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22.討伐遠征2

 遠征当日は、少しだけ気温が下がりいつもより湿気が少なかった。


 王都から北東にある森に向かって、私達は転移門を使い近くの町まで移動した。


 私みたいな魔法使いは、たいてい一人で現地まで転移出来る。

 だが、普通は礼儀として他人の敷地内にいきなり転移はせず、近くの道路まで転移し、相手の元に向かう。


 今回は森に向かうのでいきなり現地に直行も出来るが、これだけの大人数なので転移設備のある大きめの町に行ってから、徒歩か馬で向かう事になる。


 私達は朝イチで王都を出発し、昼前に現地の森に到着した。


 直ぐに森前にある草原にベースキャンプが張られ、昼食の後、私達はフル装備で森に入った。


 今日討伐対象にあがっているのは大型の蚊の魔物ムスティークである。

 春先にも魔法騎士団で一度卵を駆除しに来ていたのだが、夏になると思いの外増えて毎年討伐をしなくてはいけなくなるのだそうだ。


「まずは森の所定の位置にムスティークを殺す香を配置する。ノアが森全体を囲う結界を造り、合図と共に着火し1時間後に結界解除だ。終わり次第森の中に入って状態確認を行う。総員、準備を!」

「サー、イエッサー!」


 少佐の号令のもと、各自役割をこなしていく。

 私は皆がスムーズに任務をこなせるよう、森の中央や反対側へ香の配置をする団員を転移術で連れていき、配置後ベースキャンプへ戻るという役割を自ら買って出た。

 この方が短時間で任務をこなせる。


 戦闘につく訳ではないので、少佐には取り敢えず納得してもらったが移動する団員と転移術を発動するため抱き合う形になると、急に血相変えてこちらにやってきた。


「そんな抱き合う必要性ありますか?」

「え。だって触れてないと連れていけませんよ?」

「手を……いや、マシュー君はノアの指だけ掴みなさい。指一本だけですよ?」


 指一本しか触っちゃいけない転移術など聞いたことがない。


「少佐。早く終わらせますから、邪魔しないでください」

「……じゃ……邪魔?!」


 横槍が煩いので、最低限ということで、転移術で連れて行く者は身体をロープで繋ぎ、手を繋ぐことにした。

 転移術は万が一移動中に術者と離れた場合、とんでもない場所に飛ばされてしまうので、本当はロープでくくりがっちり抱き合う形がベストなのだ。


 マシュー先輩やロベール先輩を含め、20人程を転移術で森に連れていき、香を配置したあとベースキャンプに戻ると、少佐は冷え切った顔で微笑っていた。


「ノア……あとで話があります。覚えておきなさい」

「ひっ……」


 氷河期みたいな笑顔だった。


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