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いただいたお題 詩集

2Bえんぴつ

作者: 日浦海里

えんぴつ1つで線を描く

楕円を1つ 十字を切る


右手と左手 それぞれの

人差し指と親指で

四角い枠を作って切り取る

長方形の枠を切り取る


切り取った枠の風景を

楕円の後ろに描き込んでいく

紺色、藍色、緑色

重ね合わせて海の色

青色、水色、白い色

重ねて重ねて空の色


またえんぴつで線を描く

楕円に流れる線を描く

楕円に僅かに重なるように

楕円を僅かに離れるように


楕円の横に指を添える

流れる線をかきあげるように


楕円の中心に鼻筋を通し

少し細めた瞳を描き込む


どんな色なのか思い出せない

その笑顔だけは覚えてるのに


水彩が1つ紙を濡らす

滲む前に紙で吸い取る


左の頬に線を引く

少し困ったように微笑んでいた


あの日と同じ色合いの景色

どれだけ枠で切り取ってみても

あの日と同じ色合いの君を

この枠の中に還せなくて


えんぴつ1つで線を描く

あの日と同じ色合いの景色で

君がいつまでも笑顔であるよう

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― 新着の感想 ―
[一言]  今の風景、過去の『君』  ここにいないからこそ描きたくて。  ここにいないからこそ描ききれない。  そんな心境なのかなと思いつつ。  それでもまだ、残せるうちに、と願います。  形なけれ…
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