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2-4

 中尉がジッと見つめている。

 不意に浮かんだ言葉とリズム。誰かに教わったわけでも、プログラムされたのでもない。ただ意識に浮かび上がってきたもの。きっと誰かが口にしたのを、無意識に記憶していたものだろう。でも、それが中尉の関心を引いた。

 サイタ、サイタ、チューリップのハナが……

 目の前で揺れる花、花、花……

 ナランダ、ナランダ……

 アカ、シロ、キイロ……

 その言葉とリズムの意味が分からない。でも、画面の中の花々を見ていると、奇妙な感覚を覚えた。

 幼い記憶?

 いいえ、私には幼い記憶などない。生まれた時からこの姿。気がついた時には、この部屋にいた。部屋から出るのは、戦闘機に乗り込む時だけ。

 私は戦闘機の部品。脳は高性能なコンピューター。細い手足は移動と機体に乗り込む為に必要。眼はモニターを見る為、耳は命令を聞く為、口は「了解」と応える為。必要ないものはない。

 だけど、何故、この花たちはこんな色をする必要があるのだろう。分からない。中央指令部のホストコンピューターは、その質問をエラーとして受け付けなかった。

 この世界には、私の知らない事がある。


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