はしがき 「ZERO HOUR」
朝…と言うより昼が正しいか。
そう思いながら薬の離脱の影響で、いつもより2倍くらい重く感じる布団を撥ね退けて一服する。
こうしないと目が覚めないのも困りモノだ。
部屋の時計がチクタクと針を鳴らす音を聞いて、起きた時間を確認する。12時33分、今日は少し遅かったな。この人生も今日で終わるのか。と思いながら今までの人生を振り返っているうちに、煙草を挟んでる指が熱さを感じていることに気づき、灰皿に煙草を突っ込む。
普段なら朝食、いや昼食を取る所だが、今日は別にすることがある。
隠しておいた個人輸入した薬、市販薬、処方薬、全てをかき集めている最中、ふと本棚の中の一冊の本が目に入った。
「人間失格」
正に、今の自分にふさわしい本だな。と思った。
恥の多い生涯を送ってきて今まさに死のうとしてるのだから、これ以上相応しいタイトルもないだろう。
数か月分の薬を掻き集め、一気に飲み干して眠りにつく。もう二度と、目が覚めることがありませんように。と願いながら眠剤でゆっくり重くなっていく体に身を任せ、目を閉じた。
大まかな構想として物語の大枠は作っていますが、細かい部分に関しては詰めていません。
一作目ということもあり、稚拙な文章ではあると思いますが宜しければご指導のほどよろしくお願いします。




