人生終了
締め切られた窓にカーテンが引かれている。独特な薬品の匂いがほのかに鼻をつく。
この病院に来てもう1年は経ったかな。
高校3年生になったばかりの僕こと麻宮柊は自分の死の近づきにゆるりと肩を寄せていた。
昔から身体が弱く、ろくに外でも遊べなかった自分の人生を思い出し、僕は思い出に耽っていた。
ぽつりと僕は呟いた。
「今度生まれ変わったら強く逞しく生きたいなー」
そう呟くと 「願いを叶えてあげましょうか?」
一人しか居ないはずの薄暗い病室に美しい声が響く。
「だ、だれ!?」突然の事に心臓が跳ね上がった。
今度は砕けた調子でその声が響いた。
「私は所謂女神という者です。あなたのその死に間際の願いが私に届いたのです。さあ、願いを叶えてあげましょうか?」
僕は即決で答えた。「お願いします!!」女神様は言った。
「分かりました。あなたの叶えたい願いを込めて声に出してください!」
もうすでに僕の願いは決まっていた。
「僕の願いは!生まれ変わって俺TUEEEEしたいです!!!」
しばしの沈黙の後に女神様は答えてくれた。
「んーー。あー!はい!分かりました!オレツエーですね!その願い聞き届けました。では目を閉じてください。あなたの一回目の人生はここで終わりです。」
僕はスゥッと目を閉じた。いや息を引き取ったと言った方がいいだろうか。