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この世界の事

  薄暗く迷路のような地形を地図を見ながら進んでく彼女と僕。


「私の名前はシアよ、覚えてね。」


  僕を持ってる彼女ははにかみながらそう言った。彼女ことシアは続けて言葉を並べていく。

「あなたってユニークアイテムなんでしょ?ちゃんと意思があるみたいだけどどういう能力があるの?」


  また僕の事をユニークアイテムって呼んでいるな、まずそもそも僕はこの世界の事を知らないといけないし、シアに僕の経緯を話す事にした。


「えー!?じゃああなたってこの世界の人じゃなく女神様に転生して貰ったって事なの?しかも勘違いで杖になっちゃったなんて」


  ここまで言ってシアは話が出来ないくらいに吹き出してしまった。


「僕だって出来ることなら人に生まれ変わりたかったよ」と落胆した調子で言った。


「あーごめんごめん」

  彼女は舌をペロッと出しながら謝った。


「じゃあ長くなるかもしれないけどこの世界の事を教えてあげるね」


「まずこの世界の名前はリンネルって言うの。ここリンネルは300年前魔王が牛耳っていたの、でもその魔王は勇者と4人の魔法使いと4人の戦士達によって討ち取られたのよ。それで世界には平和が来るはずだったの。誰もがそう思ったのよ」


 そこでシアは表情を曇らせて悲しげな顔をした。


「あーごめんごめん、話を続けるね。結果から言うと平和は来なかったの、魔王が倒された時に魔王の魔力が暴走して今私達がいるこのダンジョンが出来たの。そしてここから無数のモンスターが現れて街中を破壊していったわ。早急に事態を重く見た勇者達は4人の魔法使いの力でダンジョンと世界を隔てるためのポータルを作ったの。それがこのポータルよ」


  シアが指差す先には異界の繋がりを示すポータルが置いてあった。

「このポータルをくぐれば安全な場所に戻れるよ!」


  シアは駆け足でポータルの中に入った。

  ポータルの中に入った瞬間視界がぐにゃりとまがり、気が付いたらそこはもうダンジョンの中ではなく活気溢れる街並みが広がっていた。


  人混みをすいすいとくぐり抜けながらシアは話を続けた。


「あのダンジョンはどういう訳か入る度に形が変わるの、たとえ同じポータルから入ってもダンジョンの形状はガラリと変わってしまうの。でも噂によると最深部だけは形状が変わらず、そこにあるダンジョンのコアを破壊すればダンジョンは無くなって真の平和が訪れるってわけ。だからこそ私みたいな冒険者が沢山いて、皆最深部を目指してダンジョンを踏破してるのよ。」


  僕は聞いた話を頭で整理しながら質問をした。

「凄く分かりやすい説明をありがとう、シア。でも僕の事を最初に見た時ユニークアイテムって言ったよね?あれはなんなの?」

  シアはハッとした表情で答えてくれた。


「あ、アイテムの説明がまだだったね!あのダンジョンの中にはこれも魔王の魔力が原因なのか、色々な武器やアイテムが置いてあるの。そのアイテムには世界で定めた価値、いわゆるランク付けがしてあるの、そのランクが下からコモン、アンコモン、レア、スーパーレア、ウルトラレア、レジェンドレアの6種類でレジェンドレアなんかは売れば家一軒買えるほどの価値があるのよ!そしてそれとは別にどのレア度のアイテムにも付与される可能性がある特殊能力が付いたアイテムの事をユニークアイテムって言うの。この能力次第によってはコモンのアイテムですら強力なアイテムに化ける可能性があるし、逆もまた然りって感じなのよ」


  ここでシアは一息ついてまた続けて話し始めた。


「もうお分かりだと思うけどあなたはそのユニークアイテムって言うことなのよ!」


  ここで僕もシアの話に被せ気味で質問した。


「僕って何ランクの杖なの?強いの?」


  それはごく自然な疑問であり今僕が最も知りたい質問だった。なんせそれは僕の価値に直結してくるわけだから。


  シアは若干得意げな表情で「それを見てもらう為にここ、鑑定所に来たのよ!」


  僕はシアが立ち止まった建物の方を向いた。

  豪華絢爛とまではいかないが中々に豪勢な建物じゃないか。両脇にはこの建物のシンボルのように赤い旗がパタパタと風に揺れていた。

 





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