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PB  作者: factout
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坂本 優の依頼

生徒会室と書かれた扉の前で俺こと坂本 優は深く溜息をついていた。

昨日の猫で疲れがまだとれてないせいか、この部屋の扉を前にすると帰りたくなるのは正直なところだ。

2007年5月14日12:10と携帯に表示されたのは20分も前のこと。残り30分、昼休みという自由時間を会長の呼び出しで棒にふる事になるとは思ってもいなかった。

溜息をつけるのは今しかない、俺はノックする前に溜息をもう一回する。

「入りま〜す」

ノックを2回した後、ドアノブを回し生徒会室へ入った。

「遅かったじゃないか。時間通りに来てくれないと、我々生徒会の仕事が捗らなくなるのは君も知ってるだろ?」

部屋に入ると、社長席の様な大きな机に座り心地の良さそうな椅子に座る女性が不機嫌そうに物申す。

そう言われても急に呼び出しくらってダッシュで弁当食ってたんだ。少しは時間の都合を考えろ、と言いたい。

「すんません美里目先輩。それで、呼び出しの用件は何すか?」

軽く流し本題へ移す俺。なかなかこの人には慣れたもんだ。

美里目 知紗、この学校を仕切る生徒会長だ。顔とスタイルは学校1と噂される美形だが、人使いが荒い(特に俺)。男女問わず学内にファンが多いため廊下を歩くのは一苦労、ファンレターなんて毎日ドッサリと靴箱に入っているはざらじゃない。

この人もこの人なりに苦労してるのだと同情したくなる。

「そう急かすな坂本 優くん。もといhaven’t forceくん」

この人のネーミングセンスは中2だと思うのは俺だけなのだろうか?

今時人のあだ名を英語で呼ぶ奴などいないと思うが。

「まず昨日はご苦労だった。猫は無事ご主人の所へ今朝私が返したよ」


「そうっすか。そりゃよかった」


「そこで、今回君を呼んだのは他でもない。今まで君はDランクの依頼しかこなしてない訳だが、そのランク依頼を君にお願いしていた私も悪いとは思っている。そのせいで最近学校内では君は生徒会に相応しくないという声も上がっているのだよ。haven’t forceくん」


だからその中2くさい名前はやめろ。

それに生徒会の依頼にランクがあったことは初めて知ったぞおい!!


「あの〜質問いいっすか?」


「何だね?」


この際聞こう。


「その依頼のランクなんすけど〜具体的に教えて貰えないっすか?」


「そうだな君には教えてなかったな。すまない。まず君がやってる依頼はDランクに位置づけされる。主に探し物やら町のチンピラなどの駆逐が当てはまる」


「成る程、つまり会長やら他の生徒会の人間は俺以上の危険な依頼をしてる訳っすね」


「そうだな。他のC、B、Aと逆から説明すると、Cは掃除。Bは洗濯。Aは料理となってる感じだ」


「おいちょっと待て。何でD以降家事に片寄ってんだよ。明らかDの方が仕事してんじゃねぇかよ」


流石にこれにはツッコミを入れたくなる。むしろ、俺がやってきた依頼をAランクに位置づけて欲しいが、それよりこいつを殴りたい。


「何を言う。昨日私は一番苦手とするAランクの依頼を受けたんだぞ」


プンと膨れ上がった顔でそう言うと、絆創膏を何枚も貼った左手を見せ付けた。


「んで、どこで?」


「私の家だ」


「ぶっ飛ばすぞ」


ああもう、我慢の限界だ。こいつをぶん殴って学校の屋上から吊るしたい。いいかな?いいよねこんな馬鹿、一発痛い目に合わないと解らないよな。


「そう怒るなhaven’t force。私も少しは料理に自信がついてきたところだ。弟にも最近美味しいと絶賛を受けている」


「どうでもいい。それで、昨日は何を作ったんすか?」


「聞いて驚くな炒飯だ」


「わ〜本当に驚いた。炒飯を自慢する人とかいるんだ」


冷めた目で見るしかなかった。痛々しい、俺の方がもっと凝った飯が作れる自信がある。


「まぁ私の手料理が食べたいと言うのなら今回の依頼をクリアしてからだ」


やっと本題だ。会長と話すと何故か話が脱線してしまう。友達がいないのが原因だと思うが、話す相手が欲しいのだろう。これまた同情物だな。


「それで今回はまた町で暴れるチンピラ共をぶっ飛ばして来いと?」


「内容は大体同じだが、戦う相手が違うな」


「どういうことっすか?」


「チンピラではない。今回は異質者だ」


「異質者!?」


俺は思わず唾を飲み込んだ。何故ならその言葉の意味を知っていたからだ。

異質者とは、人を凌駕している人間のことだ。特徴的には3つある。1つは人間離れした運動神経と2つ目は異常なまでの回復力。そして、最後は第6体と言われる特有の能力だ。これが異質者の特徴と言っていい。

つまりは俺みたいな人間が喧嘩したところで勝てないということだ。


「無理っすよ!!俺に死ねって言ってるんすか?」


「違う。これは私の偏見だと思っているが、君は異質者以上に強い物を持っていると感じている。それに、さっきも言ったと思うが、最近君に対する不満の声をよく耳にする。推薦者の私としては君には是非ともこの生徒会にいてもらいたい。それを踏まえ異質者を倒せば君は学校内の株が上がり、私たちとまた行動ができる。まさに一石二鳥ではないか」


「あのっすね。人間が異質者に勝った話聞いたこともないんすよ。それなのにこの依頼を俺に押し付けるのはどうもおかしいと思いませんか?」


「haven’t force。君の気持ちは確かに解る。だが、私は信じている。私たち異質者とは違う力を持っいるという事を」





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