表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非力な僕の二刀流  作者: 烏川 ハル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/5

4

   

 数日後の模擬対戦。

 前回と同じく、対戦相手はアルフレッドだ。

「始めっ!」

 審判役の声と同時に、アルフレッドが二本の剣を抜いた。

 一瞬だけ遅れて僕も構えると、彼は少し怪訝な顔をする。

「……ん? 何のつもりだ?」

 僕の構えは通常とは違っており、右の剣は普通に順手の持ち方だが、左は逆手持ちだったのだ。

 ただし、これもノーザンノイエ二刀流の型の一つ。いきなり使うのが珍しいだけで、ここまでは驚くべき話ではなかった。

 続いて僕は、左右の剣を少しずつ近づけて……。

 二つの剣の()を、完全に重ねてしまった!


「何だ、あれ?」

双刃刀(ツイン・ブレード)のつもりか!?」

 見物の騎士たちが騒いでいる。

 確かに、いわば即席の双刃刀(ツイン・ブレード)だった。

 二本の剣を両手で合わせ持つ格好だ。二つの()を逆向きに重ねることにより、それぞれの手で同時に両方の()を握る形だった。上の(やいば)に相当する刀を順手、下の方を逆手とする双刃刀ツイン・ブレードだ。


「お前、馬鹿じゃないのか?」

 こちらを見下すような言葉でありながら、アルフレッドの声に焦りの色が混じっているのを、僕は聞き逃さなかった。

「お前は非力だから、片手で一本ずつは無理。だから両手で二本。……そう考えたんだろ? だけど、それじゃ結局、一つの手にかかる負担は同じだぜ!」

「それはどうかな?」

 あえてニヤリと笑ってみせる。

 確かに彼が言う通り、二本分の剣の重さを左右の手で持つ以上、単純計算では、それぞれの手にかかるのは一本分ずつ。

 でも数字の問題ではないのだ。「両手で持つ」という意識が心理的に僕を楽にするし、両手持ちならば安定感が増す、という効果もあった。

 さらに……。

 少し構えを動かすと、今度こそアルフレッドは大きく驚いた。

「何っ!?」

 新しい僕のスタイルが、上側の(やいば)を肩に担ぐ格好だったからだ。


 剣というものは、基本的に片刃だ。銀色に輝く(やいば)の部分も、斬れ味が良いのは敵に向ける面だけであり、反対側は全く斬れない峰という構造になっている。峰打ちという言葉もあるように、叩くための武器としては使えるが、少なくとも刃物とは呼べなかった。

 だから峰の部分を自分の肩に当てて、寝かせるようにして剣を担ぐことも可能であり、これは誰でも経験のある姿勢だろう。

 ただし、それは普通、剣を休ませる時だけ。敵と向き合っている最中(さいちゅう)まで肩に担いでいたら、剣の切先は敵とは反対側となり、斬り込まれても咄嗟に反応しにくい。

 しかし、双刃刀ツイン・ブレードならば話は別だった。上側の(やいば)を肩に寝かせたまま、下側の(やいば)は、きちんと前面の敵に向けられている。

 しかもこの格好ならば、両手に加えて肩でも二本の剣の重量を分かち合う形になり、非力な僕でも、存分に剣を操れるのだった。


「み、見かけ倒しだ! 俺は騙されないぞ!」

 声を震わせながら、アルフレッドが斬り込んでくるが……。

   

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ