初対面2
お久しぶりです。更新が遅れてすいません。頑張って書きましたので最後までよろしくお願いします。
皇宮の庭園は人々が溜息をもらすほど美しいと評判で、ここで告白をすると、いい返事がもらえると言われているほどであった。ここでメイン攻略対象キャラであるジークがヒロインにプロポーズした
って、ゲームの説明には書かれていたけれど、本当にきれい....。
美しい花が均一に植えられ、グラデーションになっていた。確か今の皇帝もここで告白して、社交界の華の一人だった今の皇后陛下にプロポーズしたんだよね。初代皇帝が初めた風習でよっぽどのことがない限り、皇族はここでプロポーズをするそうだ。
貴族令嬢がみんなあこがれる場所だ。
皇宮のメイドたちが洗練された動きでお菓子とお茶を出していく。「ありがとう」
と殿下が言うときれいに一礼し、去っていった。その姿を見送ると殿下が口を開いた。
「トキ嬢。いや、猊下とお呼びしたほうがいいだろうか?」
「いえ、トキとお呼びください。殿下に猊下と呼ばれるのは気が引けます。」
だいたい、前世庶民の私が、お嬢様とか呼ばれることでさえ、こっぱずかしいのに、猊下なんて呼ばれると、恥ずかしくて穴に入りたくなる。
「では、トキ嬢と呼ばせていただこう。...........」
「はい。それでお願いします。」
そこから、沈黙が続く。双方何を言っていいかわからないのだ。この地獄の沈黙を先に破ったのは、私だった。
「あの殿下。」
「なんでしょう?」
「その........殿下は、恋愛結婚をお望みですか???」
「は?」
「ぶふっ」後ろのほうで.........たぶんセイが噴出したのか、場にはそぐわない異音がした。ちらりと後ろを見ると何事もなかったようにきれいな笑顔を浮かべていた。
「殿下が結婚したいと思うような方が、現れましたら身を引きますので、ご安心ください!!!!!」
「いやいや、意味が分からない。会ったばかりだというのに急にふられた気分なんだが!」
ようやく、状況を把握し始めた殿下が叫ぶように言った。
「いや、その殿下もたった10歳で生涯を共にする相手だって言われましてもって感じじゃないですか。」
「それが、皇族の責務だと思っているからな。」
「それって、自分は幸せですか????」
「皇族だから、自分の幸せなんて後だろ?」
よくわからないという顔でこちらを見た殿下に、日本じゃない所に来てしまった現実をつきつけられた気分になった。
「...........それ何が楽しいんですか。皇帝になるんですから、民のことを考えるのは当たり前です。でも、伴侶くらいは。一生隣にいるんですから、選んでも罰は当たりません。...........それに、私は殿方と結婚なんて....。」
最後のほうをつぶやくように言ったからか聞こえなかったようで
「ん?何か言ったか。」
と言われた。
「いえ、なんでもとりあえず、私が言ったこと忘れないでくださいね。約束ですっ!!」
そういって、私は小指を出した。この世界にも指切りが存在するのか殿下は小指を差し出した。小さなころの約束が、後でどのような結果をもたらすのか、私はまだ知らない。