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射程無限剣士、ド陰キャ戦法でS級モンスターをぶった斬ったら謎の暗殺者扱いされて鬼バズする  作者: 蒼唯まる
第4章 一閃、全ての因縁を断ち切って明日へ

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集結

 屋上まで上がれば、既に武装を済ませた東仙さんと阿南さんが、ヘリの前で待機していた。


「すんません、お待たせしました!」


「問題ない。それよりも……SA、本当に君も来るのだな」


「蛇島は両親の仇ですから。指咥えて黙って傍観するわけにはいかないっす」


 阿波さんを真っ直ぐ見据えながら答えれば、


「……そうか。ひとまず搭乗してくれ。状況の詳細は、移動しながら説明する」


 促され、急いでヘリに乗り込む。

 全員が搭乗すると、すぐにヘリは離陸し、移動を開始する。


 目的地は東京湾ダンジョン——ではなく、冒険者組合本部だ。

 先にそこに立ち寄って、共に戦う冒険者を拾っていくことのことだ。


「今回発生したアウトブレイクの規模は、通常の八倍近くとの報告があった」


「八倍……そんなにっすか」


 蛇島の見立てより多いじゃねえか。


「ああ。発生源が東京湾であるおかげで、すぐにモンスターが押し寄せて来ることはないが、一度海岸に到達してしまえば、過去に類を見ない程の激戦となる」


 阿南さんの言葉に俺も天頼も表情が強張る。


「規模でいえば、十年前の大災害と並ぶ……いや、危険度は今回の方が高いと言えるだろう。下手をすれば、被害は前回を上回るどころか首都圏が壊滅する」


 ——首都圏の壊滅。


 最悪の想定は、決して誇張や考え過ぎなどではない。

 実際にそうなるかもしれない要因が幾つもあった。


 中でも特に大きな問題点を挙げるとすれば、まず前提として、凝魔結晶のある階層まで辿り着き、破壊できるかどうか。

 それと——防衛線がいつまで大量発生するモンスターを抑え込められるか。


「現在、一都三県から冒険者を集結させ、自衛隊と共に総力を上げて東京湾の防衛にあたっているが、はっきり言って現状だと防衛ラインは一日も保たないだろう。どれだけ長く見積もっても、一晩越すのがやっとだろうな」


「一日……」


「それまでに八十七層へ辿り着き、凝魔結晶を破壊する。——無論、途中で立ちはだかるであろう蛇島さんを押し退けてな」


「僕らにとっては、そこが最大の障害になるだろうね。万全な状態でよーい、ドンの勝負ならともかく、八十層以上も強行突破して消耗した状態で戦うとなると……正直言って、かなり厳しいっていうのが本音かな」


 苦笑を浮かべる東仙さんだが、目は一切笑っていない。


 ——けどまあ、それもそうか。


 相手は曲がりなりにも組合筆頭に匹敵する実力の持ち主だ。

 例え一対多数だとしても、魔力を消耗し、疲弊した状態での戦闘となれば、楽観視など出来るわけがない。


「作戦の要は、ダンジョン突入部隊が消耗を抑えつつ、どれだけ早く目的の階層に辿り着けるか。その為には、如何に機動力を落とすことなく、一戦闘あたりの魔力消費をどれだけ少なくできるかが鍵となる」


「そうなると……少数精鋭で攻め入ることになる、ってことですか?」


 天頼の確認に阿波さんは、「その通りだ」と首肯する。


「突入部隊は東仙を中心とした、ここにいる四人。それから、本部で待機している二人を加えた計六人とする。本来であれば、しっかりと戦力を精査してから臨むべきなのだろうが……残念ながら、そう悠長にしてられるほど時間の余裕はない」


 一刻を争うこの状況。

 東仙さんが戦局を握る以上、その周りにいる人物でどうにかするしかない、というのが組合が下した判断だった。


 不幸中の幸いといえば、今ここにいる面々が漏れなく戦力に挙げられる人物ということか。

 阿波さんは、組合内でも屈指の実力者だし、天頼に至っては言わずもがなだ。


 そもそも二人の冒険者ランクはA、更にその中でも上澄みに位置している。

 逆に戦力を揃える手間が省けて幸運だったと考えることもできるレベルだ。

 というか寧ろ、ランクで浮いてしまっているのは俺の方だ。


 それでも、組合は俺を——SAを戦力と換算した。

 向こうとしては、天頼に付いてくるおまけ程度としか見てないかもだけどな。


 なんであれ、突入部隊に選出されたのは、またとないチャンスだった。


 絶対に奴の頭蓋を、首を、心臓を叩き斬る。

 ……この手で、必ず。


 程なくして、ヘリは冒険者組合本部のすぐ近くまで到達する。

 外壁がシェルターと化した巨大な棺を彷彿とさせる超高層ビルの屋上へと向かって高度を落としていく。


 窓の外を覗くと、着陸地点から少し離れたところで、合流予定の冒険者が待機しているのが確認できた。


「——っ!? おい、あの人らって、まさか……!!」


 人員編成をしてられる余裕が無いにも関わらず、わざわざ寄り道してまで突入部隊に組み込むような人材など限られている。

 だから、なんとなく予想はついていたが、それでもいざ目の当たりにしたらテンションが上がる。


「突入先が東京湾ダンジョンとなれば、あいつ以上の適任はいない。もう一人に関しては、偶然が重なった結果だが……彼女以上に頼りになる助っ人はそういないだろう」


「……っすね!」


 隣を見れば、天頼も目を輝かせていた。


 ヘリが屋上のヘリポートに着陸し、扉が開かれる。

 その先にいたのは、前のアウトブレイクを終息させた——、


「うっはー、聞いてはいたけど、なかなか豪華な面子が揃ってんじゃねえか!!」


「や、久しぶりだね。——四葉ちゃん」


 征士郎さんと二階堂さん——二人のSランク冒険者だった。

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