀流で防御。重ねた刃でヘリオトロープを御している。
「お前が本当に俺を超えたのかどうか採点してやろう。来いミリアム・コールド……元近衛隊隊長が久々に剣の稽古をつけてやる」
「その上から目線を止めろと言っている! 各機、ガドウィンは私が抑える! お前達は敵艦への攻撃を継続しろ! 絶対に本国に近づけるな!!」
スフィアコロニーの外で激化する戦闘も知らず、ルメニカが突き飛ばされるようにして転がり込んだのは真っ暗な部屋であった。足元には何故か冷たい水が薄く張っており、反響する音から先ほどの格納庫と同等かそれ以上の広さである事がわかる。慌てて立ち上がるルメニカの背後、鋼鉄の扉が無慈悲に閉ざされた。
「ここがなんだかわかるかい? アルメニカ」
「わからないわ! お兄様、一体どういうつもりなの!?」
「見ればわかるよ。ほら、ご覧。これが僕達ベルスターの真実だ」
次の瞬間、広大な部屋を手前から順々に灯りが照らして行く。水の下から上へ照らす光が映し出したのは整然と並んだ夥しい数のカプセルであった。規則正しく配置された柱に取り囲まれ困惑するルメニカ。続けてアルヴァートが壁の端末を操作した時、少女は悲鳴を抑える事が出来なかった。カプセルを覆っていた鉄のカバーが取り除かれ、水槽のような中身が露になった。そこには無数の人間が閉じ込められていたのである。
「な、なんなの、これ……?」
「君も知ってるだろう? 僕らはクローン体だ。本来クローンはそれぞれの公的機関が秘密裏に進めるものだから、実物を見たことがないのも無理はない。だが重要な事はそこじゃない。もっと近づいて見てご覧」
「いや……もう沢山よ!」
「いいから見るんだ。見るんだよ、アルメニカ」
少女の髪を掴み、強引に水槽へと顔を近づける。ルメニカはそれでも目を瞑って抵抗するが、兄は無表情に妹の瞼を抉じ開けた。そうして妹が見た物、それは水槽の中に浮かんでいる――自分に瓜二つな少女の姿であった。
「見えるかいアルメニカ。これが僕らベルスター一族が代々研究していたものの残骸だよ。この子たちは全部失敗作でね。到底オリジナルには及ばなかった。ブライドも再生者も、今の技術で複製する事は出来なかったんだよ。だからこれらは全てゴミ。ジャンク。何の存在価値もない、君に良く似た人形に過ぎないんだ」
ルメニカから手を離し壁際に戻るアルヴァート。嫌な予感に駆け寄るルメニカだが時すでに遅し。アルヴァートが操作した途端、全ての水槽の中で少女の身体が崩れだした。
「いや……いやああああっ!? お兄様は何をしているの!? これは……彼女達は生きていいるのに……どうして……っ!!」
水槽に縋りつくルメニカ。水槽の少女は呆けた顔のまま手を伸ばす。硝子越しに重なる二人の手、しかし直ぐに水の中でそれは塵に還る。夥しい量の赤い絵の具となって水を染め上げた少女達だったもの。ルメニカは涙を流しながら兄を睨みつけた。
「この世界に偽者なんかいらないんだ。塵を塵に返した……ただそれだけだよ」
「お兄様……アルヴァート……ベルスター……ッ!! あなたは狂っている!!」
「それを言うのは何百年も遅かったね。もっと早く誰かがこの研究を止めていればこんな事にはならなかった。そう……僕と君が出会う事も」
ゆっくりと歩み寄るアルヴァート。ルメニカは踵を返し、逃れるように奥へ奥へと進んで行く。やがて辿り着いたのは部屋の最奥にあった複雑な機械と、それに繋がれた一台のカプセル型のベッドであった。見覚えのない、わけのわからない装置の筈なのに、目にした瞬間ルメニカの頭の奥底で何かが爆ぜた。割れんばかりの音を立てながら本能が警告している。苦痛に喘ぎながら頭を抱えるルメニカ、その背後からアルヴァートが腕を伸ばした。
少女は男に取り押さえられ、ベッドへ押し倒される。そうして両手をしっかりと固定されてしまった。意識が朦朧とする中、ルメニカは息を荒らげながら抵抗を試みるも、どうにも身体が言う事を聞いてくれない。アルヴァートは冷たく笑い、口を開いた。
「ここにブライドが眠っていた。これは花嫁の籠だ。僕達ベルスターの一族は目覚めぬ花嫁を研究し尽くした。そして作っていったんだ……それに見合うだけの再生者と、ブライドそのものに匹敵する……次世代の命を身ごもる事の出来る女を」
「命を作れる、女……まさか……そんなの、在り得ない……」
「有り得るさ。ブライドは性交渉で子を孕む事が出来る……だけどそれは選ばれた再生者のみ、契約した男が相手だった場合のみだ。僕は結局再生者にはなれなかった。だからブライドは目覚めなかったし、僕には子を作る能力がない……だけど、僕はあれから自己改造を続けてきた。それに本当に再生者じゃないと子供が作れないかどうかは、やってみなきゃわからないよね」
無邪気な笑顔を浮かべるアルヴァート。まるで子供のようだ。否――それは否。ルメニカは知っている。この男は。アルヴァート・O・ベルスターという王は。まだ十歳にも満たない少年なのだという事を――。
「あ……うぅ……っ!!」
知らないはずの事実を思い出し始めていた。記憶を縛る鎖が緩まればその度に激しい痛みが全身を駆け抜ける。呼吸もままならず仰け反るルメニカの瞳の奥。どこまでも続く深く暗い闇の底。閉ざされていた記憶がゆっくりと目覚めようとしていた。
「わた……し……私は……何……? 私は……私は誰なの……!?」
「君は君さ、アルメニカ。僕はずっと君を待っていたんだ。本当の君……アルメニカ・ザ・レッド。セブンブライドとしてのアルメニカ……君に再会出来る日をね」
その言葉を告げられた瞬間、ルメニカの中で何かがはじけ飛んだ。消されていた記憶が一気に時を逆再生するかのようにあふれ出して行く。そう、ルメニカは知っている。この場所を知っている。ここで何が行なわれていたのかを知っている。アルヴァートが何をしようとしていたのか、その全てを知っている。
知りたくなかった真実がそこにあった。そして少女が絶叫した瞬間、この世界に新たなブライドが覚醒した。そしてその覚醒がこのベルスター帝国に新たな異変を呼び寄せて行く。
「……え……? 艦長……この海域一帯に大規模な空間湾曲を確認……えっ? ええっ!? これって……これってひょっとしてあれなんじゃない!?」
冷や汗を流すモリオンとシトリン。ルチリアは片手でこめかみを押さえながら項垂れている。
「お、お母さん……大丈夫!? 頭痛いの!?」
「遅かった……赤のブライドが……目を覚ましてしまった……っ」
苦しげに肩で息をするルチリア。そうして背後に注意を向けていた双子が改めて前を向くと、そこにはレーダー上に浮かび上がった夥しい数の輝力反応があった。
「な、なにこれ!? シトリン、動揺してる場合じゃない……みんなに伝えないと! それは……わかってる! こちらデヴォンジャー号! この海域にいるみんなに伝えます! 周囲に大規模な転移反応あり――輝獣が来るよっ!!」
シトリンが叫んだ瞬間、空が割れた。闇の海が割れた。漆黒に確かな亀裂が走り、闇よりももっと深い穴を空ける。そこから数え切れない程の量の輝獣が姿をのぞかせている。
穴は一つや二つではない。四方八方の空間を突き破り転移してくる。途中まで必死で数を数えていたシトリンだったが、やがてそれが無意味であると悟り匙を投げた。
「何、この感覚……? 胸がざわつく……!」
「マスター……どうやら……急いだ方が良さそうです。この感じ……間違いなくブライドです」
白と黒のブライドは姉妹の覚醒を敏感に感じ取っていた。それぞれのマスターも同じである。言葉に表せぬこの感覚の原因はベルスター本国。二機は振り返りコロニーを睨んだ。
「……時間がない。一気に突入するぞ、トトゥーリア!」
「待て晶!! くそっ、一体何が起こってるっていうんだよ!? なんだこの数……こんなもんまともに相手にしてたら……!?」
流星のように遠ざかるリージェントを見送り舌打ちする聖。周囲は完全に包囲されてしまっている。これはベルスター艦隊も予想外の自体であり、露骨な混乱を感じ取る事が出来た。
「ルメニカ……お前……そこにいるのか……?」
呟きながらジャッジメントを展開するエクセルシア。輝獣達は一斉に動き出し、全方向から文字通り飲み込むようにしてエクセルシアへと群がって行く……。




