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アメリカ議会の基礎知識

作者: 天空ヒカル

アメリカ合衆国は憲法により、三権分立の国家体制が確立している。


それぞれの役割は以下の通りである。


〇大統領府(行政府)⇒ 法の執行

〇連邦議会(立法府)⇒ 法の制定

〇連邦裁判所(司法府)⇒ 法の解釈および合憲・違憲の判断


アメリカ合衆国憲法第一条により、連邦議会は上院と下院の二院制と規定されている。


日本の国会では予算法案に限って衆議院の議決が優先するが、連邦議会の場合、いかなる法案であっても、上下両院のどちらにも優先権は与えられていない。


そのため全ての法案について、上下両院で可決されない限り、法案は成立しない。


連邦議会に提出された法案は()()委員会または小委員会に付託(ふたく)され、法案を本会議に提出すべきかの審議が行われる。


また審議の過程で法案が修正されるのは珍しい事ではない。


さらに重要法案の場合、必要に応じて公聴会が開催される。


この委員会審議こそが法案成立の最大の関門であり、審議された法案の内、実際に本会議に提出されるのは一割にも満たない。


法案が否決された場合はもちろん、会期中に審議が終わらなかった場合も、法案は廃案となる。


本会議に提出された法案は、さらに本会議で討議され、可決されれば、下院の場合は上院へ、上院の場合は下院へ送付される。

(本会議で法案が否決されれば、廃案となる)


送付先である上院または下院で、委員会 ⇒ 本会議という同じ手続きが行われる。


上下両院で可決された法案は大統領府に送付され、大統領が署名する事により連邦法が成立する。


大統領は上下両院が可決した法案の拒否権を有しており、署名をせず、大統領の異議書を添えて連邦議会に差し戻す事が出来る。


ただし、差し戻された法案を上下両院が3分の2以上の多数をもって再議決した場合、大統領の署名無しで法案は成立する。


この様に連邦法が成立するためには何重もの関門があり、その全てにパスしないと成立しないため、法案が成立する割合は極めて低いのが特徴である。


また上下両院の役割は全く同じではなく、例えば国際条約の批准(ひじゅん)や、大統領が指名権を持つ連邦裁判所の裁判官の承認などは上院のみの役割である。


一方、大統領や連邦裁判官の弾劾訴追(だんがそつい)を行えるのは下院のみであり、実際の弾劾裁判(だんがいさいばん)は上院が担当する。


2年毎に実施される上下両院の選挙は同じ日に実施される。

また4年毎に実施される大統領選挙も上下両院と同じ日に実施される。


大統領選挙の行われない、上下両院だけの選挙の事を「中間選挙」と呼び、選挙結果には任期中の大統領に対する中間評価の意味合いが含まれている。


【上院】

正式名称:元老院 (United States Senate)

定数:100議席 (各州2議席×50州)

任期:6年

 ※ 2年毎に定数の1/3の議員が改選される。

 ※ 多選を制限する規定は無い。

 ※ 同じ州に属する2人の上院議員の改選時期は異なるため、同じ州の上院議員が同時に改選される事は無い。

解散:なし

補欠選挙:あり

 ※ 任期途中で議員が辞任または死亡した場合、補欠選挙が実施される。

 ※ 補欠選挙に当選した議員の任期は6年ではなく、前任者の残り任期のみになる。

投票権を持つ人:18歳以上のアメリカ合衆国市民

立候補できる人:30歳以上のアメリカ合衆国市民

 ※ 出生地は必ずしもアメリカ国内である必要は無いが、アメリカ合衆国市民として9年以上経過している事が求められる。

 ※ 選挙が行われる州の住民である事

議長:副大統領が上院議長を兼任する。

 ※ 上院議長は通常、法案への投票権を持たないが、上院の議決が賛否同数の場合のみ、投票権を行使出来る。



【下院】

正式名称:代議院 (United States House of Representatives)

定数:435議席

 ※ 各州の人口に比例して議席数が配分されるが、人口が少ない州にも最低1議席は配分される。

任期:2年

 ※ 2年毎に全ての議員が改選される。

 ※ 多選を制限する規定は無い。

解散:なし

補欠選挙:あり

 ※ 任期途中で議員が辞任または死亡した場合、補欠選挙が実施される。

 ※ 補欠選挙に当選した議員の任期は2年ではなく、前任者の残り任期のみになる。

投票権を持つ人:18歳以上のアメリカ合衆国市民

立候補できる人:25歳以上のアメリカ合衆国市民

 ※ 出生地は必ずしもアメリカ国内である必要は無いが、アメリカ合衆国市民として7年以上経過している事が求められる。

 ※ 選挙が行われる州の住民である事

議長:下院議員の投票により下院議長が選出される。


州別議席数:

 ※ アメリカ合衆国憲法の規定により、10年毎に行われる国勢調査の結果に基づき、各州に議席が配分される。

 下記は2010年の国勢調査結果に基づき、各州に配分された議席数


1位 カリフォルニア州  53議席

2位 テキサス州  36議席

3位 ニューヨーク州  27議席

3位 フロリダ州  27議席

5位 イリノイ州  18議席

5位 ペンシルベニア州  18議席

7位 オハイオ州  16議席

8位 ジョージア州  14議席

8位 ミシガン州  14議席

10位 ノースカロライナ州  13議席

11位 ニュージャージー州  12議席

12位 バージニア州  11議席

13位 ワシントン州  10議席

14位 マサチューセッツ州  9議席

14位 インディアナ州  9議席

14位 アリゾナ州  9議席

14位 テネシー州  9議席

18位 ミズーリ州  8議席

18位 ミネソタ州  8議席

18位 メリーランド州  8議席

18位 ウィスコンシン州  8議席

22位 アラバマ州  7議席

22位 サウスカロライナ州  7議席

22位 コロラド州  7議席

25位 ルイジアナ州  6議席

25位 ケンタッキー州  6議席

27位 オレゴン州  5議席

27位 オクラホマ州  5議席

27位 コネチカット州  5議席

30位 ユタ州  4議席

30位 ミシシッピ州  4議席

30位 アーカンソー州  4議席

30位 アイオワ州  4議席

30位 ネバダ州  4議席

30位 カンザス州  4議席

36位 ネブラスカ州  3議席

36位 ニューメキシコ州  3議席

36位 ウェストバージニア州 3議席

39位 メイン州  2議席

39位 アイダホ州  2議席

39位 ロードアイランド州  2議席

39位 ニューハンプシャー州 2議席

39位 ハワイ州  2議席

44位 アラスカ州  1議席

44位 バーモント州  1議席

44位 デラウェア州  1議席

44位 ノースダコタ州  1議席

44位 サウスダコタ州  1議席

44位 モンタナ州  1議席

44位 ワイオミング州  1議席

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