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射程無限剣士、ド陰キャ戦法でS級モンスターをぶった斬ったら謎の暗殺者扱いされて鬼バズする  作者: 蒼唯まる
第3章 銀の喪失、鋼の輝

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冒険者組合本部

「着いたぞ」


 事務所から車でおよそ一時間弱。

 オフィス街の中を突き進んでようやく辿り着いたのは、真っ黒な棺を彷彿とさせる超高層ビルだった。

 確か五十階近くあったはずだ。


 冒険者組合本部——。

 国内に数多く存在する冒険者組合の総本山であり、ダンジョンに関わるほぼ全ての情報はここに集約される。


「おお、いつ見ても凄そうな建物だよね……!」


「確かダンジョンで採掘できる特殊な素材と大量の魔力を建材に建造されてるんだったか。絨毯爆撃を直で喰らっても問題ないくらい頑丈らしいな」


 おかげで建物の外観が核シェルターみたいになってるけど。


 昔は普通のオフィスビルだったが、十年前の大災害を受けて現在の形に改修工事が入ったことでこうなった。

 仮に危険区域の外にモンスターが出てしまうような大規模なダンジョン災害が発生した場合、ここが避難場所になるらしい。


「——これ……天頼が術式マジぶっぱしても耐えれんのかな」


「ちょっと、わたしをマップ兵器みたいに言わないでくれるかな!?」


「事実だろ。自力で巨大な水蒸気爆発を発生させられるんだし」


「それは……そうだけどさ。でも、言い方ってものがあるじゃん!」


 むぅ、と俺を睨みながら頬を膨らませる天頼。

 が、可愛らしさが勝って、あんま迫力が感じられない。


 なので笑って適当に流して——あっ、


「あのー、天頼さん。そのー……えーっと、魔力を抑えてもらってくれませんか? いや、マジで。死ぬから。冗談抜きで俺、死んじゃうから」


「じゃあ、さっきの発言訂正してくれる?」


「します。させていただきますのでどうか勘弁してください」


「……なら、よし」


 変わらずジト目を向けられたままだったが、どうにか魔力は収めてくれた。


 はあ……何とか命拾いできたか。


 ほっと胸を撫で下ろしていると、


「お前らは先に入っていていいぞ。俺は、車を止めて別件を済ませる」


「うす、了解っす」


「分かりました。じゃ、行こっか!」


 ボスが駐車場へと車を走らせて行ったので、それを見送りつつ建物の中に入ることにした。






 エントランスを進むと、受付スタッフの女性が俺を見て苦笑していた。


 当然の反応ではある。

 何せ、俺の今の格好はSAくん衣装なのだから。

 街中だとダンジョン以上に悪目立ちするのは避けられない。


 反応を見る感じ、もう既に俺たちの事は知っていそうだけど、受付スタッフは一礼をして、


「冒険者様でございますね。魔力の確認をいたしますので、こちらに手を翳していただけますか?」


 カウンターに置かれた機械に手のひらを向けた。


 こいつは使用者の魔力を読み取る装置だ。

 これで読み取った魔力と冒険者組合が保有するデータベース上に一致する魔力があるかどうか照会をかけることで、冒険者ライセンスを持っているかを判断する。

 ちなみにこれのでっかい版がダンジョンの入り口前に設置されているゲートだったりする。


 受付スタッフの指示に従い、俺と天頼は機械に手を翳す。


「ありがとうございます。確認致しますので少々お待ちください」


 それから数秒と経たずに、


「……はい、確認できました。Aランク冒険者、天頼四葉様とBランク冒険者、SA様ですね。お待ちしておりました。先日の代々木ダンジョンにおけるアウトブレイクの一件とのことでお話は承っております。今、担当者が伺いますので、おかけになってお待ちください」


 促され、近くに設置されたベンチに座ることにした。




「そういえば……アシスタントくん、冒険者ライセンスの名前もSAにしてたんだね」


「まあな。ボスが気を利かせて名前を変えてくれたんだ。本名のままだと今回みたいな時に面倒になるだろうからって」


 冒険者ライセンスに登録する名義は必ずしも本名である必要はない。

 中には俺みたいに名前や顔を隠して活動したい人間もいるからな。

 それに本人かどうかは魔力を調べれば一発だから、本名かどうかはさほど重要視されてないってのもあるかもしれない。


「さすがはボス。周到だね〜!」


「……けど、そんな簡単に冒険者の名義って変えれるもんじゃなかった気が済んだよな。それとダンジョンを出入りした冒険者のログの照会をかけるの一晩で出来るようなことじゃないと思うし……ボスって何者なんだ?」


 今更ながら湧いてきた疑問を口にすると、


「あ……アシスタントくん、まだ知らなかったんだ」


「知らなかったって、何をだ?」


「ボス、元々は冒険者組合の人間だったんだよ。それもここ本部でバリバリ活躍していた超エリート冒険者」


「……は、マジなの、それ?」


 思わず訊き返すと、天頼は「うん」首を縦に振って即答した。


「まあでも、もう引退しちゃったんだけどね。十年前の大災害で大怪我しちゃったのが原因で辞めちゃったみたい。それで色々思う事があって組合を離れて、今の事務所を設立したんだって」


「……確かに顔にかなり深めの傷跡残ってるもんな。あの傷、大災害の時のもんだったのか」


「うん。……って、話が逸れちゃったね。そんなわけで本部の人とコネがあるから色々融通を利かせてもらってるってわけ」


「……なるほどな」


 ボスも大災害で色々と人生変えさせられた人間だったんだな。

 ……でも、今のを聞いてしっくりきた。


 だからボスは気づいていたのか——。


 思ったところで、担当の職員がやって来た。

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