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愚かな妻
間違いなく私の妻は愚かだ。
愚かでいられる箱庭をつくることを目指す私ももちろん愚かだ。
でなければ箱庭であれ『平和な世界』を実現しようなどと愚かで労力がバカほどかかることをしようなどと考えない。
不足も不幸も受け入れて他人を蹴倒し狡く生きればいいのだから。
妻が見えない場所でどれほど狡く踏みつけても何も思わないが、バレてはいけないことは理解している。
そのあたりが少々面倒で煩わしい。
『花や緑が多くあればみんなにっこりするわよね?』
たぶん、飢えないだけの食料があり、次の戦火に怯えずに済めばその通りだろう。
さて、何を削って温室をつくろうか?