6.お風呂がない
夕食のタイミングで食堂に来ていたロベールさんに聞くと、やはり風呂場は大浴場があるだけだった
周囲を見渡せば、男、男、男。
「ロベールさん、ここのお風呂は男女別ですか?」
「は? 何言ってんだよ男しかいないのに」
1日目にして衝撃の事実が発覚した。
なんとここは男子寮だったのだ。
混乱したままなんとか夕食を口に運び、何故こんな事になったか考えた。
──騎士団本部にはちゃんと履歴書に性別女で出している。そんなところ間違えるはずがない。
洋服は大きめの魔法団ローブを着ていたから気づかなかったとか?
いや、腰まである髪を下ろしているし、仮面をつけているとはいえ、私の顔を男と見間違えるなんてあり得……
ちょっと待って。まさか、仮面……仮面のせい?
お祖母様は「念入りに術を施したから」と言っていた。
もしや念入りにし過ぎて、性別まで印象を変えたということ?
ということは仮面を外して真実を話し女子寮に異動するか、目に魅入られるリスクを無くすためこのまま仮面の力で周囲に男だと思わせ男子寮に居続けるか、2つにひとつだ。
どうしようか。
仮面をつけたままだと私は男だと思われるからこのままの状態では女子寮にはいけない。
困った。
いや、落ち着け。
一番重視すべきは誰も傷つけないことだ。
出来るだけ穏便にやり過ごしたい。
任期は1年。きっとなんとかなる。
食事を終えると、私の心は決まった。
再びロベールさんを掴まえ、敷地内で、個室で入れるシャワー室のありかを私は聞いた。




