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青い空の下で  作者: 美留淳
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部屋の設備

 「それじゃあ上にいるから、何かあったら呼んでちょうだい。晩ご飯は8時だから。あとWi-fi使う?もし使うんだったらサヴィに聞いて設定してもらってちょうだい」

「え、いいんですか。ありがとうございます。助かります」

エイミーはそう言うと階段を上がって行ってしまった。途中彼女がサヴィを呼んでいるのが聞こえてくる。


 海外でネット通信をどうやって確保するかは、ネットサーファーである田宮にとっては死活問題だった。日本で長期滞在用のルーターをレンタルしようかと思ったが、1日あたりの通信料が日本での価格設定に比べて高いことと、ネットで調べる限り至る所に無料のWi-fiがあって、特に喫茶店は標準的に設備しているということだったので、最悪どうしても必要であれば、現地で通信契約を結べばいい、と、ここでもまた彼の楽観的な性格が顔をのぞかせて、Wi-fiを受信するiPadとMacBookだけを持って田宮はカナダにやって来たのであった。


 iPadとMacBookとを出したところに、サヴィがやって来る。

「設定する?」

「うん、お願い。先にiPadの方お願いしていいかな?MacBookは今立ち上げるから」

「OK」

田宮は設定のところまでiPadの操作を展開すると、サヴィにWi-fiの設定をお願いする。そして、田宮はMacBookを立ち上げて、Wi-fiを設定するページを開く。

「iPadいいよね、使いやすいし」

「え、小学生なのに持ってるの?」

「いや、家族で共有。いずれは自分のが欲しいね」

「へえ。確かにいいよね、iPad」

田宮は、居住空間でネットが出来る幸せと、他愛無い会話を英語で行うことが出来た幸せとで、胸がいっぱいになった。

「はい、iPadはできたよ。MacBookも?」

「うん、お願い」

「OK. うちはWindowsなんだよね」

「へえ、そうなんだ」

「はい、できたよ。あと大丈夫かな?」

「うん、多分。何かあったら呼ぶよ。どうもありがとう」

「いえいえ」

そう言うとサヴィは部屋を出て、ソファに座ってテレビのチャンネルを付ける。


 田宮は部屋の扉を閉めると、ネットを展開してみる。確かに電波が来ているようで、いつも通り検索できる。階下の、縦幅の小さい出窓があるばかりの部屋で、暗いので電気を付けようとすると、天井と卓上のスタンドに取り付けられているのは電球型蛍光灯だった。田宮は、本を読むときやパソコンを使っているときなどに満遍なく

光が当たってほしいと思う人間だったので、天井はともかく、卓上の光も電球だったのは、少し残念に思った。それでも、部屋の内装は日本の自宅よりも立派であったし、机用の椅子も、背もたれのゆったりした肘掛け椅子で、田宮にとって十分に満足の行く部屋だった。


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