5章〈模擬戦;レオ編〉
はい。お久しぶりになります。
今回から、セリフの前に名前をつけることにしました。
色々変更が多くなりますが呼んで言ってください。
ではまた、一番下で。
5章〈模擬戦;レオ編〉
春兎「そうだ愛、他の二人の名前を教えてよ。」
愛「あっちのお姉さんと戦っている女性が、アリシア。私はアリスと呼んでいるわ。」
愛「で、あっちで戦っている男性がアレス。」
春兎「強い人ですか?」
愛「私よりは強いかもね。でも二人ともコミュ症だから、リーダーは私になってるの。」
春兎「愛より強いのか・・・!」
愛「あら、私とアリスとアレスは今日本気出さないわよ?」
春兎「・・・え?」
愛「だって本気出しちゃったら、誰か一人で相手出来ちゃうもの。」
春兎「え?・・・え?」
愛「春兎ももっと強くなんないとニ階級特進になっちゃうかもよ?」
春兎は自分がとてつもない勘違いをしていたのではないかと疑う。
愛「じゃ、私は先に出てるわ。」
春兎「え、え、加勢しなくてもいいの?」
愛「あの二人は私よりも強いし、手加減した上で負ける様な事はないと思うし。」
春兎「・・・そうだね、じゃあ、後で。」
春兎の疑いは確信へと変わる。
春兎「(愛に追いついたと思っていたが、まだまだだったのか。)」
春兎はうなだれながら周りを見渡す。
アリス「あ、貴女に勝ち目は・・・あ、ありません。な、なので降伏してください・・・!」
無傷のアリスが言う。
レオの周りには何もない。
いや、それだと語弊がある。
何もないはずなのだが、空気が、空間が歪んでいるのだ。
その歪みがレオを囲んでいる。
レオ「だ・・・誰が、諦めたりなどするかっ!」
レオにはかなりダメージがある様だ。
レオ「術式展開!“ファイア”!」
レオは魔法陣を展開し炎で攻撃する。
しかし、アリスが生みだした歪みよって掻き消されている。
アリス「・・・っ!最後ですっ!」
アリスは両手をかざし、歪みを操作し始めた。
アリス「私は戦いが好きではない。傷付くから。なら、傷付く前に勝てばいい!」
歪みが一点に集まってくるに従い、透明だった歪みが段々と紫色を帯びていく。
アリス「負腐乱舞!」
一点の歪みから高速に発射された球状のものがレオを襲う・・・
レオ「う、ああぁっ!」
負けた、そう思うには十分な威力だったのだろう。しかしレオは意識を保っている。
目の前には春兎がいた。
どうやら、あの球を最低限だけ刀で捌いたのだろう。何発かは被弾している。
春兎「立てるか?レオ!」
誰にものを言っている。立てぬわけがない。
レオは何故か笑いながら立った。
レオ「愚弄するでないっ!馬鹿者!」
春兎「そうか、なら良かった」
春兎もまた笑っていた。
春兎「第二幕だ!」
一歩踏み込んだとき・・・
春兎「え?」
春兎は崩れる様に倒れた。
レオ「春兎!?」
レオは咄嗟に春兎に回復魔法をかけようとした。
しかし、その瞬間でやめた。
アリスの攻撃が迫っていたのだ。
レオは魔法陣をすぐさま書き換えた。
レオ「防御魔法“ウォルト”!」
レオより前にいた春兎とアリスの間に大きな壁を創った。
レオは迷っていた。春兎を回復させるか、攻撃を続けるか。
レオの体力も残り少ない。確実な判断をせねばならない。
レオが考えていると、春兎が反応を見せた。
春兎「レ、オ・・・僕は大丈夫、だ」
レオ「何を言っている!倒れたんだぞ!」
春兎は刀を抜くと力いっぱい叫んだ。
春兎「朱雀‼︎‼︎」
すると、刀は朱い煙を出してその形を崩す。
朱い煙は春兎とレオのそばに留まりそして、人の形を造っていく。
朱雀「呼び出すなんて面倒なことをしてくれたな。春兎」
妖艶。浮世絵から出てきたような美人。
朱色の着物を着て、髪は地につくほど長く、
唇は妖しく艶やかに濡れている。
春兎「す、まない、レオに、力を、貸してあげてくれ」
朱雀は仕方ないと言わんばかりの顔をして、レオの額に手をかざす。
朱雀「春兎の頼みだ。これっきりだぞ。」
朱雀が少し力を込めると、レオを朱い煙が包む。
レオ「・・・すごい。力が溢れる。」
レオの身体に傷は残っているものの、そばにいるだけで凄まじさを感じる。
レオ「いける!」
朱雀「礼はいらん。春兎、どうせ、あっちの男にも力を貸せと言うんだろう?」
春兎「ははっ、そうだよ」
朱雀「では今から行ってきてやろう。」
春兎「ありがとう、朱雀」
朱雀が行った後、レオは自ら防御魔法を解いた。
アリス「何かしていた様だけど、貴女が勝てないのは、変わらない。」
レオ「今の私を舐めるなよ?」
アリス「負腐乱舞!」
レオ「“キャスル”」
レオが創った壁はまるで、城壁の様な厚く硬い壁であった。
アリス「効かない・・!?」
レオ「“ジャンプ”」
一瞬にしてアリスの後ろをとったレオは、三重の魔法陣を創っていた。
レオ「炎は焔へと変わり、灼熱と化す。」
レオとアリスがいる一帯が熱くなる。
レオ「“フレア”‼︎」
レオが唱えると、地面を焦がし空気を燃やす業火がアリスを襲う。
アリス「ああああぁぁぁぁぁっ!!」
業火が消えるとそこにアリスが倒れていた。
レオ「勝った・・・」
レオも力が抜けたのか、その場に座り込んでしまった。
春兎「あちち、やっぱりレオはすごいな」
改めて、恐ろしさを実感した春兎であった。
どうでしたでしょうか、5章。
私にしてみれば少し長めかなと思います。
次は綴編になります。
綴編はすぐ出せると思います。
もう出来ているので。
セリフの前の名前について感想いただけると嬉しいです。
では、次は綴編で会いましょう。