SwordMagicWorld 2 プロローグ
3日後、里と男の子は森の奥にある崖で見つかった
男のこの方は足を骨折していたものの命に別状はなかった
しかし、里の方は男の子の下敷きになって
雪のように白く冷たくなっていたという
警察の司法解剖によると死んだのが『7月14日』だということがわかった
そしてこれが原因か分からないけども次々と
メンバーはどこかに引っ越していって
村にいるのは俺と夏美だけどなってしまった
里の葬式には俺は泣きながら出席した。
毎年、夏美は必ず里の墓に行き、花を供えている
そして俺は墓に行くのが申し訳なく未だに行けてない
今日はその里の命日だった
「そうだな・・・・里の墓でも行くか?」
「うんそうだねきっとさっちゃんも喜ぶよ」
夏美は満面の笑顔で俺に言う
里の墓は俺の通学路の途中にある
俺は墓の近くで花や線香、ライターを買い
飲み物も自販機で買った
墓に行くには通学路から森の中に入る
そして10分ぐらい森の中の坂を歩くと
里の墓に着く
なぜか墓に着くと涼しい風が俺を歓迎してるかのように
吹いていた
墓からの景色は村全体を見渡せる
木の陰もあり涼しい気分がある
夏美はしゃがみこんで墓の周りに生えている
草をむしりとっている
俺も手伝い、草をむしる
「さっちゃん・・・・・喜んでるかな?」
「さぁな・・・まぁ喜んでるだろうな」
「そうだよね!」
「ああ・・」
一通り草をむしると買っておいた線香を手に取る
線香にライターで火をつける
周りには線香の独特な香りが漂っていく
その線香を墓の前に置き、黙想をする
そして30秒ぐらいして目を開ける
「行くか・・・・夏美」
俺は立とうとした瞬間、墓の前にある大きな巨石がめについた
巨石にはなんか札が貼ってあり、鎖も繋がれ、苔も生えている
俺はカバンを持ち、巨石に向かってスタスタと歩いていく
俺は巨石に近づいてよく見てみると
所々崩れてたりとボロボロの巨石だった
「夏美・・・これ・・・何か分かるか?」
「それ『夏神の石』だよ」
「夏神の石?」
「うん・・・その昔、夏神様が村を守ったときに村に漂っていた
霊とか呪いなんかも一緒に封印してそれが栓になってるんだって・・・・」
「そうか・・・・ってこの札真新しくねぇか?」
俺は札をよく見ているとボロボロの石とは違い、真っ白い札が貼ってあった
「そうだね?・・・たぶん剥がれちゃったからじゃないかな?」
「おいおい・・・・」
神様というのはいい加減なのか?
俺は巨石にペタっと手をあてた
日陰だったなのかひんやりして気持ちいい
それ以外はただの石の感触がした
俺は手を離すと歩いてきた森の方向へ歩く
夏美もあわてて俺の後についてきて一瞬ため息をつきたくなった
PM 5:00
もう空もそろそろ暗くなり始めて青い空が少しだけ夕焼けに変わっている
時期の早いセミがミンミンと鳴き夏なんだなと思う
俺は夏美を家まで届けると(強制的に)暗い道を一人で歩いていた
道には店はほとんどなくこの時間だとコンビニぐらいしか空いていない
俺はお気に入りの歌の口笛を吹いているとペタペタという音が
後ろから響いてくる
「ん・・・・なんだこの音?」
後ろを振り向くと真っ暗でよく見えないが誰もいないことが分かった
なんだ・・・気のせいか・・・・
俺はまた歩き出すと音は聞こえない
5分ぐらい帰り道を歩いているとまたペタペタという音が聞こえた
また幻聴だろう・・・・・
俺は気にせず歩いているとそのペタペタという音はしなくなった
俺は家に帰って「ただいまー」って言うが誰も返事がない
母さん達は・・・・仕事か・・・
涼の両親は隣村で役所の仕事をしている
たまに帰ってこない事がある
俺はリビングを確認してから2階にある自分の部屋に行った
部屋に入るとベットに転がりこんだ
俺の部屋は10畳ぐらいの広さで勉強机には常時ノートPCを置いている
俺はベットから起き、イスに座ってPCを見てみると電源がはいっていた
電源つけっぱだったか
突然左手に電気が走ったように激痛が走った
「・・・・っ!!」
左手を見てみると何か文字が浮き出てきた
文字は手の甲に浮かび上がると黒くなった
「・・・・・『視』?」