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このクエストはもはやSSランク

「思い出したわ、あなたはあの時のキメラなのね」


「そうだよ…この顔を忘れたか!」


「擬似的に不死身にしたとは言え、リッチに食べられたと思っていたわ。それに最初はダークエルフだったから分からなかったわ」


「リッチの地獄のような消化液で皮膚の色が落ちちまったんだよ!」


一応は産みの親であるはずのアルノが実験を手掛けたはずのステラをすぐに認識出来なかったのは、既に食われていたからと直感的に認識し、その上で彼女が消化液によって褐色肌から透明な皮膚になっていたことですぐに見抜けなかったのだ。


「そうか、君がアンロスの街でリッチの骨を指差したのも、スフィンクスがリッチはまだ死んでいないと言っていたのはそう言うことだったのか」


長い間リッチのことについて疑問点が幾つかあったが、まさかステラがリッチに食われるものの逆にその肉を食らってキメラとして姿や力を獲得していたとは夢にも思わなかった。


「まさか逆にリッチを食べていたとはね。それで…私をどうしたいのかしら?」


「決まってる!あたしと父さんを引き離したお前らを、一人残らずバラバラにして呑み込んでやる!」


しれっとした様子のアルノを見て、ステラはこれまでの怒りをぶつけるかのようにパーカーを脱ぎ去ると白い鱗が皮膚に浮かび上がる。


『ギシャアアア!覚悟しろ!』


「…思いもよらなかったけど、これは心強いね」


白いバジリスクのリッチの姿になったステラはアルノ達を睨みつけ、敵の敵は味方とあるように少なくとも今はルアーネ達の敵にはならないようだ。


「ふふふっ…まさかこうも実験体が増えてくれるとは思わなかったわ。それと生憎(あいにく)だけど、このアンデッドはあなたとはまず相性が悪いわよ」


『黙れ!何を根拠にそんなことを!』


「忘れたのかしら。あなたの…と言うよりもリッチのゴッドプレシャスである『デッドアイ』は生きている相手を即死させるけど、()()()()()()()アンデッドにはまず効果はないわ」


その点についてはルアーネもよく知っていた。吸血鬼(ヴァンパイア)であるアメジスにも通用しなかったこともあり、悔しいがアルノの言う通り同じく不死身であるアンデッドには効果がないだろう。


『そんなの分かってる。だがなぁ、そこにいる奴らのお陰で殺さなくてもどうにか出来る方法はあんだよ!』


しかしそれを理解していないステラではないらしく、口振りからして何処からかルアーネ達の戦いを見ていたらしく対処法を編み出しているようだ。


「あら、そう。クウコ!」


アルノが名を叫ぶとフルアーマーの猿の獣人がアンデッドセイリュウの頭の上に乗り、棒状の武器をバトンのように振り回し身構える。


「そこまで言うなら倒してみなさい。クウコとアンデッドセイリュウをね。出来なければあなた達を帝国に連れて帰り良い手土産にするわ」


まるで自分の勝利は揺るがないと言わんばかりに不敵な笑みを浮かべながら自分達の結末を語るアルノ。何にしても退路はないし後にも引けないため、メイナス達も気合を入れ直すのだった。


「相手は『龍』の称号を持つドラゴン。更にその中でも古竜でしかも二つ名か。ハッキリ言ってSランクを越えてるかもしれんぞ」


ただでさえドラゴンは平均でもAランク強さなのに、その中でも特別な種類で、しかもその種類の中でも二つ名を持つ程の個体となればユウキュウの言う通りSランクと言う枠組みには収まらないだろう。


「これは噂に聞くSSランクかもね…」


「Sランクの上って実在するんですか」


ランクとはクエストの難易度やモンスターの総合的な強さ、更には自分達の冒険者や役職などの熟練度や実力を数値化した物だ。


その中でもSランクが最上級で、それ以上は存在しないし単なる都市伝説でしかないと思われていたためルアーネの言っていることがとても信じられなかった。


()()()()()からこそ存在するかどうか分からないんだよ。言ってみれば不死鳥の卵と同じだよ」


考えてみれば案外単純な話だった。SSランクのクエストが実在する以前に、Sランク以上の事態が起こることがそもそも少ないため、まず持って人々に認識されるかどうかも怪しいし、噂の一人歩きやそれこそ都市伝説として残っててもおかしくないだろう。


ただでさえ不老不死のために()()するかどうか分からない不死鳥が卵を産むかどうか分からないのに探せと言うのと同じであった。


「不死鳥ねぇ…そう言えばあなた達と一緒にいたあの娘はどうしたの?」


「え?どうって…」


どうしたも何もアンデッドセイリュウに取り込まれたのだが、アルノはそのことに気付いていないような質問をしてくる。


「まあ、良いわ。あなた達を無力化した後で見つけてあげるわ。またあの娘の身体を隅々まで調べらると思うとゾクゾクするわ…」


何も知らないままアルノは快感を覚えたかのように打ち震える様子を見せてくる。見た感じは童顔だが、ある程度出ている所は出ているため、見ていて大人の魅力を感じるのだった。


『その前にあたしが食ってやるよ!ギシャアアア!』


しゃがれた雄叫びを挙げながらステラは口を開いてアルノを呑み込もうと真っ先に飛びかかる。


「オオオオッ!」


『グオオオオ!』


『邪魔するな!ギシャアアア!』


クウコに棒で頭を叩かれたアンデッドセイリュウはステラと向かい合い威嚇し合う。


『骨をバキバキにしてやる!』


そう言うとステラは白く長い体躯をアンデッドセイリュウに巻き付けていく。両者とも長い身体をしているため、まるで三つ編みのように絡み合っていきやがてステラは全身に力を込めて締め上げる。


『グオオオオ…』


『どうだ、あたしの抱き心地は?気持ち良くてあの世に逝きそうか?』


蛇は全身がまるで筋肉の塊のようであり、毒を持たない種類は相手に全身を巻き付けて絞め殺す方法があり、ステラはまずその方法でアンデッドセイリュウの骨を砕こうとする。


「ヌオオオオ!」


するとクウコは棒を頭上でブンブン振り回すと回転量が上がるごとに棒は見えなくなり、代わりに目で見えるほどの旋風(つむじかぜ)が発生する。


『グアアアア!』


『な…何だ?』


その旋風に合わせるかのようにアンデッドセイリュウも拘束されながらも回転を始める。


「あのクウコって子の棒の動きに合わせてるの?」


「ううん、これは風のエレメントが…」


見た所クウコの棒の動きに合わせて回転しているようにも見えたためアメジス達もどう言うことなのかと首を傾げる。しかしニナはマナミナの流れが変わり、風のエレメントが発生していることに気が付く。


『グオオオオ!旋龍陣(せんりゅうじん)!』


やがて風のエレメントがアンデッドセイリュウに集まり、旋風を発生させたかと思えば徐々に大きくなりステラが絡みついたまま竜巻のようになる。


「そんな…竜巻になるなんて!?」


「吹き飛ばされます〜!?」


『うわあああ!?』


小柄なニナやアメジスが吹き飛ばされそうになるほどの風圧を誇る竜巻になったことで、巻き付いていたステラには特に酷く振り回され耐えられずに拘束が緩んで壁に叩きつけられる。


「Sランクモンスターの拘束を振り払いやがった!SSランクってのは口だけじゃないってことかよ!」


「弱点とかはあるの?」


この中ではステラが一番強いのだろうが、そのステラが吹き飛ばされたことに自分達も加勢せねばと弱点を訊ねるもルアーネもメイナスも口を(つぐ)む。


「もしかして…ないの?」


「基本的にはない。ドラゴンや龍は弱点や欠点がないからこそ最強と言われるんだ」


モンスターの中には身体の一部分だけが弱い急所や、火や水など大きなダメージを与えられる苦手な属性を持つ種類も存在する。


しかしドラゴンにはその目立った弱点が存在しないのだ。確かに人間が苦手や弱点を克服するのは良いことだろうがモンスターの場合は迷惑この上ないだろう。


「あるとすれば人間や他のモンスターと同じ心臓や目とか重要な器官だけど…」


「って、今はもうアンデッドで()()()()()から意味ないじゃん!」


ダメ元の弱点と言えば内臓ぐらいだ。例えドラゴンでも内臓を傷つけられたら致命傷にもなりうるが、今やアンデッドで骨しかないため、この弱点は基本的に無意味だった。


「残っている手立ては…あの方法しかない」


「あの方法…もしかして、あれ?」


だが、ルアーネとアメジスにはこう言う相手をどうにかする方法があるらしく互いに目配せをする。

 

「問題は相手が大き過ぎて範囲が広過ぎることだよ」


「だったら僕にも考えがある」


ルアーネの考えに気が付いたメイナスはとあるアドバイスを教える。


「とにかくもうこの方法しかない!ステラを中心に戦って援護すると同時に攻撃を加えるんだ!」


手立てを考え、後は成功するのを祈りながらステラと共に戦うだけだった。


「あのクウコって獣人の娘を集中して狙うんだ」


「はい!行きます!」


アンデッドセイリュウは明らかにクウコの意思に沿って動き、竜巻も起こした物を増幅させているため狙いはかなり絞られるため、ニナはアンデッドセイリュウの長い身体をキャットタワーのように駆け登っていく。 


「凍れ!」


「はわわ!?ドラゴンさんの身体が氷に覆われて…!?」


しかしクウコが棒でアンデッドセイリュウの身体を叩くと刺々しい氷の鱗が形成され、氷に覆われているためにニナは滑って登れなくなる。


『ギシャアアア!』


「雷よ…落ちろ!」


壁に叩きつけはれたダメージから立ち直ったステラは再び飛びかかるが、クウコが棒を勢いよく振り下ろすと落雷が遮るように落ちてくる。


「あの杖は何なんだ。さっきから風や氷やら、更にはこんな隔離された場所に雷を落とせるなんて」


「これはどうみてもセイリュウのゴッドプレシャス『気象操作(ウェザーコントロール)』だ。あの杖で出来るのか?」


杖を扱うだけでここまでのことが出来る理由は不明だが、メイナスはこれがセイリュウの持つゴッドプレシャスだと突き止める。


「いずれにしてもあのクウコと言う獣人を止めればセイリュウの戦闘力を削ぐことが出来るはずじゃ。問題はそのクウコがセイリュウと共にいることが問題じゃが…」


やはりメイナスの言う通りクウコを無力化すれば全て止められることだけは確かなのだが、攻撃の中心となっているのはそのアンデッドセイリュウなため近寄ることも難しいのにどうしたら良いか分からなかった。


「あの…私に少し考えがあるんですけど」


「どんなのだい?教えてよ」


「狙うタイミングとしては竜巻の時なんですけども」


しかし今度はニナに妙案があるらしく、そのことにメイナス達は聞き耳を立てる。


『ギシャアアア…!?』


『グルルル…!』


落雷を十回ほど受けても何度も立ち上がり続けたステラだが、さすがにダメージが大き過ぎてその場に横たわり始める。


「覚悟しろ!スキル『投擲』!」


「爆炎魔法『ボム』!」


「『フワリフト』!」


「スキル『投擲』!」


アンデッドセイリュウの四方八方からレイラは炎のナイフ、ユウキュウは爆弾、メイナスはサイマジックで薬液、ミエナはデスサイズをブーメランのようにクウコに目掛けて投げる。


「ウオオオオ!」


『グオオオオ!』


気が付いたクウコは棒を頭上でブンブン回すと竜巻が発生しアンデッドセイリュウはそれを増幅して巨大竜巻になり投げられた物を全て防ぐのだった。


「行きま〜す!」


「っ!?」


竜巻で投擲攻撃を防ぐも突然上から声が聞こえたかと思えば、次の瞬間に風を全身に纏い猫の手グローブを装備したニナがクウコに飛び掛かったのだ。


鎌鼬嵐舞(かまいたちらんぶ)!にゃにゃにゃにゃ!」


「ぐぐぐっ…!?」


正拳突きや蹴りなどを連撃で繰り出し、その際に風の刃を生じさせてクウコの頑強な鎧に爪痕を遺しながら斬りつけていく。


「にゃあっ!」


「がはっ!?」


最後にムーンサルトによる蹴りと尻尾による一撃によってクウコはアンデッドセイリュウの頭から転げ落ちた。


『グルル…?』


それと同時に竜巻が止まってアンデッドセイリュウの困惑する姿が露見する。


「なるほど、台風の目を狙ったのね」


「妖精族は台風に直面した場合は台風の目に行くように教わるんです」


竜巻や台風とは風が螺旋状(らせんじょう)に巻き上がる現象なのだが、その中央は風が起きずにほぼ無風状態に近いため台風の目とも呼ばれている。だからこそニナは周囲からは近寄らず、台風の目が無風なのを利用してクウコを直接攻撃したのだ。


「ステラ!今なら竜巻や落雷は起きないよ!」


『お前らとは大した仲じゃないが…ありがとうな!』


利害一致の相手とは言え、ここまでしてもらったことでステラはメイナス達に感謝しつつもアンデッドセイリュウに巻き付く。


『このまま骨を砕いてやるぜ!』


「さすがはフェニックスのあの娘と行動を共にしているだけはあるわね。でも、落雷や竜巻は何もクウコがいるからこそ起こせる訳ではないわ」


ステラが身体を巻き付け徐々に力を込めて骨を軋ませる中でアンデッドセイリュウはアルノの含みのある台詞に呼応するかのように全身に力を込めていた。


『グオオオオ!!』


『ギシャアアア!?』


途端に青白い落雷がアンデッドセイリュウに落ち、ステラの長い体躯にも電撃が流れ込むのだった。


『ウオオオオ!』


直後にアンデッドセイリュウは身体の周りに竜巻を発生させ、感電したステラをいとも容易く振り解くのだった。


「バカな!?あの獣人の子も無しに竜巻に加えて落雷も発動するだなんて!?」


「ふふふっ…天候を操るセイリュウをアンデッドとして蘇らせたのは伊達ではないわ。クウコはあくまでも触媒でしかないわ」


クウコを頭から落とせばアンデッドセイリュウは天候を操れないだろうと考えていたがそう簡単にはいかないらしく、例えいなくても天候を操ることは容易のようだ。


「さて、クウコ。あなたも思う存分に暴れなさい」


「ウオオオオ!」


アルノの号令でクウコは棒を握り直して一気に肉薄してくる。


「ウガアアア!」


「はにゃにゃにゃ〜!?痺れます〜!?」


横薙ぎに棒を振り回すと雷がニナに向かって飛んでいき感電させる。


「おのれ…爆炎魔法」


「無駄だ!」


今度は届く訳でもないのに前方に棒を突き出し、吹き矢のように持ち手に息を吹きかけると冷気が飛んでいきユウキュウが詠唱を終える前に爆弾を凍らせる。


「どうやらあの棒状の武器が天候を操る力があるようだね」


先程から天候を操っているように見えるのはクウコが持つ棒状の武器が鍵のようだ。


「とにかくアンデッドの方を何とかしないとね。こっちの準備は完了だよ!土魔法『グラウンド』・ホール!」


「水魔法『ウォーター』・ウェーブ!」


ルアーネは土魔法、アメジスは水魔法を同時発動する。


「「複合魔法『奈落の沼(アビス・ヘル)』!」」


二人の魔法を合わせてシーフードラゴンの時のように底無し沼を作り出してアンデッドセイリュウを沈め始める。


『グオオオオ…』


「相手が不死身でもこの沼の中に沈めれば無力化したも同然さ」


ここへ来るまでに食べ物のアンデッド、アンデッフードと戦い続けたお陰で攻略方法はバッチリだった。


「シーフードラゴンの時と同じね。でも、相手がアンデッドである以前に『龍』の称号を持つ二つの古竜であることを忘れたのかしら?」


『ウオオオオ…!』


その戦いを見ていたかのような発言をするアルノが不敵な笑みを浮かべると、沼の水がアンデッドセイリュウの周囲をグルグルと渦巻くように動き出したのだ。


「沼の水が…!?」


「セイリュウは天候だけでなく水も操るのよ?沼の水の操作なんてお茶の子さいさいよ」


ところが相手が悪かったと言うべきか、アンデッドセイリュウには沼は効果がなかったようだ。


「さて、あなた達は何処まで耐えられるかしら?」


『グオオオオ!』


「うわああ!?沼の水が!?」


「私達に…きゃあ!?」


逆に沼の水を操って濁流のようにルアーネ達は逃げる間もなくほぼ全員が呑み込まれてしまう。


「皆!?」


「あなたはそのゴッドプレシャスのお陰で濁流から免れたようね。でも、このままだと仲間が溺れちゃうわよ?」


ファントムハートを持つミエナだけは濁流に呑み込まれなかったが、仲間達がアンデッドセイリュウの操る濁流の中で苦しそうに溺れている以上は人質を取られたも同然だった。


「…分かったわ」


「良い子ね。クウコ」


苦しんでいる仲間を助けるためにもミエナは両手を上げる。おまけにアーマービキニや衣服を身に着けていない生まれたままの姿なため、文字通り無防備で丸腰の状態であったためクウコに抑えさせようとする。


「…なーんてね!たあっ!」


「うわっ!?」


両手を掴もうとした矢先、ミエナはクウコを押し倒すように飛び掛かる。だが、ぶつかると思われた彼女の身体は霊体化しているためか、クウコの身体に重なるように消滅する。


「があっ!?かはっ…何だ…!?」


「どうしたの!」


直後にクウコはビクッビクッと痙攣(けいれん)を始め、様子がおかしくなったことにアルノも何事かと目を丸くする。


「確かこうして…ふうっ!」


突然落ち着きを取り戻したかと思えば、棒を突き出して持ち手に息を吹きかけると冷気が濁流を凍らせる。


「何をしてるの」


「助けてるの…よ!」


何が起きているか分からず困惑するアルノを他所にクウコは凍った濁流を棒で殴ってかち割る。


「ぶはっ!どうなってんだこれは!?」


「何故にこやつが(わし)らを助けるのじゃ?」


氷から脱出したレイラ達は息を目いっぱいに吸い込むも、何故敵であるはずのクウコが助けてくれたのか訳が分からなかった。


「この子は私のファントムハートで取り憑いて乗っ取ってやったわ!」


「まさか姿はクウコだけどミエナなのかい?」


よく分からないがミエナがゴッドプレシャスの霊体化の力でクウコに取り憑いてメイナス達を助けたようだ。


「ファントムハートは私をオバケと同じ体質にするの。だから透明になったり物体をすり抜けるだけでなく相手に取り憑くことも出来るのよ」


確かに霊体化と言えば肉体をオバケのように物体をすり抜けたり透明になったりすることだ。それに加えてオバケと同じく相手に取り憑くこともファントムハートには出来るようだった。


「取って置きだったから皆にも言ってなかったのよ」


「でかしたよミエナ!これなら相手の戦力を削れるよ」


奥の手を使ったことでアルノの裏を掻き、クウコを無力化させることに成功した。


「でも取り憑いたは良いけど、この子スゴい力してる抑えるが精一杯だよ。そんなに動けないかも…」


クウコの無力化には成功したが同時にミエナも動けなくなったようだ。取り憑くにも相手の力量次第らしく、クウコの力が強過ぎるために動きを封じるだけでもいっぱいいっぱいのようだ。


「いや、それでもこの功績は大きいよ。問題はこれまでの方法では倒せなくなったアンデッドをなんとかしないと」


アンデッドの攻略方法として動けなくさせる手段があったが、もはや小手先の方法では止められないため別の方法を考える必要があった。


「そう言えばあの時はどうやって…あ、もしかして」


アメジスは同じアンデッドとの戦いが連続して起きたアンロスの街ではどうやって切り抜けたか考えているとあることを思い出した。


「どうしたんだい?」


「もしかしたら、取り込まれたスザクちゃんが攻略の鍵になるかも」


アンデッドの攻略方法が動けなくさせる以外にも他にあり、その鍵がスザクにあるとアメジスは確信するのだった。

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