凛と玲子
9
勇斗が目覚めてから数日、勇斗は凛や玲子、そしてProfessional Skills(P.S)の人たちと過ごしていた。
その中では戦闘訓練も多少なりともあったが、それは勇斗たちが今まで戦ってきた相手とは全く違う戦い方をする者たちとの戦いであったため、勇斗たちの疲労はかなりのものだった。
「つ、疲れた…」
「勇斗すごいね。複数を相手にしてるのに引けを取らないなんて。」
「まぁ、これより多い人数の状況に前あってるからね…」
「それでもすごいよ!そんなすぐに戦えるようになるなんて!」
「そ、そうかな?」
「そうだよ!普通はできないよ!」
「(凛テンション高いな…何かあったのかな?)」
「勇斗?どうかした?」
「…ううん、何でもないよ。」
「そう、なら戻ってごはんにしよ!」
そういうと凛は勇斗の手を引いてスキップでもしそうな勢いでかけていった。
――もしかすると凛はスキップしているつもりだったのかもしれないが
それを玲子は少し遠くから横目で見ていた。
「凛本当にテンション高いな…そういえば玲子は…あそこか。」
勇斗は玲子の方を軽く見た。
そのとき玲子と目が合ったが玲子はすぐに目をそらしてしまった。
「(何してるのよ私は!これじゃ昨日のが本当みたいじゃない!)」
・・遡ること10時間前
玲子は普段と同じように風に当たるのを目的として作られたほとんど個室(入っても2人)で読書をしていた。
ここは一応戦闘拠点であるためそとにテラスを作るようなことはできなかった。そのためにこのような場所が作られた。――こんな場所がいるのかは定かではない。
玲子が読書に一区切りをつけて目を閉じて風に当たると不意に後ろのドアが開いた。
「あ、いたいた。」
「えっと、浅見さんでしたっけ。」
「凛でいいよ。私も玲子って呼ばせてもらうから。」
「わかったわ。それで私に何の用?」
「ちょっと聞きたいことがあってさ。勇斗とはどれくらい一緒に居たの?」
「うーんと、一か月くらいだったかな。たぶん。」
「そっか…そのときって一緒の部屋にいたんだよね?」
「ええ、不本意だけど。」
「何もなかったの?」
「何もって?」
「その…そういうこと。」
「!?そ、そんなのあるわけないじゃない!」
「だって男と女が同じ部屋に居たんだよ!?あるかもしれない…じゃない。」
「勇斗と私はただあの部屋に一緒に入れられただけ。それ以上何もないわ。」
「そう、なら私が攻めに入っても問題ないね。」
「攻めって?」
「勇斗にもう少しアプローチしようと思ってさ。もし…あなたとできてるなら
やめた方がいいと思って。」
「そ、そう。」
このときの玲子の態度は少し変だった。凛はそれを見過ごさなかった。
「もしかして玲子、勇斗のこと好きなの?」
「なっっ!?そんなことないわよ!」
玲子は顔を真っ赤にして部屋から走り去っていった。
――ときは現在。
「(私が勇斗をす、すきだなんて!ありえない!)」
この日は全く訓練に身が入っていない玲子だった。
そしてこの後、玲子は独り言をずっと言っていた。
一方。
「メフィスト様。P.Sのアジトがわかりました。」
「そう、ならすぐに準備して。さっさと潰して栖鳳君を捕まえないと。」
「了解しました。」
メフィストの前で片膝をついていた男はその場を去って行った。
「ふふ、もう少しだからね。栖鳳君。」
1週間以上開いてしまいました…申し訳ありません。
今話もお読みいただきありがとうございます。
引き続き誤字脱字等ありましたらコメントよろしくお願いします。