異世界転生…?私が?
月島結菜、20歳。
割とどこにでもいる大分普通な大学生。
そんな私の人生は普通では無い形で幕を下ろした。
友人と推し活という名の海外旅行の最中、暴走トラックに轢かれてしまいそのまま……
いや、人生の普通の幕の下ろし方なんて知らないけどさ。
「んぅ……?」
どうやら死んでいなかったらしい。
奇跡の生還か?…………普通こういうのって、親や友達が涙を流しながら色々話しかけてくるものでは?
つまり人が常にいるのが普通じゃないくらいの年月植物状態だった…みたいな?それなら悪いことしたな……みんなに心配かけちゃったな。私今何歳なんだろう……
そんなことを考えながら身体を持ち上げる。
「え……」
思わず声が出た。天蓋付きのベッドなんて、現実では見たこともない。おしかもベッドシーツは純白で、肌触りが驚くほど滑らかだ。部屋自体も広くて、十畳以上あるだろう。窓からは日差しが差し込んでいて、外には綺麗に手入れされた庭園が見える。病室というより、まるでお城の一室のよう。
「いやいや、これは絶対におかしい」
冷静になろうとしても、頭の中が混乱している。私はゆっくりとベッドから降りて、足元を見てみると—そこには上等なフリル付きの寝間着を着ていた。自分の手を見つめて、そして顔に触れる。ちょっと待って、肌の感触が違う。こんなに滑らかだったっけ?
「なんじゃこりゃ……」
ふと、部屋の隅にある大きな姿見が目に留まった。恐る恐る近づいて鏡を覗き込む。
「……嘘でしょ」
そこに映っていたのは、紛れもなく"私"ではなく、美しい少女だった。栗色の長い髪に緑の瞳。
「リリア・エルナード……」
不意に出た名前。私がかつてプレイしていたゲーム、ロイヤル・アカデミアの主人公だ。
……そうすると、今いるこの場所はエルナード家で、私がリリアってことになる?
「いやまさかそんな…異世界転生なんてそんな……いやぁまさかね…ふふっ」
と頬をつねる
「痛っ!?」
つねった頬がジンジンと痛む。夢でも幻でもないことを思い知らされる感覚。指先を見つめ、改めて周りを見渡す。
「本当にロイヤル・アカデミアの世界に来ちゃったわけ?しかもヒロインのリリアに?」
そう。あの名作乙女ゲーム「ロイヤル・アカデミア」。
庶民出身のリリアが、子のいないエルナード家当主に気に入られて養子となり、貴族のご子息ご令嬢が通うロイヤル・アカデミーに入学して、そこで一人の男性と恋に落ちるゲーム。
攻略対象は何名かいて、一応全ルート攻略はしている。
「待てよ、今の時期ってどういう状況なんだろ……」
姿見の隣には日めくりカレンダーがある。
February 28……つまりは2月28日。
窓の外を眺めると、雪が薄く積もっている。
「2月28日で正しいのだとしたら……確か主人公の転入は3月1日だったから…明日が転入日ね。」
……ん?明日が転入日?ということは
「…ゲームはまだ始まっていない……それなら…!」
私は、このゲームに不満があったんだよね。
初めての作品投稿です。
文章拙い点が沢山あると思いますがよろしくお願いします。




