卍 失われた表現 卍
『テイルズオブ エターニア』という(有名な原作ゲームとはあまり関係ない)古いアニメがあるが、その二話においてマローネ(CV林原)というオリキャラが 海上都市の宿にチェックインするのだが。
部屋でおもむろにシャワーを浴びはじめるのである
「ウーン、いい湯だ」とか言いながら(笑)
以上のような場面を『純粋シャワーシーン』と呼ぶ。
物語上まったく必然性の無い、唐突なお色気シーン全般を指す言葉である。
聞いたことない?それは筆者がたったいま作った言葉だから。
この『純粋シャワーシーン』はルパン三世からガンダム、ドラえもんまでありとあらゆる漫画、アニメに登場するのだが、代表選手はなんと言っても『劇場版ストⅡ』の春麗であろう。尺の長さやクドさ、不可侵領域であったコンシューマーゲームキャラを公式に脱がしてしまった、ということで衝撃的であった。あと『ルパン三世VS複製人間』は有名ね。
アニメでも実写ドラマでもたくさんありましたが、とくに実写はあざといシーンに付き合ってくれる女優さんがいなくなったので消滅。
ときどきテーマに共感した女優が使命感に燃えてヌードになることはあるけれど、そういうのはお呼びじゃないの。われわれはあくまで『江戸川乱歩の美女シリーズ』とか、ロジャー・コーマンが作った映画みたいのが欲しいのだ。
時代が変わり倫理コードが徹底してしまったので、そういうサービスショットはバカみたいに高い夜中アニメのソフトでも買わないとお目にかかれなくなってしまった。
『クイーンズブレイド』や『メガミマガジン』をいくらめくっても絶対領域は画いてないでしょう?あるいはラノベの挿絵など。
昔のアニメ雑誌なんか書き下ろしヌードグラビアとかフツーにあったけど、いまは権利関係がうるさくなったおかげか、絵師やアニメーターが気ままに描き下ろした絵がなくなり、アニメムックでさえ「版権イラスト」しか載ってないなんてことがザラだ。
代わって登場したのが「透過光」あるいは素っ裸だけど肝心なとこが書かれてない、というのだけれど、なんか不健全なんよね。だっていまのキャラデザってはるかにえげつなくてコスプレしたらパンツ丸見えか半裸になっちゃうの狙ってるような格好ばかりじゃん。なのにいっぽうじゃ抑圧してるわけですよ。前にも述べたけど「ユーザーの自己学習によるインポテンツ状態」が進んでるわけ。
でもやっぱり、お色気が主題の作品をいくら漁っても全然つまらんのよ。
「エッここで?」という意外性がないとさ。
ワープシーンの森雪とか、ロイエンタールに囲われてた元貴族の女が一瞬だけチラ見せするとことか『牙狼』初期の敵キャラとか……
「だって絵じゃん」とか不毛なこと言いなかれ。それエロ漫画全般否定してるだけだから。それにソレ目的で借りてきたAVは最初から最後まで早送りしてしまうのに、「アド街ック天国」の入浴シーンはガン見してしまうのはなぜなのか、よく考えよう。