俺と掲示板と幽霊!?
こんにちは、杞憂です。
話の案だけ浮上して文章化するのにかなりの時間を使ってしまった(;□;)!!
同時にハルカの季節も書いてます
そっちもヨロシクお願いします
チンチン〜ン………
「………」
仏壇の前に両手を合わせる。
(父さん、母さん。おはよう。)
これは俺――荘介の一日の日課である。
一年前、事故にあった両親は俺に遺産と家と想い出だけを残して他界してしまった。
それからは自分で炊事洗濯を自分で出来るように毎日を頑張って生きてきた。
その甲斐があって今では人通りの事は簡単にこなせるようになった。
両親の他界から約一年が過ぎ、俺は親のお金で星陵学園に入学した。
周りの皆は優しいヤツもいれば楽しいヤツらばっかだ。
毎日が飽きなくていい。
何時までも手を合わせてはいられないので立ち上がり学校へ向う。
(いってきます。父さん、母さん。)
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ミンミンと蝉の鳴き声が鬱陶しい《うっとうしい》とすら感じる夏場。
学校へ向う途中、電柱があり近くに花を生けたガラス瓶がある。
これも俺の日課の一つで、ここを通りすぎるときは必ず目を閉じお参りをする。
「本当に荘介は律儀だねぇ。」
「ん?あぁ、神奈か。」
瞳に光が差し込むと目の前には神奈がいた。
彼女は小学校からの知り合いで、よく神社で遊んだりもした。
神社ってのは、彼女の家は古くからの神社の神主さん、つまり彼女の両親が神主さんだから友達の家に遊びに行くノリでよく遊んでたし、神主さんも了解していた。
神社で遊ぶだけだった神奈も今ではお手伝いとして巫女をしている。
「そこにはもう誰も居ないわよ。」
「そうなのか?やっぱ見えるヤツはいいなぁ。」
「そんな事ないよ。見えたら見えたで怖いし…」
彼女はどうやら霊感があり幽霊が見えるらしい。
本人は見たくないらしいが俺からしてみれば逆に羨ましいとさえ思っている。
霊感があれば、幽霊が見えれば、両親に会えれば………何度思ったことか分からない。
「そんな事より早く学校行こ。」
「あぁ、…」
10分位歩いた場所に俺達が通う星陵学園がある。
スリッパに履き替え、自分のクラス――1年2組の扉を開ける。
「おはよー。」
「よう、荘介。おはよー」
「荘介君おはよう、神奈ちゃんも。」
「神奈さん、おっはー。」
「荘介、荘介、スラマッパギ〜。」
「おはよう、それと便座カバー!」
………やっぱ個性的なクラスだなぁ…
「おい、荘介!これ貸してやるよ。」
「えっと〜……中身は?」
開けてみればわかると言うので袋からモノを取り出す。
中にはDVDが入っていた。
「呪〇じゃん!貸してくれるの?」
「あぁ、お前最近観たいっていただろ?だから中古で買ったんだよ。」
「ありがとうな、信也!」
「良いって事よ。見終わったら返せよ、俺まだ観てないから。」
友達の信也から貸してもらった〇怨のパッケージを見ながらワクワクする。
「荘介………まだその趣味あったの?」神奈が俺に少し怒った様な態度で接してくる。
「ん?あぁ!ホラーは最高だからな!」
「いい加減それ辞めた方が良いよ。何かあったら手遅れなんだよ……」
「それは経験から言ってんのか?」
「………………」
「え、まじ?……」
「あ、シュクダイヤルノワスレテター。ヤラナイトイケナイナアー」
「棒読み過ぎだよ!!」
「ラ〇ィカル・グッド・スピー〇!!」
「また世界を縮めるの!?」
「そんな事ないよ。桐生ミ〇リさん。」
「荘介です!『〇守です』って言いたい所だが……」
結局これだけのやり取りをして授業が開始された……
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ただいま〜」
誰も居やしない我が家に帰りを報告する。
自分の部屋に行き、私服に着替えてパソコンを起動させる。
某検索サイト『〇ahoo!』で『心霊掲示板』と打ち込み書き込みを流し見をする。
マウスのコロコロを弄りながら見ていくとコックリさんや、メリーさん等や都市伝説も書いてあり、そこに皆が議論しあってる。
何も考えずそのページを眺めていたら、URLのみ載せたスレがあった。
「何だ、これ……」
http://www.444444444…………
こんなの見たことない……
興味がわきURLにマウスポインタを合わせる。
すると新しくスレに書き込みが出てきた。
『好奇心は猫も殺す』
忠告?いや、警告なのか……?
一瞬怖くなりポインタをURLから外す。
もしかしたらただの釣りでリンク先はアダルトサイトだったってオチがあるかもしれない……
「もしかしたら、ワンクリック詐欺のサイトへの誘いかもしれない〜………どうすっかなぁ……」
―――カチ。
ん?
カチ?
何の音―――ってッッオイ!!
画面を見てみるとマウスポインタはいつの間にかURLの上にありクリックしていた。
何かのページが開かれると同時に質問された。
『ダウンロードしますか?』
『はい、いいえ、どちらかと言えばはい』
……いやいやいや!
しないしないよ!
怪しすぎでしょ!?
当然『いいえ』に
カチ。
―――ってッッオイ!!
マウスポインタが勝手に動き『はい』がクリックされ何かをダウンロードし始めた。
「どうなってんだよ…」
電源ボタンを連打しても画面は変わらずにダウンロードも進んでいく。
80%……90%……95%
急いでキャンセルをクリックしようと思ってもマウスポインタは微動だにせずダウンロードは完了した。
……100%
……………………………………あれ?
何も起こらない……
てっきり、今のでウイルスが感染したかと思ったけど何も起こらない。
念のためウイルスバス〇ーを確認してはみるが異常ない。
「なんだったんだ……?」
それに俺は何をダウンロードしたんだ?
さっきの掲示板に行ってみたが、スレ自体存在しなかったのか跡形も無くなっていた。
謎しか残していかなかったそれは何なのか……
何故か嫌な予感しか感じられない。
もしかしたらパソコンの何処かイカれたかも知れないから動作確認を兼ねてニコニ〇動画にいく。
動作確認とか格好良く言ったが短編ホラーを観すぎて本来の目的すら忘れて耽っていた《ふけっていた》。
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その日の夜、あまり寝付けなくベッドで何度も寝返りをうっていた。
ブランケットを掛けているだけなのに身体は灼熱地獄の様に熱く、冷房がついてるとはとても思えなく逆に、暖房がついてるとさえ錯覚してしまう。
そんな中、俺は意識を失う様に眠りに墜ちる。
意識を取り戻すと身体は動かず、目蓋すら開かない。
身体は未だに熱いが、首と腹部が冷たくて気持ち良い。
開かなかった目蓋が自然に開いた。瞳に薄暗い光が入ってきて視界を回復させたが、俺の瞳に信じられない光景が入ってきた。
それを見た瞬間に身体中の熱は消え冷や汗をかき始めた。
俺に馬乗りにして両手で首を絞めている女がいる。
髪はボサボサと乱雑に伸びており、着ている白装束には血がベッタリと付着していた。
一目見てわかった……
――幽霊だ!!
実際に心霊現象にあってみると映画とかと違って断然に怖い。僕は死を直感的に悟った。
悟ったのだが………
(絞める力、めっちゃ弱い!)
『絞めてる』というより『手を這わせてる』みたいな感じだ。
「はぁ、はぁ、……んん!んぁ……んっ!」
女の幽霊が力を入れているのは声からして解るが、漏らしてる声がいやらしすぎる!!
それに………
俺は視線を幽霊から逸らす。
怖いから?――違う。
いやらしい声を出すから?――違う。
そうじゃないんだ。
だって、この女の幽霊……
「おっぱいが…見えてる………」
「っ///!!?」
白装束が着崩れしてポロリみたいな感じ………?
酷くビックリした様子の女の幽霊は顔を真っ赤にさせ、絞めていた?手を離し胸部を両手で隠した状態ですぅ〜っと部屋の壁紙に溶けていくように消えていった。
気付けば身体は自由に動き熱も無くなっていた。