23.討伐遠征3
任務は順調に進み、香の配置後結界を張り、合図で遠隔操作で着火した。
森が紫色の煙に包まれ1時間後、私が結界を解除するとあっという間に煙は霧散した。
「では森の中に入って状況を確認する。いくぞ!!」
少佐の合図で森の中に入った私達は、まだ香りが色濃く残る木々を抜けて、水場に近いエリアまで進む。
少しの恐れを抱いたまま、一歩一歩踏み込むたびに下に向けがちな顔を上げ無理矢理前を見るようにした。
中央を歩く少佐と離れ、私はロベール先輩と後方を歩き、いつでも魔法を発動出来るよう準備をしていた。
「凄え……」
水場近くはまあまあグロテスクな有様だった。
大量のムスティークがひっくり返って転がっておりまだピクピクと動いているものもある。
「ひえ……これはちょっとしんどいかも……」
「ノア君危ない!」
ザシュ……っ!
真上から落ちて来たムスティークを間一髪でロベール先輩が切り倒してくれた。
真っ二つになったムスティークを見ながら、私は怖くて、思わずその場を尻餅をついた。
「ノア君、しっかり!」
「は、はい……!」
周囲を見ると数匹生き残っていたムスティークと団員達が戦っていた。
一瞬、木々の間から少佐がこちらを見ていた気がしたが、直ぐに皆に戦闘の指示を出し辺りは緊張感に包まれた。
出されたロベール先輩の手を掴みなんとか立とうとして、ガクガクと足が震える。
「肩、貸すよ。頑張れノア君」
「……すみません。頑張ります……!」
ロベール先輩に掴まり、私は何とか歩き出した。
団員全員で死んだムスティークを土に埋め、私はウンディーネを召喚し、辺りの水場を浄化してから全員でベースキャンプに戻った。




