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射程無限剣士、ド陰キャ戦法でS級モンスターをぶった斬ったら謎の暗殺者扱いされて鬼バズする  作者: 蒼唯まる
第3章 銀の喪失、鋼の輝

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防衛戦における論功行賞

『皆んな、よっはー! 天頼四葉です! 今日から何回かに分けて新シリーズを撮っていこうと思います!』


 スマホのスピーカー越しに天頼の声が聞こえてきたのは、昼休みのことだった。

 声が聞こえた方に視線をやると、二つ隣の席にいるグループが天頼の動画を流しながら飯を食っていた。


 ……ああ、そういや今朝動画投稿してたっけな。

 確か動画の内容は——、


『題して〜、じゃじゃん! ”新人冒険者のすゝめbyソロ探索”! これから冒険者になりたい人、冒険者にはなったけど、まだチームを組めていない人。そういった人達に向けて、ソロ歴の長かったわたしとアシスタントくんでどうしたらいいかを紹介していきたいと思います!』


 そうだった、ソロ時代に培った経験を活かした動画を作ろうってことで撮影したんだった。

 天頼はともかく俺のやってることに需要あんのかって感じはするけど、後進の為になるかもしれないから俺も参加していたやつだ。


 こういった動画の撮影は配信の合間に行っているから、四葉ちゃんねるの動画投稿頻度はそんなに高くない。

 基本的に週に一回投稿するかしないか、二回投稿できれば上々ってところか。

 それにも拘らず水森が編集作業に追われているのは、代わりに配信の切り抜き動画を投稿しているからだ。


 確か俺が初めてダークネスカオスジャンボスライムをぶった斬った際のショート動画をいち早く投稿したのも四葉ちゃんねる公式だったはずだ。

 配信中のモデレーター以外にもチャンネルの広報も水森がやってるっぽいし、あいつもあいつで意外と大変っていうか縁の下の力持ちなんだよな。


 聞こえてくる動画の音声をBGMにぼっち飯を決めていた時だった。


 俺のスマホが着信を鳴らす。

 画面を確認すれば、ボスからの通話だった。


 ……珍しいな、こんな時間帯に連絡なんて。


「うす、剣城っす」


『鋼理。悪いな、学校にいる時に』


「いや、いいっすよ。何かあったんですか?」


『ああ。ついさっき、先日の代々木ダンジョン防衛戦に関する論功行賞が発表されてな。それの報告だ。まず結果から言うと——鋼理。お前、S級戦功に選出されたぞ』


 へえ……俺がS級戦功、か。

 ……ん?


「はあああっ!? えっ、俺が!? ——あ」


 いきなり大声を上げたものだから、教室中の視線が俺に向けられる。

 やべ、変な注目集めちまった……!


「え、いや、なんで俺なんですか……!?」


 教室を出て人気のない場所へ移動しつつ、声を潜めて訊ねれば、


『当然だろう。ダークネスカオスジャンボスライム及びスフィアのS級モンスター二体を実質単独撃破。加えてグランザハーク撃破に大きく貢献したのだから』


「……まあそう言われれば。それもそうっすね」


 けどまさかS級戦功に選ばれるとは思わねえよ。


「ちなみに他に選ばれた人はいるんですか?」


『選ばれたのは鋼理を含めて五人だ。なんとなく想像はついているだろうが、ダンジョンに突入したSランク冒険者三人と……四葉だ』


「……まあ、俺を除けば妥当な人選っすね」


 これで選ばれなきゃ誰が選ばれるんだって話だし。


「それで戦功の対象になると何かいいことがあったりするんですか?」


『ある。階級別に褒賞金が授与されるのと、ランク昇格をする際の審査要素になる。尤も、後者はSランク冒険者には関係のないことだがな』


「へえ、賞金っすか。ちなみに褒賞金って幾ら貰えるんですか?」


『S級戦功だと……千万だな』


「ぶはっ!!!」


 想定外の額に噴き出してしまう。


 いや、これは驚かねえ方が無理あんだろ!!


「せ、千ってマジなんすか……!?」


『大マジだ。それだけ防衛戦の活躍には価値があった。それとモンスターの撃破に応じた報酬が個別に支給されるから、実際にはもっと多くの額が振り込まれるはずだ』


 えぐすぎだろ。

 うわ……なんか、金銭感覚バグりそう。


『——それでここからが本題なんだが、戦功の対象者に冒険者組合から召集がかけられた。だから放課後、お前と四葉を冒険者組合本部に連れていくぞ』


「……組合本部、っすか」


『一応、強制ではないから、嫌なら俺からその旨を伝えておくが……』


「——いや、行きます。天頼だけを行かせるわけにはいかないんで」


『……そうか。それじゃあ、また後でな』


「うっす、お疲れっす」


 通話を終えて、俺は天井を仰ぐ。


 ——組合本部か。


 あそこに行くのは冒険者のライセンスを取った時以来か。

 ぶっちゃけ、あんまり……いや、滅茶苦茶気乗りはしないが、天頼一人で行かせてはあいつの面子が立たない。


「それに……いつまでも避けて通るわけにはいかねえしなあ」


 それでも気が滅入ることには変わらない。

 堪らずその場にしゃがみ込みながら項垂れ、大きくため息を吐いた。

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