異世界で面白おかしく生き抜く所存でございます。
ロアの奴らとヴィーやリクト隊長、ギルニット隊長に見守られながら、街の外でカミル君と対峙した。
何かもう、カミル君すげえなあ。
「よろしくお願いしますっ!」
最初から二本抜剣して遠慮なくカミル君と試合をした。
カミル君は、剣をギリギリで避けながらもこちらの動きを読み切ってる感じで、やっぱり強かった。
「ああああああっ!負けましたっ!ありがとうございましたっ!」
後ちょっとだったのにと思いながらも負けを認め、お辞儀をする。
くそう、くそうっ!
「何か、イルクっぽいな?」
「です。くそムカつくー!帰ったらイルクと勝負しよう」
そう言いながらオーラン先輩と交代し、オーラン先輩はカミル君と剣を合わせながらも追い込んで行き、そうして勝って見せた。
あー、くそっ!
「俺も、いいよな?」
ジェイド隊長、それは質問じゃないですよ?と思いながら、カミル君が頷いたのを見て笑ってしまった。
カミル君は何となく、黒騎士向きだよなあ。
来てくれないかな?
そうしてジェイド隊長はあっさりとカミル君に勝って見せ。
カミル君、無表情ながらも目が燃えてた。次に会ったらまた強くなってんだろうなあ。
「高野いちる!」
「なんだい」
ラルフォルトに呼ばれ、返事をしたら何か紙を投げて来る。
「南西にある我国の友好国へ入れる」
「…………ありがとう。助かったよ」
受け取って広げてみた後、ヴィーに渡した。
「神崎さん、貴女が日本に帰る事が出来るよう祈ってます」
手を振ってリドルに跨り、ラルフォルトに言われた通りに南西に向かう事にする。
もう一度振り返って手を振れば、神崎さんが泣きそうな顔をしながらも手を振ってくれた。
ごめんね、私はもうこの世界で生きて行く事を決めたんだ。
リドルを歩かせながら、ヴィーが話し掛けて来る。
「カミル君は、強かったね?」
「イルクっぽいタイプですね、あれ」
「そうか。じゃあいちると仲良くなったら大変だね?」
「え、何がですか?」
「また変な物作り出す仲間が増えるだろう?」
「……いや、ねえ?」
そりゃあまあ、イルクと変な物作り出しては楽しんでたのは認めるけどさ。
でも、役に立つ物も作って来たよ?あんまりないけど。
「監視対象が増えるのは面倒ですね?」
「あ、じゃあいっその事監視する事止めたらどうです?」
「それじゃテメエがやりたい放題だろうがよ」
「今でもそうだけどねえ」
「ええ?そんなに出来てないですよ?全く、リクト隊長は失礼ですね?」
「あれでか?なあ、あれでなのか?」
「なんですか、オーラン先輩。大人しい方ですよ?」
ヴィーがクスクスと笑い、他の面々も笑った。
相変わらず騒がしい道中ですが、私は元気です!
~おしまい
初掲2014,02,03.