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 施設を出たリドゥは太陽のあまりの眩しさに目を細めた。修理を受けているあいだにすっかり夜が明けてしまっていた。ようやく光に目が慣れたころ、リドゥははじめて義捐都市の町並みを見た。その壮麗さにリドゥはつい足を止めて見とれてしまった。広い通りの左右に立ち並ぶ背の高い建物はみな白く輝いて、外壁にはひび割れひとつない。窓硝子は陽光を反射してキラキラとまばゆい。地面は車道と歩道にきっちり分けられており、間に立ち並ぶ街路樹は緑豊かな葉をつけ、しかも剪定されている。道をゆく車に乱暴な走行をしているものは一台としてなく、秩序だった流れがいっさいの淀みなく成立している。その様は純粋に美しかった。

 道行く人々は町並みとは対照的にみな不機嫌そうな表情をして、早足で歩いている。目的のない歩みをしている人がひとりもいないように見えて、リドゥは、だらだらと歩いていると怒られそうだと思った。

 朝方ということもあって、空気は冷たく爽やか。外側の町のように正体のわからない悪臭もない。こんなにもたくさんの人がいるのに、あたりがとても静かなのがリドゥには変に感じた。

「ねぇお兄ちゃん、立ち止まってどうしたの?」となりに立っていた妹がリドゥの手を引いて、彼と同じ、大きな青い瞳で見上げた。

「え? ああ……」リドゥは理由のわからない違和感を覚えつつも、彼女に笑いかける。

「なんだかぼーっとしちゃってさ。まだ体が本調子じゃないのかな」

「でも、治してもらったんでしょ?」

「ああ」リドゥは上着をめくった。大穴が空いていた左胸には、今は金属製の板がくっついている。人体技師の説明によれば、マムシの人工心臓を納めたままにするには余地が足りなかったらしく、苦肉の策としてやや左胸自体を大きくしたらしい。

「体の感覚も戻ってきてる。心配かけたね」

「よかった! お兄ちゃんになにかあったらどうしようかと思った!」妹はにっこり笑う。その笑顔にリドゥも嬉しくなった。

「これからどうするの?」

「キャンディを探す。情報が集まるところに行く」

「情報が集まるところ……酒場とか?」

「うん、そうさ」

「だけど、今は朝だよ?」

「だからそれまで装備を揃える。丸腰じゃ戦えない」持っていた拳銃は没収されてしまっていた。

「ふぅん、でもいいの?」

「なにが?」リドゥは出がけに渡された封筒の中身を確かめる。

「勤労は義捐都市市民の義務だって、さっき説明された」

「知らないよ、そんなの。さっさとキャンディを助けておさらばすれば関係ない」

「そう……働いてない期間が百二十時間を超えたら強制就労だから、気をつけて」妹は肩をすくめた。

「その前に終わらすさ」リドゥも彼女をまねた。封筒を抱えて歩き出す。妹もすぐあとをついていく。

「まずは自分の部屋だ。義捐都市が部屋をくれた。そしたら近くの武器屋を探そう」

「私は? お留守番?」妹が足をはやめてリドゥに並ぶ。長い黒髪が風をはらんでふわりとなびく。

「ついてきたいならそれでもいいよ……と、えーと、乗合自動車? っていうのがあるみたいだ。それに乗ればいいのかな」リドゥは義捐都市の案内書を読みながら歩く。

「『公共交通機関』。外側にはなかったね。アレじゃない?」妹が指差した先には、車道に沿って人々が並んでいる。先頭には『停留所』と書かれた看板が立っていて、今まさに、停車した乗合自動車に人々が乗りこんでいるところだった。

「……そうみたいだね。丸腰の人があんなにたくさん。強盗の格好の獲物だ」

「まったく、お兄ちゃんったら」妹がくすくすと笑った。

「ここは義捐都市なんだよ? 外側とは違う……耳をすまして? 銃声も聞こえないし、血を見ることもない。私みたいな女の子だって、ひとりで町を歩ける! こんなに嬉しいことはないよ!」両手を広げて、踊るようにその場で回る妹に、リドゥは少し恥ずかしくなって周りを見た。だが義捐都市の住民たちはリドゥたちに目もくれず歩き去っていく。なんだか冷たい感じがして、リドゥは後頭部をかいた。

「わかったよ、とにかく乗合自動車に乗ろう」リドゥは妹の肩を叩いた。

 乗合自動車は無料だった。車は義捐都市の大通りを進んでいき、やがて第四十二居住区へとさしかかる。リドゥと妹はそこで降りた。

 封筒の中に入っていた番地には背の高い集合住宅が立っていた。指定された番号の部屋のある階まで昇降機で上がり、扉の前に立つ。玄関はリドゥの市民番号を認識し、自ら鍵を開けた。

 電気を点けると、狭いが小奇麗な部屋だった。床は板張りで、壁紙には小さな染みがある程度。どれもみな古いものだが、長椅子も食卓も、受像機すらも揃っている。小さい調理台も妹とふたりで暮らすには充分な広さだし、なによりも蛇口をひねれば、きれいな水がいくらでも出てくるのが、リドゥには衝撃だった。

「ねぇ見て! お風呂がある!」妹が声を弾ませて風呂場の奥を指差した。リドゥが覗きこむと、そこにはたしかに小さな風呂がある。

「うれしい! 一度でいいから水を気にしないでお風呂に入るのが夢だったの!」妹はすっかりはしゃいでいた。リドゥはしかし落ちつかない様子で玄関まわりをあらためたり、窓をたしかめたりしている。

「何してるの?」妹が声をかけた。

「この部屋は防犯装置が少なすぎる。警報装置すらない。危ないよ」

「お兄ちゃん……」妹はあきれたような表情をした。

「いい? ここは義捐都市。外側の町じゃないの! なにかあればすぐに警備無脳生物が飛んでくるし、兵士さんたちだって来てくれる」

「無脳生物が来るより強盗の弾丸が頭にめり込むほうがはやいよ。自衛しなきゃ」リドゥは食堂の棚から包丁を取り出し、すばやく空気を切り裂いて具合をたしかめた。

「……まぁいいケド。でも一応言っておくと、その包丁を持って外に出るのは違法だからね、やめてよね」

「そうなの?」包丁を軍靴の内側に仕込んでいたリドゥは、その言葉に包丁を戻した。

「驚いたな、いつの間に義捐都市の法律に詳しくなった?」

「お兄ちゃんが修理されてるあいだに勉強したの! それより、外に出ようよ! 町を見てみたい!」

「ああ、わかったよ……でも忘れないでよ。僕はキャンディを助けに来たんだ」



「武器屋が無い?」リドゥは愕然とした。巡回警備中の兵士は丁寧にうなずく。

「はい。市民の銃火器の所持は禁じられています」

「そんなバカなこと……それじゃ、人々はどうやって自分の身を守るんだ?」リドゥはあたりを見渡した。商店街を行き交う市民たちはたしかにみな武器を持っていない。リドゥには彼らが穴ぐらの町で見た、店頭に並んだ無菌ネズミのように見えた。

「市民の安全は我々が保証しています」

「番犬だって飼い主の手を噛むことがあるのに、正気じゃないよ!」リドゥが毒づくと、兵士はうんざりといった様子をみせる。

「そんなに銃が撃ちたいのでしたら、兵士になれば撃てますよ」兵士は肩にさげた自動小銃を叩く。

「兵士に?」リドゥは片眉を上げた。

「ええ。兵士は人気の職業ですが、万年人手不足です。労働斡旋局に行けば、すぐになれるでしょう」兵士は肩をすくめる。

「人気? 意外だな……。外側の人に殺される危険があるのに?」

「なんていったって義捐都市的ですしね。でも外側に出れるのはひと握りだけですよ。たいていは都市内の巡回警備です、私のようにね」兵士は自嘲するように笑った。

「兵士か……」リドゥは思案する。(兵士になれば、義捐都市の武器を持ち出せるだろうか?)

「お兄さんはなんで兵士になったの?」

「私ですか?」兵士はやや不意をつかれたような表情をした。

「私は……少し恥ずかしいんですがね」兵士ははにかみ、声をひそめる。

「私は昔、兵士ですら手をつけられないほどの非行少年でした。私も外側の人間だったんですよ」

「そうだったんですか?」

「ええ。だけど市民になって、昔に生き別れた妹と再会したとき、私は生き方を変えることにしたんです。名前も義捐都市風の古いものに変えました。今はアレックスといいます」

「アレックス……元の名前は?」

「ダイダイといいました。それで私の妹が『兵士の制服を着てるお兄ちゃんがカッコよくて好き!』だなんて言うものですから!」兵士はそう言いながら胸をはった。

「妹、ね」リドゥは肩越しに後ろを見た。リドゥの後方では自分の妹が退屈そうに地面に屈み、蟻が列をなしているのを眺めている。彼女はリドゥの視線に気がつくと、顔を上げた。

「なに? お兄ちゃん」

「いや、なんでもない」リドゥは顔を背けた。

(妹もそろそろひとりで留守番くらいはできるだろう。あいつの言うとおり、何かあれば義捐都市の兵士がかけつけてくれる……)あれほど敵視していた兵士のことを頼ってしまったのが内心おかしくて、リドゥは自嘲した。

 兵士が体を傾けて、リドゥの体を透かし見る。

「可愛い妹さんですね」

「まだまだ甘えん坊だよ」リドゥは声を落としておどけた。

「肉親を大切にする人に悪い人はいません。あなたならいい兵士になれますよ」兵士は微笑んだ。

「いい兵士ね。わかったよ、ありがとう」

「どうも。体に気をつけて」兵士の言葉を背に受けながら、リドゥは妹のそばまで戻った。

「おまたせ」

「長かったね、何をおはなししてたの?」

「なぁ、お前ももう大きいんだし、ひとりで留守番できるよね?」リドゥは妹の前に屈み込んだ。

「……あ、当たり前でしょ! バカにしないでよ」妹は両拳を腰に当て、頬をふくらませる。その様子が可愛らしくて、リドゥの頬がゆるんだ。

「なぁ、決めたよ」

「決めたって……なにを?」妹は首をかしげた。

「お兄ちゃんは兵士になる。何かあったら、義捐都市を出てガマおじさんを頼るんだ。いいね」リドゥは立ち上がり、妹の頭を撫でた。彼女はくすぐったそうにする。

「……うん、わかった。お兄ちゃん、気をつけてね。きっとお兄ちゃんは兵士の制服が似合うよ!」妹は空色の大きな瞳でリドゥを見上げた。

「お兄ちゃん、大好きだよ!」妹は快活に笑って抱きついた。



「……そうか、リドゥは義捐都市に行ったのか」

「ああ、アタシのツノをつけてやったらすぐ行っちまった。あの子も変わったねぇ」

 スラッグの雑貨屋の奥、ふたりの人間が、酒をはさんで座っていた。片方は額に一本の角が生えた女性電脳人で、彼女は妖艶な微笑を唇に浮かべながら、ときおり杯の酒を舐める。顔にかかった長い髪を指ではらい、複雑な色に濡れた瞳で、対面の男を見た。

「ネェ、アタシ、酔っちゃったかも」

「嘘つけ。そんな機能ついてないだろ」男がくつくつ笑った。筋肉質な体をした、大柄な人物――ガマだった。こげ茶の瞳を黒眼鏡で隠してはいたが、その全身からは、抑えきれない悲しみが滲んでいる。

「そうね、私にそんな機能はない。アタシにはお酒も水も一緒さ」スラッグはまた杯に酒を注いだ。

「それでも飲むんだな」ガマは自分の杯を持ち上げ、中の氷を眺めている。蒸留酒の琥珀色の中で照明の光が乱反射し、ただの氷がまるで宝石のように輝く。

「めったに飲まないよ。飲まなきゃやってらんないことがあったときだけ」スラッグはまた杯を空けた。彼女が瓶に手を伸ばすと、それよりもはやくガマの手がそれをとりあげる。ガマは瓶の口をスラッグに向け、彼女の杯に酒を注ぐ。

「アンタに酌をしてもらうなんてはじめてだ」スラッグはくっくっと笑う。

「そうか」ガマはボトルを置いた。

「長いつきあいなのにね」

「……そうだな」

「マムシはアタシたちの友達だった」スラッグはひと口で杯を空け、底で机を叩いた。硬質な音が薄暗い室内に響く。

「許せねぇって気持ちはアンタにもあるだろ。なんで一緒にいかなかった」スラッグはガマを睨んだ。ガマは冷ややかな瞳で彼女の目を見つめかえす。

「……わかってるだろ。知ってるはずだ」

「ああ知ってるさ!」スラッグは声をはりあげた。

「アンタが義捐都市に奥さんと妹を殺されちまったこと! アンタがごみ捨て場で見つけたアイツを実の息子みたいに大切にしてること! だからこそ、なんでリドゥを止めなかったのか、それが知りたいのさ」スラッグはふんと鼻を鳴らす。

「あの子はイイコだ。だけど、死ぬよ」

「わかってる」ガマは静かに答えた。

「だがな……はじめてだったんだ」

「なにが?」

「アイツが自分から『何かをしたい』だなんて言い出したのは」ガマは杯を傾け、蒸留酒を飲み干した。

「だから俺は親として、アイツの願いを叶えてやりたい。自分勝手だがな」そう言うと彼は杯を机の端にやり、足元に置いてあった鞄をどんと乗せた。留金を開き、中身を見せる。スラッグは口笛を吹いた。

「俺の全財産だ。これで頼む」鞄いっぱいの札束の上でガマは頭を下げた。スラッグはしばらくのあいだ無言で彼を眺めていたが、やがてどこかあきれたような表情をする。

「まったく、相変わらず手先は器用なくせに不器用な男だよ」ガマは顔をあげた。スラッグは蒸留酒の瓶をつかんでぐいと飲んだ。

「アタシをナメんな。友達からカネなんかとれるかい! アンタの欲しいもの、全部揃えてやるよ」

「……酔ってんのか?」

「かもね」スラッグは口を尖らす。ガマは笑い、彼女もまた笑った。

「すまねぇな」

「なぁに、昔に戻ったみたいで血がたぎるよ。また義捐都市と戦うなんてね」スラッグは立ち上がり、首を鳴らす。

「はてさて、何からとりかかろうか――」

「そのことなんだが」ガマが口をはさんだ。

「会わせたい人間がいる」

「ほぅ? 誰だい」

「部屋の外で待たせてる。いいぞ、入ってこい」ガマは叫んだ。部屋の入り口の扉が開いて、ひとつの影がゆっくりと入ってくる。その人物を見たスラッグは目を見開いた。

「あ、あんたは――!」



 労働斡旋局で兵士への就職希望を伝えたリドゥは、指定の訓練施設へとやってきた。受付の無脳生物に待合室へ案内されると、そこにはすでに何人もの兵士志願者がたむろしている。リドゥは長椅子に腰かけて注意深くあたりを観察しつつ、どうやって銃を持ち出すか、どうやってキャンディの居場所を探るかの算段を立てながら待った。やがてひとりの兵士が部屋の入り口に現れ、リドゥたちを隣の部屋へ導く。そこは更衣室で、全員は軍服に着替えさせられた。

(まさか自分が軍服に袖を通す日がくるなんて、不思議だな)義捐都市兵士の白い軍服は、リドゥの体によく似合っていた。着替えが済むと、また部屋を移動させられる。今度の部屋は小さな会議室で、席についてしばらくすると、ひとりの兵士が白板の前に立った。

「市民のみなさん、ようこそお越しくださいました。本日みなさんには、兵士という業務についての簡単な説明と、大まかな規則についてご説明し、その後施設内の案内をいたします。すこし長くなりますが、大切な話ですので静聴をお願いいたします……」退屈な時間になりそうだとリドゥは思った。

 説明は理解しやすい簡潔なものだったが、それでも長く、だんだんリドゥは飽きてきた。

「――つまり、我々兵士のもっとも基本にして究極の目標は、愛する家族、友人、恋人、仲間を守ることであり――」そのとき、いきなり部屋の後方にある扉が開いて、兵士の話が中断される。現れた人物に、兵士は威圧的な態度で言った。

「遅刻です。座りなさい」

「すいませぇん……」聞き覚えのある声にリドゥの背筋が凍った。

 後方の扉から入ってきた人物はのしのしと歩いてくる。リドゥがふりかえるべきか迷っているあいだに、その人物はよりによってリドゥの隣に立った。

「すいませぇん……となり、いいですかぁ?」もはや避けられなかった。リドゥはゆっくり顔を上げた。灰色の長髪で顔を隠した、異常に猫背の改脳人がそこに居た。

「あれ? あなた……」アンドレアも、リドゥの顔を見て気がついたようだった。緑に発光する目が少しだけ大きくなる。

「どうぞ」余計なことを言わないうちに、リドゥは席を勧めた。アンドレアは小さく首をかしげつつも、のろのろと座る。兵士は咳払いをして、説明を再開した。

 説明が続くなか、リドゥは横目でアンドレアの様子をうかがう。彼女は彼女なりに真剣に説明を聴いているようで、ときどき小さくうなずいたりしている。

(とりあえず、いきなり首をもぎ取られるようなことはなさそうだ)リドゥはそう考えたが、油断は禁物だとも思った。なぜならこの女改脳人はキャンディを攫い、マムシの命を奪い、穴ぐらの町の人々を虐殺した張本人なのだから。



「――では本日はこれで終了です。本格的な勤務は明日からになりますので、その点よろしくお願いします」解散になったのはすっかり日が暮れてからだった。結局、リドゥはアンドレアとともに一日を過ごした。充分に警戒してはいたが、アンドレアはおとなしく、攻撃をしかけてくることも、誰かに通報することもなかった。しかしリドゥにはその何もしなさがかえって不気味だった。

(とりあえず、今日は帰って妹にご飯を作ってやらなくちゃ……)私服に着替えたリドゥがそう思いながら廊下に出ると、すぐ目の前で待ちかまえている人間が居て、ぎょっとした。

「どうもぉ……」アンドレアだった。彼女も私服に着替えている。質素な服装だった。

「あなた、やっぱりそうですよね? 電脳人だったんですねぇ……そのツノ、前からありましたっけ?」アンドレアは不気味に微笑んだ。リドゥは身構えつつ、うなずいた。

「なんでアンタがここにいる?」

「いやぁ、ちょっと上司に怒られちゃいまして……おしおきですよぉ」

「ようやく、アンタの頭がおかしいってことが知れ渡ったみたいだね」

「ヒドイですねぇ……」アンドレアはくくくと笑う。リドゥはその隙に横をすり抜けようとしたが、彼女は腕を上げて遮った。

「どいてよ、帰れないだろ」

「まぁまぁ……もう少しお話しましょうよぅ……」

「立ち話は嫌だ。それに、妹に夕飯を作ってやらなくちゃ」

「妹さんですかぁ……」アンドレアは首を傾け、リドゥを見おろした。彼女の長い髪が顔に当たって、リドゥは首をひっこめた。

「……じゃあ、こうしましょう」アンドレアは上着から何かを取り出した。武器かと思ってリドゥの体に緊張が走ったが、それは小さな紙だった。彼女は何やら走り書きし、リドゥに差し出す。

「これ、住所です。私の家の晩ごはんに招待しますよ……よろしければいらしてください、妹さんも」

「へ?」拍子抜けして、変な声が出た。

「じゃ、待ってますので……」アンドレアはくるりと背を向け、ゆらゆらと廊下を歩いていった。リドゥは何がなんだかわからないなまま、まぬけな表情でその場に立ち尽くしていた。



(誘われてのこのこやってくるだなんて、自分は何を考えているんだ)リドゥはそう思いながら、目の前の扉と渡された住所を見比べた。アンドレアの家はリドゥが支給されたものと同じような集合住宅の一室だった。表札に名前は無く、彼女の市民番号が代わりに掲示されている。扉の塗装はところどころが剥げ、錆が目立っていた。

(なんだか意外。もしかしたら、自分の家よりボロボロかも……)なんとなく上を見上げると、切れかけの照明がまたたく。

「お兄ちゃん、どうしたの?」下から妹の声がして、リドゥは彼女を見おろした。妹は不思議そうな顔でリドゥの服の裾を掴んでいる。

「ここでしょ? 入ろうよ」

「あ、ああ……」

「やだ、お兄ちゃんの服にハエがくっついてる! とってあげるね」リドゥはなぜ妹を連れてきてしまったのか、いまさら後悔した。妹のような小さい子供がいる前ではあの狂人もおとなしくなるだろうと考えたのだが、妹をまるで道具のように扱っている自分に嫌悪感すら湧いてきた。

「あ、それとも女の子の家だから緊張してるとか?」妹がからかうように笑った。

「ナマイキ言うなよ」呼び鈴を押した。扉の向こうから足音が近づく。リドゥはいつでも逃げ出せるように少しだけ足を曲げた。扉が開いた。リドゥは驚いて固まった。

「あらぁ……こんばんはぁ、来てくれたんですねぇ」出迎えたのはアンドレアだった。ただしリドゥの記憶にある彼女とはかなり違っていた。

 アンドレアはいつも顔の前に垂らしている灰色の長髪を紐で後ろにまとめ、バラけないようにまとめている。代わりに彼女の顔を隠しているのは黒縁の大きな眼鏡だ。顔立ちは細めだが整っていて、美人の部類に入るだろう。

「あら、こちらは妹さんですね……?」アンドレアはリドゥの足もとに目を留め、微笑んだ。妹も笑顔をかえした。

「こんばんは、おねぇさん!」 

「はいこんばんはぁ。ちゃんとご挨拶できてエライねぇ……」

 妹はぽっと頬を赤らめる。「褒められちゃった」

「さぁ、どうぞ上がってください……遠慮せずに……」アンドレアは身を引く。

「……えっあっはい」リドゥはぎくしゃくしながら足を踏み入れた。

 アンドレアの部屋の構造はリドゥのものとほぼ同じだった。内装は彼女の趣味で統一されているようで、木や花柄を多用した、あたたかみのある家具が中心になっている。ぬいぐるみや人形もそこかしこに飾られていた。てっきり中も扉と同様に荒れているものかと思っていたリドゥは、彼女の生活に触れた気がして意外だった。奥に進むと、廊下の先から小さな影がリドゥの前に飛び出す。

「あなたがおねぇちゃんが話していた人?」小さな女の子だった。姉によく似た顔立ちをして、可愛らしい衣服に身を包んでいる。熊のぬいぐるみを大事そうに抱えていた。

「君は――」

「私はアンドレアおねぇちゃんの妹! よろしくね、リドゥお兄ちゃん!」リドゥが何か言う前に、アンドレアの妹はにっこり笑って立ち去った。

 視線をあげるとそこは食堂で、花柄の布がかかった食卓にはすでに四人分の食器が並べられている。そこに別の入り口から、アンドレアが料理の皿を持って入ってきた。

「さぁ……どうぞ座って……お酒は大丈夫ぅ?」

「あっはい。大丈夫です」なぜだか敬語になってしまっていた。

 外套を脱いで席につくと、アンドレアがリドゥの目の前に皿を置いた。盛られているのはどうやら肉の入った乳粥のようだが、リドゥが今まで嗅いだこともないほど美味しそうな香りがしている。リドゥはつばを飲みこんだ。全員が席につく。アンドレアはリドゥの向かいに座った。

「では……いただきましょうか」アンドレアがリドゥを見て不気味に笑った。

「言っておくけど、僕に毒は効かないよ。ろ過装置がある」

「そんなことしませんよぅ……じゃ、いただきます」アンドレアが匙で乳粥を口に運んで、小さく頷いた。

「美味しくできた……」

「うん、とっても美味しいよ!」アンドレアの妹が言う。

「わぁ、ほんと! すごい!」リドゥの妹も嬉しそうに叫んだ。リドゥもおそるおそる口に運んだ。濃厚かつまろやかな口当たりでとても美味しい。人参もじゃがいももほどよく柔らかい。そしてなによりも嬉しかったのは中に入っている肉だった。

「すごい、これ本物の肉だ」

「奮発しちゃいましたぁ」アンドレアがリドゥのこぼした言葉に嬉しそうにうなずく。それからしばらく、リドゥは乳粥をがっつくように食べた。

 リドゥとアンドレアのあいだにあまり会話は無かったが、お互いの妹たちは小さな女の子同士すぐ打ちとけたようで、楽しげにはしゃいでいる。その様子を見ていたリドゥは自分だけが緊張しているのがバカらしく感じた。

「……やっと笑ってくれましたねぇ」アンドレアに言われて、リドゥははっと口もとを抑えた。彼女は首をかしげて彼を眺めている。先手をうたれたような気がして、リドゥは恥ずかしくなった。

「……なんで今日、僕たちを呼んだの?」するとアンドレアはフフと笑う。

「べつにぃ……ただ、仲良くなりたいなぁと思っただけですよぉ」

「信じられないね」リドゥは吐き捨てた。

「僕はアンタに向かって銃を撃った」

「私はあなたを殺しかけたでしょう、おあいこですよぉ」

「……それもそうだね」リドゥは、自分はもしかしたら口喧嘩が下手なのかもしれないと思った。

「でも、反義捐都市勢力だ」

「そうなんですかぁ……?」一瞬、アンドレアの瞳が濁った気がして、リドゥはぞっとした。

「も、もちろん今は市民だから違うよ。『元』反義捐都市だ」

「ならいいんですよぉ……」グフフと含み笑いをする。

「『愛』を第一とする義捐都市の教えは素晴らしいものです……家族愛、隣人愛、仲間への愛、その素晴らしさに気づいてくれたのなら、私にはこれ以上の喜びはありません……」アンドレアは胸に手を当て、うっとりする。

「……だから、義捐都市のために、戦闘改脳人に?」リドゥが訊くと、アンドレアは首をふった。

「いいえぇ……私は、自分からこの体になったわけじゃないです……」

「じゃあ、無理やり?」

「それも違います……」

「……どういうことだ?」

「ねぇ、私のかわいい妹」アンドレアはとなりの少女の頭を撫でた。

「今からおねぇちゃんは、このお兄ちゃんと大事な話をするから、お友達と一緒に寝室で遊んでて……?」

「うん、わかった」アンドレアの妹はうなずいて椅子からおり、リドゥの妹の手を引いた。ふたりは部屋を出ていく。扉の閉まる音を聞いて、アンドレアは静かに口を開いた。

「選択肢なんてなかったんですよぉ……私ねぇ……兵器工場の中で生まれたんですぅ……複製品の大量生産品なんです、私」

「複製兵士……!」リドゥは目を見開いた。

「そうですぅ……私はたくさんの姉妹たちと一緒に、個人名でなく、計画名で呼ばれましたぁ……つらい日々でした。銃で自殺を考えたこともありましたぁ」そこまで言うとアンドレアは苦々しげに顔を歪め、周囲の温度が下がったのかと錯覚するほど恐ろしい、憎しみのこもった声で次の言葉を口にした。

「『UNDO計画』」

「それって……!」リドゥは大声を上げてしまった。

「あなたの名前を知ったとき、ピンときましたぁ」アンドレアはリドゥを指さした。

「あなたは私に続く、『REDO計画』のために義捐都市の工場で製造されたんですよぉ……それがどんなものかは知りませんが……」

「う、嘘だ!」リドゥは叫んでいた。

「静かにしてください……ここ、壁が薄いんですから……」

リドゥははっと気づいた。

「それじゃ、キャンディも――」

「キャンディ……? ……ああ……もしかして、あの女の子ですかぁ……そういえば、あの娘も、ウィンストンさんに『CANDO』と呼ばれてましたねぇ」彼女は思い出しながら語る。

「――おまえが『UNDO』で、僕が『REDO』でキャンディが『CANDO』? それじゃ、僕たちは――」

「――姉弟みたいなものですよぉ」頭を横殴りされたかのような衝撃がリドゥを襲った。

 ガマによってはじめて電源を入れられてから、自分は義捐都市を敵視して生きてきた。市民になった今もそれは変わらない。だがその実、自分は義捐都市が義捐都市のために作った道具でしかなかったのだ。もしかしたら穴ぐらの町に火を放ったのも、マムシを撃ち殺したのも、キャンディをさらったのも、ほんの少しだけ予定が違えば、アンドレアではなく自分の役目だったのかもしれない――リドゥは気が遠くなりそうだった。

(――だけど、だけど僕は――)リドゥは食卓に両手をつき、体を支え、アンドレアを力強く睨みつけた。

「僕にはあんたみたいなバケモノじみた機能は何一つない。ただの少年型電脳人の一体だ……そんなの、信じないよ」

「やっぱり、ただの偶然ですかねぇ……?」アンドレアは空中を眺めつつ、人差し指で自分の頬を押した。リドゥは黙って彼女をにらみ続ける。

 無言の、一方的な緊張がふたりのあいだに横たわった。

 そのときだった。静かな部屋に目障りな影がよぎった。小さな影は蛇行しながら空中を飛びまわり、食卓の端に着地する。

 一匹のハエだった。ハエはすぐに舞い上がると、ふたたび食卓の上を飛び回る。

「やだ、ハエ……」アンドレアが気づいて叩き落とそうとするが、彼女の手は幾度も空を切る。緊張感のかけらもない光景に、リドゥの肩の力がぬけた。 

「……アンドレアさん」

「あ、むこういってくれたぁ……なんですかぁ?」彼女はふたたびリドゥを見た。

「たしかに僕はあなたの言うとおり、あなたの弟で、この義捐都市によって作られた道具なのかもしれない」リドゥは背筋をのばし、まっすぐにアンドレアを見据えた。

「だけどそれでも僕は『リドゥ』なんだ。あなたが『アンドレア』であるのと同じように」リドゥの言葉を聞いたアンドレアは、ぎこちなく微笑んだ。リドゥはその表情を見て、ふと、もしかしたら彼女は笑顔が苦手なだけなのかもしれないと思う。

「そうですねぇ……私が言いたかったのも、それと同じです」意外な言葉だった。

「そのように生まれたからといって、そのように生きなきゃいけない道理はありません……どうか、後悔しない選択をお願いします」リドゥにとって、その言葉は天地がひっくりかえったような衝撃だった。今まで猛獣のようにしか見えていなかった目の前の改脳人が、その言葉を発した途端、唐突に血と肉のかよったひとりの人間にすり替わったのだ。リドゥはひどく動揺し、一刻も早くこの家から出たくなった。

「き、今日はこの辺でおいとまします!」リドゥは席を立ち、外套をふたたび身につけた。そそくさと出口に向かう彼を、立ち上がったアンドレアが追う。

「送っていきましょうかぁ……?」

「いえ、大丈夫……おい!」リドゥは妹を呼んだ。彼女はすぐに現れた。

「帰るよ、準備して」すると妹はひどく残念そうな顔をする。

「えー、もう?」

「なんなら、泊まってってもいい」

「えー……」妹は肩を落としつつ、アンドレアの方を向いた。

「あのあの、おねぇちゃん! お夕飯、とっても美味しかった! ごちそうさまでした!」妹は深いおじぎをした。アンドレアは嬉しそうに笑った。

「またいらっしゃいねぇ……妹も喜ぶ」

「うん!」元気よく返事をした妹は、それからすでに玄関扉に手をかけていたリドゥに駆け寄り、服の裾をひっぱる。

「ほら、お兄ちゃんも」妹がささやいた。

「……なにが」

「お礼と、ごあいさつ!」 

 リドゥは迷った。だがやがてゆっくりと彼は振り向き、アンドレアを見た。そしてていねいに頭を下げて言った。

「ごちそうさまでした。今夜はありがとう。いろいろと知れて楽しかった」

「こちらこそ……新しい友達ができて、楽しかったですよぉ……」

 リドゥは部屋を出た。錆びついた扉が、不快な音を立てて閉まった。



 ウィンストンはゆっくりと扉を開けた。部屋の中ではキャンディが椅子に座って、からっぽになった朝食の盆に向き合っている。たった今食べ終わったらしい。

「おはよう。食欲はあるようだね」ウィンストンは笑いかけた。キャンディは顔をそむける。老人はその場に立ち、部屋を見回した。机の上には紙と本の山ができあがっている。彼は落ちつきはらった声でいった。

「私たちが証明に三百年かかった数式をものの数分で解いてみせたそうだね。知っていたのか?」

キャンディは一度ウィンストンの顔を見て、それから小さく首を振った。

「それだけじゃない。参考資料が置いてあったとはいえ、未解明の大いなる七つの数学的難題を、昨日のうちに全部証明してみせたそうじゃないか。今、我々の数学者たちが総出で証明の正しさをたしかめているが、おそらく合っているのだろう……君が出した答えなのだから」ウィンストンは優しげに微笑んだ。キャンディは顔を背けた。

「はっきりいって予想以上に優秀だ、君は。おそらく今この世界で、いやもしかしたら人類史上、一番頭がいいだろう。誇っていい」するとキャンディはたまりかねたように紙を一枚引っ張りだし、筆で書きなぐる。『あなたたちがそのように作った』彼女はそう書いた。

「そうだ、我々が作った」ウィンストンはうなずいた。「だがそこまでには無数の失敗があり、実のところ、なぜ君だけが成功したのか、はっきりとした理由はまだわかっていないんだ。その分析も君の力を借りれば容易だろうが……君はそんなこと嫌だろう?」キャンディは力強くうなずく。

「即答だね」ウィンストンは小さく笑った。

「『CANDO』の目的は……聞いたかな」

キャンディはうなずいた。

「達成には君の協力が不可欠だ。協力してくれるね?」

ウィンストンへの返事はなかった。キャンディはうつむいたまま黙りこんでいる。老人はしばらく無言でそんな彼女を眺めていたが、やがて諦めたように息を吐いた。

「やはり余計な思想に触れたのがまずかったか……これでは最悪、頭に手をくわえることも必要かもしれないな」老人はそう言いながら、一歩、キャンディに近づいた。キャンディはびくりと身を震わせて硬直する。

「なぁキャンディ。これは決して犯罪や悪徳のための行いじゃないんだ。むしろその逆、全人類を幸福に導くための計画なのだよ。世界は君を待っているんだ」老人は彼女のとなりに立ち、その細い肩に手を置いた。キャンディは嫌悪感に身を震わせている。

「人類を救うなんて、夢みたいな話じゃないか」ウィンストンはそう言いながら彼女の背後にまわる。両肩に手を置いた。

「だがその夢みたいな話も、君ならできる。そのためには一日でもはやく外でのできごとを忘れ――」ウィンストンの言葉はそこで途切れた。彼の視線は机の紙の山に釘付けになっていた。キャンディが不愉快そうに老人を見上げる。ウィンストンは手を伸ばし、山によりかかるように置いてあった、一枚の紙を手にとった。

「これは……まさか」紙に描かれていたのは少年の顔だった。遠目から見ると写真と勘違いしてしまいそうなほどに正確な筆致で描かれている。

「君はこの少年と会ったのか?」ウィンストンがキャンディを見下ろすが、彼女は顔を背ける。

「まさか、生きているものがいたとは……キャンディ、喜びなさい」ウィンストンは彼女の肩をぽんと叩いた。

「もしかしたら、君は人類を救わなくてもいいのかもしれない」老人はそう言い残し、早足に部屋を出た。廊下を歩きながら彼は通信端末を取り出し、耳に当てる。

「アンドレア」通信端末から呼び出し音が流れる。数回続いて、やっと彼女は出た。

「はぁい……」

「遅いぞ。呼び出しにはすぐに出なさい」ウィンストンは歩きながら喋る。

「すいません、ちょっと講習中でして……射撃講習。楽しいですよぉ」アンドレアの言うとおり、彼女の声のほか、遠くから自動小銃の射撃音が聞こえてきていた。

「それはいい。手元に画像を見られる端末はあるか?」

「はい……」

「今から画像を送る。絵だが、この電脳人を捜索しろ」ウィンストンはさっきキャンディの部屋から持ち出した絵を目の高さに掲げると、左目の義体部品で撮影し、アンドレアの通信端末に向けて送信した。

「あ、きましたよぉ」

「その少年はおととい君が連れてきた少女とどこかで会っているはずだ。探し出して――」

「――探し出す……ですか?」

「そうだ。それで連れてきたまえ。抵抗されるかもしれないが――」

「えぇとぉ、その必要はないと思いますよぉ……」

「なんだと」ウィンストンは訝しがって足をとめた。

「どういう意味だ」

「どういう意味と言われましても……言葉通りです」

「説明しなさい」

「だって……」アンドレアは言いにくそうに言った。

「リドゥさんなら今、私といっしょに講習受けてるんですよぉ?」

「……なにぃ?」ウィンストンは間の抜けた声をあげた。


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