表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

初対面2

お久しぶりです。更新が遅れてすいません。頑張って書きましたので最後までよろしくお願いします。

皇宮の庭園は人々が溜息をもらすほど美しいと評判で、ここで告白をすると、いい返事がもらえると言われているほどであった。ここでメイン攻略対象キャラであるジークがヒロインにプロポーズした

って、ゲームの説明には書かれていたけれど、本当にきれい....。

美しい花が均一に植えられ、グラデーションになっていた。確か今の皇帝もここで告白して、社交界の華の一人だった今の皇后陛下にプロポーズしたんだよね。初代皇帝が初めた風習でよっぽどのことがない限り、皇族はここでプロポーズをするそうだ。

貴族令嬢がみんなあこがれる場所だ。

皇宮のメイドたちが洗練された動きでお菓子とお茶を出していく。「ありがとう」

と殿下が言うときれいに一礼し、去っていった。その姿を見送ると殿下が口を開いた。

「トキ嬢。いや、猊下とお呼びしたほうがいいだろうか?」

「いえ、トキとお呼びください。殿下に猊下と呼ばれるのは気が引けます。」

だいたい、前世庶民の私が、お嬢様とか呼ばれることでさえ、こっぱずかしいのに、猊下なんて呼ばれると、恥ずかしくて穴に入りたくなる。

「では、トキ嬢と呼ばせていただこう。...........」

「はい。それでお願いします。」

そこから、沈黙が続く。双方何を言っていいかわからないのだ。この地獄の沈黙を先に破ったのは、私だった。

「あの殿下。」

「なんでしょう?」

「その........殿下は、恋愛結婚をお望みですか???」

「は?」

「ぶふっ」後ろのほうで.........たぶんセイが噴出したのか、場にはそぐわない異音がした。ちらりと後ろを見ると何事もなかったようにきれいな笑顔を浮かべていた。

「殿下が結婚したいと思うような方が、現れましたら身を引きますので、ご安心ください!!!!!」

「いやいや、意味が分からない。会ったばかりだというのに急にふられた気分なんだが!」

ようやく、状況を把握し始めた殿下が叫ぶように言った。

「いや、その殿下もたった10歳で生涯を共にする相手だって言われましてもって感じじゃないですか。」

「それが、皇族の責務だと思っているからな。」

「それって、自分は幸せですか????」

「皇族だから、自分の幸せなんて後だろ?」

よくわからないという顔でこちらを見た殿下に、日本じゃない所に来てしまった現実をつきつけられた気分になった。

「...........それ何が楽しいんですか。皇帝になるんですから、民のことを考えるのは当たり前です。でも、伴侶くらいは。一生隣にいるんですから、選んでも罰は当たりません。...........それに、私は殿方と結婚なんて....。」

最後のほうをつぶやくように言ったからか聞こえなかったようで

「ん?何か言ったか。」

と言われた。

「いえ、なんでもとりあえず、私が言ったこと忘れないでくださいね。約束ですっ!!」

そういって、私は小指を出した。この世界にも指切りが存在するのか殿下は小指を差し出した。小さなころの約束が、後でどのような結果をもたらすのか、私はまだ知らない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ