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ドMな少女の逆襲はドSで過激

「う…ん…?ここは…?」


「何処かの城の地下みたいだね。」


アメジスとメイナスは目を覚ますと石造りの部屋の中にいて、一見すると何処かの城の地下室かのようだった。


「やあやあ、よく来たね。」


「…!ルアーネちゃん…浮いてる…?」


何故ここへ来たのかは分からないが原因はルアーネが何かしらの力と共に本を開いたからだろう。


そんなルアーネはしてやったりな顔で二人の目の前でフワフワと寝そべるように浮いていたのだ。


「ここは何処なんだい!君の目的は何なんだい!?」


「ここへ来た時点で君達には質問をする権利はないんだよぉ?」


地下室と言っても何処の地下室か分からないためメイナスは問い詰めようとするもルアーネは教える気はなかった。


「何を勝手なことを!」


「まあ、何処かって言うなら…彼女のことを調べる部屋って言ったらどうかな?」


「彼女…あ、スザクちゃんは!?」


反論する中でルアーネの発言で一緒に吸い込まれたはずのスザクがいないことに気が付いた。


「彼女なら…ここだよ!」


「ふむぐっ…♡ふうっ…♡」


スザクは目隠しと猿轡(さるぐつわ)をされた状態で逆さ吊りにされていた。


普通なら頭に血が昇ってることもだが、動けない・見えない・喋れないことも含めてかなり苦痛になるはずだが、スザクは快感が頭まで一気に押し寄せて吊るされながらモジモジしていた。


「スザクちゃんに何するの!氷魔法『アイス』・エッジ!」


「んぐっ♡」


氷の刃を飛ばして彼女を縛るロープを切り裂くも、スザクは頭から地面に落ちてしまうも苦痛からなる快感でビクンとなる。


「ぷはっ…ここは何処なんだ?」


「よく分からないけど、ルアーネちゃんが何処かに連れて来たみたい。」


目隠しを取ると周りが図書館ではないことにスザクは首を傾げていたが、アメジス達も質問に答えることは出来なかった。


「ふふふっ、君のことを知りたくてここへ案内したんだ。」 


好奇心が強いルアーネはスザクのことを知りたいと思っているためにここへと連れて来たのだ。


「あたしか?あたしのことを知ってどうすんだよ?」


「知りたくて当然さ。だって君は人間である以前にフェニックスであり、フェニックスの持つ不老不死のゴッドプレシャスを持っているじゃないか。」


スザクは自分のことをどうして知りたいのかと訊ねると、彼女の一番の秘密をズバリ言い当てたのだった。


「やっぱりルアーネちゃん…スザクちゃんのことを…。」


「あれ?何であたしがフェニックスだってこと知ってるんだ?」 


何かの間違いであって欲しかったがズバリ言い当てた上にスザクがあっさりとバラしてしまう。


「そりゃあ君は何度も死ぬような状況でも奇跡の生還を果たしていたし、炎と共に再生すると同時にフェニックスを彷彿とさせるマナミナの放出…間違いないでしょ?」


更に言い訳や言い逃れが出来ないように確たる証拠を突きつけられ二人は弁明の仕様がなかった。


「君の目的は何だ。仮にスザクがフェニックスだったのならどうしようってんだい?」


「どうすると…思う?」


小悪魔の笑みを浮かべていたルアーネだったが、メイナスの質問に彼女はまるで悪魔のような人の心を見透かし、弄ぶかのような恐ろしげな笑みを浮かべていた。


「とにかくボクはスザクちゃんのことを身体の隅々まで調べたいんだぁ♪」


「か…身体の隅々まで…!?」


「って、何を想像したんだい?」


ルアーネの誤解を招くような言い方もだが、ピンクな想像をしたアメジスは鼻血を出してしまう。


「そんなことはさせない!僕達をここから出して貰うよ!」


「そ…そうだよ…!スザクちゃん、早く行こう!」


「えぇ〜?でも、気持ち良いことしてくれるって…。」


「スザクちゃん!」


鼻血を拭いて脱出しようとアメジスは呼び掛けるも、スザクはいつもの調子でルアーネからの責め苦を喜んで受け入れようとするため大声で怒鳴る。


「Bランクとは聞いているけど、僕らだってCランクなんだ。三人でやればきっと…。」


「ふふふっ…Cランク?確かに心理的に考えて、優劣には大差ないかもしれないと思うけど…ランクが一つ変わるだけでもその差は大きいよ!」


その瞬間にルアーネは全身からマナミナを放出し戦う気満々だった。


「自然魔法『プラント』!」


ルアーネの足元から植物が発芽したと思ったら、一気に成長し枝や根が四方八方に伸びてくる。


「植物を操る魔法…!?」


「ふふふっ…初めて見るかい?」


これまでにも水や風などのエレメントは多く見てきたが、ルアーネの扱うエレメントは植物や草木を扱う『自然』のエレメントだった。


初めて見るエレメントに驚く間もなくルアーネの植物の枝や(つる)や根が三人に向かって伸びてくる。


「こ…氷魔法…ひゃっ!?」


「速い!?」


負けじと魔法を放とうとするが植物の成長速度が速く、伸びてくる枝や蔓は三人捕らえようと四方八方に伸びて拷問部屋を緑化していく勢いだった。


「それにこのエレメントは…。」


「気が付いたかい?数あるエレメントの中でも『自然』は()()()()…つまりは形のない他のエレメントと違って、形のイメージが不要な上にコントロールも容易い!」


火や水は形がないためイメージをすることで使えるのだが、自然のエレメントは他のエレメントと違い植物による攻撃が出来るのだ。


それは形をイメージする過程を必要とせず呪文を唱えるだけで使用出来るため、発動までの時間が速い上に植物を手足のように扱えるため操作性も高いのだ。


「でも、木なんて燃やせば!ほっ!!」


教会にいた時も炊き出しで薪を火に焚べていたことを覚えていたスザクは、同じ木なら燃やせば良いと炎を出して焼き払い黒焦げにする。


「確かに自然のエレメントは火には弱い…けど!」


ところが焼き払われた木々は黒く焦げた部分から青々とした芽が発芽したかと思えば、再びそこから枝が伸びていき元通りになっていく。


「どう言うこと?自然のエレメントには火のエレメントが有利なはず…だから、燃えて灰になるだけなんじゃ…。」


「あれ?」


普通の自然のエレメントならば炎を受けた途端に燃えて灰になるだけで終わるのだが、まさかそこからすぐに再生するとは思わなかった。


「スザクちゃんのフェニックスの再生の炎で蘇らせた…と思ってる?」


再びルアーネはスザクがフェニックスだと言い、しかも再生の炎が出せることやその効果まで熟知していること、何よりも考えていることをズバリ言い当てられドキリとなる。


「けど、それは違うよ。あまり知られてないけど自然のエレメントは他のエレメントと違うのは持続力さ。」


「持続力?」


「例え焼け野原になっても植物はそこから再び蘇ってくる!自然のエレメントも術者のマナミナや日光や水を受けて何度でも蘇ってくる!しかも術者の手を離れても植物は存在し続けるのさ!」


自然のエレメントが他のエレメントと違う所は火に水を掛けるみたいに、簡単に消滅したり相殺されることが少ないことだ。


その場で焼き払ったり刈り払ったとしてもやがて元通りに再生し、時としては術者の手を離れたとしても植物は独立して成長する程の持続力…と言うよりも生命力を誇っている。


「し・か・も…それ!」


「わはっ!?」


「スザクちゃん!?」


植物が伸びて呆然とするスザクの身体に絡みついてくる。


「こんなのまた燃やせば…!」


「ふふふっ、それはどうかな!」


「ふあっ…!?な…何だか…くすぐったいような…♡力が抜けるようなぁ…♡」


もう一度炎で焼き払おうとするが、絡みついた植物がスザクの身体に根を張り巡らせる。その途端に彼女は痺れるような強い脱力感に襲われ、抵抗する力を奪われていく。


「フェニックスのマナミナ…文字通り根こそぎ頂くよ!」


「まさかスザクのマナミナを植物の根から吸収してるのか!?」


「そうさ!自然のエレメントは再生力・持続力があるだけじゃない!相手を拘束し根付き!そこから栄養やマナミナを根こそぎ吸い取り!更に猛々しく成長する!」


ただ単に持続力だけが自然のエレメントの強みではない。宿り木のように相手に絡み付いて拘束し、更にそこから根付いてエネルギーを搾り取り成長する植物由来の生命力こそが真の強さであった。


「ふああぁぁ…♡や…止めぇ…力が…抜けるぅ…♡」


「ほらほら、逃げないとどんどん吸い取って、拘束している植物が大きくなっちゃうよ〜?って、言ってもこんなに大きな花を咲かせる程マナミナを吸い取られちゃったからねぇ〜♡」


植物の根はスザクからドクドクとマナミナを根こそぎ吸い取り、ゴクゴクとスザクのマナミナを吸収して成長して花を咲かせる。


「ふふふっ…そんなこと言いながら恍惚とした顔を浮かべてるじゃないか♪」


「あううっ…♡止めぇ…♡ふあああ…♡」


更にルアーネは敢えて抵抗する力を吸い取られた身体を弄ぶように植物を動かしスザクに喘ぎ声を出させる。


「おっと!君達は特別ゲストとして見学して貰うよ!」


「きゃあ!?スザクちゃん!?」


植物はメイナスとアメジスもあっという間に捕らえ、スザクと同じくマナミナを全て吸い尽くしてしまう。


「さてと…そろそろボクらも始めようか。」


「何をだよぉ…♡」


「ふふふっ…君の期待通りさ。まずはこれだよ!」


アメジス達を植物で拘束した後にルアーネは牛の像のような物を植物で引き寄せる。


「あれはファラリスの雄牛!?」


「何なのそれ?見たところ牛の像にしか見えないけど…。」


拷問部屋と言うだけあってどうやら単なる牛の像ではないらしく、メイナスはそれがファラリスの雄牛なる物だと言い当てる。


「あの中に人間を入れて生きたまま焼いてしまう拷問器具なんだ!?」


「ええっ!?人間を生きたまま…!?」


やはり拷問に使われる道具なのだろうから血生臭い歴史があるのだろうかと思っていたが、人間を生きたまま丸焼きにするだなんて想像以上に凄惨であった。


「でもそれってただの処刑なんじゃ…。」


「確かに拷問にも使われるけど、口を割らないのならそのまま処刑に使われていたんだ。」


拷問とは相手を痛めつけ苦痛を与えることで相手から情報を聞き出す手段のことだ。


殺した人間からは情報は聞き出せないため、殺すようなことは基本的にしないが場合によって殺すことも(いと)わないこともあるようだ。


「にしても本気でそれを使う気かい!一応僕達はクラスメイトだろ!」


そんな惨い拷問をスザクにするのかとメイナスは抗議しようとするが口が蔦で塞がれてしまう。


「彼女はフェニックスなんでしょ?だから殺しても死なないはずだよ?」


「だからってこんなのおかしいよ!」


確かにフェニックスであるためまず死ぬことはないが、だからと言って平気で痛めつけていいはずがない。


しかしスザクを助けるためにルアーネを思い留まらせようと呼びかけていたがアメジスは墓穴を掘ってしまっていた。


「そこは『フェニックスじゃない』って否定しないんだ〜?」


「っ!」


スザクがフェニックスではないならそう言うはずなのに、否定せずに擁護するような言い方をしてしまったことでよりフェニックスであると確信を持たせてしまう。


「まあ、それはこれから分かるはずだよ。まずはフェニックスが拷問の炎にも耐えられるかどうかだね。」


どっちにしてもフェニックスであるかどうかは拷問して口を割らせるか、本当に死なないかどうかで見極めるつもりだった。


「はあ…はあ…よく分からないけどぉ…♡早くしてぇ…♡」


「…彼女も彼女で待ち望んでいるようだし始めようか。」


植物に力を奪われボーッとしていたスザクには話が長くて分からなかったが、本能的に自身の欲求を満たしてくれると理解し動かせない艷やかで色っぽい身体をクネクネさせながら待ち望んでいた。


「まずは逃げないようにキツく縛らせて貰うよ。」


「はうあ…♡あたしの身体に…ギュウギュウと食い込んでくるぅ…♡」


蔦がスザクの靭やかな四肢をより動かないようにし、柔らかな胸や魅惑的なボディラインを更に絞るかのように締め上げてくる。


「後はこの中に入れて…火魔法『ファイア』!」


「スザクちゃん!?」


ファラリスの雄牛の中に縛ったスザクを放り込んで火魔法で点火し火炙りにしていく。


「止めて!?スザクちゃんはフェニックスじゃないから死んじゃうよ!?」


「そんな嘘を言っても無駄だよ。君のさっきの発言、蔦から伝わってくる脈拍で嘘を言ってないことは丸分かりだよ。」


バレることもだがやはりこんなのは間違ってるとフェニックスじゃないと訴えるもルアーネには全てお見通しだった。


「このファラリスの雄牛は鉄で出来てるんだ。だから火で炙られると周りが熱くなり、中にいる人は皮膚が焼かれて中で貼り付いてしまうんだ。」


中で何が起きているかルアーネは二人に生々しい説明を始める。それを聞いて二人はゾッとなる。


「それだけじゃなく炎で中の空気がなくなり窒息しかけるんだ。呼吸をするために中にいる人は中にあるパイプから空気を吸い込もうとするんだけど、その時の音が本物の牛の雄叫びのように聞こえるんだ♪」


「いや…いやああ!?聞きたくない!?」


拷問でどんな風に苦痛が与えられるかなんて、あまり聞きたく内容なのにルアーネに淡々と説明されアメジスは泣き出してしまう。


「あああっ…♡あたしの皮膚が焼けるぅ…♡息もする度に身体が火照る…♡身体の芯まで熱を通すようにジワジワと焼かれるぅ…♡」


常人ならば皮膚が焼き付き、呼吸はおろか肺が燃えるような熱に苦しむ。そう説明されアメジスが泣き出す中でスザクは熱せられ快感で蕩けた笑みを浮かべていた。


「あれ?おかしいな…もう聞こえてもいい頃なのに…。」


「スザクちゃん…。」


「まさか本当にフェニックスじゃない?…いいや、そんなはずは…。」


いつまでも音が聞こえないことにルアーネは自分の見立てが間違っていたのではと多少疑念を持ち始める。


「…何このジュウジュウって音は?」


しかし一応の変化は起きていた。牛の雄叫びではないが何かが溶けるような音が聞こえてくる。


「ああああん♡」


「うわっ!?ファラリスの雄牛が…溶けた!?」


なんと火を使った拷問器具なため火魔法や爆炎魔法でも簡単には溶けないはずなのに、スザクの喘ぎ声と共にファラリスの雄牛は鉄板の上のチーズのように溶けてしまったのだ。


「あうん…♡溶けた鉄があたしの身体をジリジリと…♡」


「溶けた鉄を身体に塗り込んでも気持ち良さそうにしてるなんて…。」


溶けたファラリスの雄牛はドロドロの鉄になってしまい、当然高温であるにも関わらずスザクは泥パックでもするかのように色っぽく身体を擦り付けていた。


「やっぱりスザクちゃんは…。」


結果は見えていたがスザクが自力でファラリスの雄牛から出てきて溶けた熱々の鉄を浴びている様にアメジスもホッとする。


「ま…まあ、これはほんの小手調べさ。火の鳥であるフェニックスにこれくらいの炎はなんて事ないさ!次はこれだよ!」


「今度は棺桶…?にしては女の子みたいな形してるけど…。」


気を取り直してルアーネは別の拷問器具を持ち出すが、その外見は丸みを帯びた少女のようだった。


「棺桶…それは当たっているかもね。」


「ひえっ!?何で中に鋭い針が…!?」


胴体の部分は観音開きになっており、開くと中には鋭い針が無数に仕込まれており針山地獄のようだった。


「これはアイアンメイデンって言ってね。閉じると身体に無数の針が刺さり蜂の巣になること請け合いさ!」


「無数の針が刺さる…?へぇ〜…♡」


今度はアイアンメイデンで責めるらしく、スザクもそれを聞いて恍惚とした表情を浮かべる。


「さあ、今度はどうかな?」


「あひぃん♡既に針があたしの身体にぃ…♡」


アイアンメイデンの中は四方八方を鋭い針が取り囲んでいるため、放り込まれるだけで背中に針が突き刺さりスザクは快感による悲鳴を挙げる。


「ふふふっ…幾らフェニックスでも迫りくる死への恐怖はあるのかな?」


「あ…ああ…ああああ…♡」


ゆっくりとアイアンメイデンの扉が閉じられていく。鋭い針が並んだ扉が迫ってくる恐怖に普通なら気がおかしくなるが、スザクからすれば激痛による快楽を焦らされ気がおかしくなりそうだった。


「いぎゃああああん♡」


「スザクちゃん!?」


遂に扉が完全に閉じられ、スザクの全身に鋭い針が余すことなく刺さり悲鳴が聞こえてくる。


「ふふふっ…恐怖と苦痛の絶頂は耐え難いものさ。フェニックスでもそれは変わらないようだね。」


「…でも、スザクちゃんの場合は…。」


その悲鳴を聞いたルアーネは飄々(ひょうひょう)とした様子で得意気になるが、アメジスとメイナスはスザクがこれで終わるとは思えなかった。


「ああああ…♡あたしの身体が…鋭い針で滅多刺しになってるぅ…♡」


案の定アイアンメイデン内ではスザクが串刺しになっているも、針治療を受けているかのように快感を得るスザク。


「はうん…♡身体の中を針がクチュクチュしてぇ…♡気持ち良い…♡」


ルアーネの言う通り耐え難い絶頂を受けていたのは間違いないが、彼女の場合は苦痛も恐怖も快感への起爆剤に過ぎなかった。


「…けどぉ…♡」


気持ち良いことは気持ち良いため炎を出すものの、次第に表情がスンと真顔になり始めていく。


「うっ…これも…!?」


「あう…♡」


アイアンメイデンですらスザクの炎によって溶かされ、彼女は針によって空いた身体の穴を再生の炎によって治癒し、その身体を溶けたアイアンメイデンをに塗り込むように擦り付けていた。


「しかしあれだけの針を全身に受けて傷跡が一つもない…それどころか出血した様子もない…やはり君はフェニックスの力を継承しているようだね!」


「くふっ…♡あん…♡くすぐったい…♡」


アイアンメイデンで蜂の巣だらけになったと思ったスザクの全身を植物で(まさぐ)って調べるも傷は一切見受けらなかったことで、ルアーネはスザクがフェニックスである確たる証拠を刮目したのだった。


「これで満足したでしょ?何が目的なの?」


「これまでのことでスザクがフェニックスかもしれないと言う証言はもちろん、ここ二百年から百年の間にフェニックスのマナミナが消失したたのが気になってたからね。」


もはや隠し通せないと判断してルアーネに何が目的なのかと聞いてみると、彼女らしいとでも言うべきか単なる好奇心だと告げられる。


「…何でフェニックスのマナミナが消えたってことが分かったの?」


「それは教えられないなぁ。」


「まさかドラグングニル帝国の人なの?」


「え?何でそうなるの?」


フェニックスが姿を消したことを知っているのは、その恩恵にあやかっていたアメジスと故郷のミスティーユの人々や、フェニックスを手にするためにそれらの事情に詳しかったドラグングニル帝国の人間達だ。


そのためアメジスはドラグングニル帝国の人間なのではと突き詰めるが、ルアーネは教えなかったとは言え思わぬ返答に唖然となる。


「まあ、良いや。もっと君のことを隅々まで調べさせて貰うよ〜!」


今度は水がいっぱい入った浴槽のような桶が用意され、スザクは植物にマナミナを吸われながら上部へと吊り上げられる。


「火の鳥とされるフェニックス…水の中でも果たしてどうなるかどうか…!?」


「本気でそんなことをするの…!?」


「不死鳥なんだから死ぬ訳じゃないさ!」


今度は火の鳥からすれば残酷とも言える水責めをする気だった。水の中でも不死身でいられるのかどうかを確かめるつもりのようだ。


「ぐぶっ♡ごぼぼぼっ…♡」


「さあ、水の中じゃどうなるかな?」


植物を動かし吊し上げたスザクを桶の中の水の中に落とす。


「もう分かったでしょ!止めてよ!?」


「いいや、まだまだだよ!さあ、骨の髄まで沈めてあげるよ!」


アメジスが止めるのも聞かずにルアーネは植物を動かして、スザクを水の中から出したかと思えばすぐさま水の中に落とすの繰り返しをする。


「ぶはっ♡はぶっ…♡ふむぐあっ…♡はあ…はあ…♡」


「苦しいかい?」


「はあ…はあ…気持ち良い…♡」


何度も繰り返し水の中に上げて落とすを繰り返し、様子を見てみるもスザクは苦しむどころか気持ち良さそうにしていた。


「へぇ〜?これでもかい?雷魔法『サンダー』・スティンガー!」


「ひぎあっ♡あががががっ♡」


水は電気を通しやすいのに、なんとずぶ濡れになったスザクの体に雷魔法を流して感電させたのだ。


常人であればこんなことをされればすぐさま口を割るだろうが、スザクは水責めの後の電撃責めを受けたことで快感のあまりだらしなく口を開けて涎を垂れ流しにしてしまっていた。


「はあ…あひぃ…♡」


「う〜ん…結構なダメージは入ったはずだけど、これからじゃフェニックスの力は発動しないか…出来れば目の前で見たいけど…。」


出来ることなら目の前でフェニックスの一番の特徴である再生の炎を使っている所を見たいのだが、この責め方では見れないことに不満そうになる。


「それなら状態異常はどうなるかな?氷魔法『フリーズ』・ウェーブ!」


「はひっ♡」


それなら状態異常にさせようとルアーネは氷魔法で蕩けたままのスザクの身体を氷漬けにする。


「さあ…今度はどうなるかなぁ?」


今度こそフェニックスの力を見られるのではと氷漬けになったスザクをマジマジと観察する。


(あたしの身体が…♡氷でカチコチにぃ…♡ああ…♡身体の芯まで冷えきっちゃう…♡)


対するスザクは氷漬けになったと言うのに氷の中で快感で溶けそうになっていた。しかも骨の髄まで凍りついたはずなのに、冷えるどころか徐々に火照り始める。


「気持ち良いいいぃぃぃ♡」


「おおっ!これだよこれ!これがフェニックスの再生の炎!」


スザクは絶頂して炎を放出し自ら氷を跳ね除ける。念願の炎が見れたことにルアーネも大喜びだった。


「これで気は済んだの?」


「まだだよ…次は…。」


これだけやっても飽き足らずルアーネは再び何かしらの拷問をしようとする。


「気持ち良い…♡けど…もう何か飽きたなぁ。」


「は?植物は…?」


「植物?ああ、それなら焼き払ったぞ?」


快感の余韻に浸っていたスザクだがもう満足と言った様子でルアーネの植物を燃やしてしまっていた。


「それに…再生の炎があるからって君のマナミナと体力は空っぽになるまで吸ったはず…!?だから一応の限界はあるんじゃ…!?」


「ん?そうなのか?」


これまでのことを考えれば回復や再生する力は体力とは別の話であり、そうするための体力がなければそう簡単には回復した再生したり出来ないため一応の限界はあるはずだ。


「それに再生や回復をすると言っても、それは苦痛を受け続けることになる…あれだけの拷問で何故平気でいられるんだい…!?」


「君はこれまでのことを見てて気付いていないのかい?」


植物を焼き払ってくれたためにメイナスもアメジスも既に自由になっていた。その中でメイナスはルアーネの疑問に答えるように口を開く。


「スザクは根っからのドMな性格…これまでの拷問は彼女に取っては快感を与える手段でしかないのさ。だからダメージだなんて思ってもいないさ。」


「なっ…だったら体力は…?根こそぎ吸い取ったのに…?」


拷問を受けも平然としていられるのはドMな性格だからだと少し考えれば分かるが、それでも体力を奪ったのに何故立っていられるのか分からなかった。


「推察したようにスザクはフェニックスの再生の炎が使える。」


「でもそれなら回復するのは傷やケガだけなんじゃ…。」


「そうかもしれないね。けど、相手は幻の鳥『フェニックス』だよ。」


メイナスも包み隠さずスザクがフェニックスであることを打ち明け、ルアーネに改めて伝説の鳥であるフェニックスが相手であると再確認させる。


「君の言う通りまだ未知の部分があるし、何を持って再生するか分からないのなら、再生の炎を使って既に体力を全回復していたとしても不思議じゃないさ。」


「あ…。」


言われてみると()()()()であるため、フェニックスの再生の炎の可能性は未知数だ。傷やケガを治癒するだけでなく、その度に体力も回復していたはずだ。


「その気になれば君の拘束なんて振り払っていたはずだよ。」


「そんな…体力を奪って捕らえれば勝てるはずだったのに…攻撃してもダメージにならないどころか体力まで回復されたら勝ち目がないじゃないか…。」


自分の知略ならばスザクを抑え込み好奇心のままに隅々まで調べられると思っていたが、Sランクの伝説の鳥たるフェニックスの実力とスザクと言う少女のドMな性格の前ではお遊びも同然だった。


「そんなんじゃあたしは満足しないなぁ。」


「は?な…何だいこれは…!?」


フェニックスのSランクとしての強さを再認識し、スザクの前ではどんな責めも逆効果であったことに絶望してると、そのスザクによって手足を鎖で拘束されてしまう。


「何をするんだい!?」


「何って…ルアーネの責め方が何か下手なんだよなぁ…。」


何を言い出すかと思えばスザクはルアーネの責め方、つまり拷問が(つたな)いと指摘してきたのだ。


「それがどうしたって言うんだい…。」


「あたしなら…こうする!」


「ひぎいっ!?」


不意にスザクは自身の炎の翼の羽根を(むし)って大きくしたと思ったら、勢いよく振り下ろしてルアーネのお尻を叩くのだった。


「もっと激しく…こう!こう!!」


「はがっ!?ひいっ!?」


大きくした羽根で何度もルアーネのお尻をお仕置きのように容赦なく力強く叩くスザク。ルアーネは炎の羽根で叩かれ高熱でお灸を据えられるような熱さと痛みで涙目になり悲鳴を挙げる。


「スザクちゃん…何を…!?」


「あたしだったらもっと激しくやるのに…さっきから手緩くて飽きちゃったんだよ。そしたらあたしだったら、こうやって責められたいって…えへへ…♡」


「スザク…今の君はとってもヤバいよ…!?」


いつもなら逆の立場にいるはずのスザクが今や拷問していたルアーネをお仕置きするなんて逆襲と言っても良いだろう。


しかしスザクは自分ならこう責められたいと恍惚とした表情でやっており、端から見ると更にヤバそうに見えた。


「ぐうっ…屈辱だ…ボクがこんな…早くボクを解放してくれ…!?」


「……。」


お尻を擦りたくとも鎖で拘束されて動けないルアーネを見たアメジスはふと悪い顔をする。


「ふむぐっ…!?」


「アメジス…?」


アメジスはルアーネの口を猿轡で塞ぎ声が出せないようにした。これにはメイナスも何がしたいのか分からないと唖然としていた。


「スザクちゃ〜ん、ルアーネちゃんはスザクちゃんに気持ち良いことをしたかったんだけどやり方が分からなかったんだって。」


「そうなのか?」


「そうだよ。だから今後こんなことがないように思う存分…ルアーネちゃんの身体に教え込んであけだら〜?」


「〜!?」


ルアーネが猿轡で喋れないのを良いことにアメジスはスザクにルアーネを痛めつけさせ、遠回しにお仕置きするように仕向けたのだ。


「そうか…それならあたしだったらぁ…♡こうして欲しい♡もっと…こんな感じにぃ!♡」


「〜〜!?」


恍惚とした表情をしながらスザクはルアーネのお尻を炎の羽根で再度叩き始めた。口が塞がっているためルアーネは声を出すことも出来ない。


(ぐっ…ボクがこんな…辱めを…。)


「ルアーネちゃ〜ん…?安心して。」


痛みと屈辱を受けてルアーネは堪えていたが、不意にアメジスが囁いて来た。


「スザクちゃんのフェニックスの力なら…ルアーネちゃんのお尻が幾らダメージを受けてもすぐに再生するよ?」


「…!?」


いつしか終わるかと思ったていたがアメジスのその言葉で永遠に終わる気がしないと思い始めてきた。


「良かったねぇ?これでフェニックスの再生の炎をじっくりと()()()()よ?それも永遠に嫌と言う程にねぇ…?」


「〜〜〜!?」


穏やかそうなアメジスがまるで魔王を彷彿とさせるような邪悪でそれでいて威圧的で迫力のある台詞を囁くために、ルアーネは終わらぬお仕置きの恐怖に「もうイヤだ」と言わんばかりに首を振っていた。


「それじゃあ…もっと責めるぞ〜♡」


「〜〜〜〜!?」


炎の羽根で叩き、時として羽根を針のように突き刺し、時として羽根で身体を優しくコチョコチョしたりとルアーネの身体に自身の受けたい攻撃をこれでもかと刻み込み弄ぶスザク。


ルアーネは「もう止めて」と叫びたかったがそれは叶わずくぐもった声が拷問部屋に響き渡るのだが、次第にルアーネのうめき声は何処か色っぽくなり顔も蕩けた顔になっていくのだった…。

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