投稿者:ゴロ寝九段(考察)
商品:折りたたみ式ストレッチャー(担架)
レビュー評価: ★★★★★
タイトル: 治療よりもまず
本文:被災時に逃げ回っている途中で××駅付近で怪我をした妊婦を見かけたらどうすべきだろう。なにはなくとも手当ではないだろうか。添木、包帯、痛み止めは必須だろう。傷スプレー、絆創膏なんかが必要になる。欲しいものは色々あるが一式揃っていると有難い。だが何よりもまず安全圏に運ぶのが最優先という事でこれを購入した。避難所にいた医者は『おかげで母親の方は助かる』と言っていた。これほど無力に苛まれたことはない。
商品:首都圏ハザードマップ(掲載エリア:東京23区・横浜・川崎・千葉・松戸・大宮・浦和)
レビュー評価: ★★★★★
タイトル: 情報は力なり
本文:仮に地震が起きて、避難所に逃げ込んでそこが地獄絵図だったらどうすべきだろう。物資が、人の手が圧倒的に足りなかったらどうすべきだろう。すべきことはすべてすると決めた。まずは食料と災害用品の備蓄。集めたものはひたすらレンタル倉庫に放り込めばいい。問題はどのレンタル倉庫にするかだ。
夢で見た情報を追記してハザードマップを更新していく。できる限り被災てしないレンタル倉庫を借りるのだ。手っ取り早いのは安全な土地を買い占めて避難所にすることだが安月給には夢のまた夢だ。
さてゴロ寝九段さんは相変わらず防災グッズを購入し続けている様子。もはや自らが見る夢が予知夢であることを疑うことはなく、むしろ確かな情報として被災に対する順次を進めております。
ただ自らの非力さを嘆いている記述が散見され始めており、ただ防災グッズを揃えるだけの行為を悩ましく思っているようにも見えます。
商品:十年ひめくりカレンダー(2023年)
レビュー評価: ★★★★★
タイトル:九年きりました
本文: さすがに分厚い。興味半分に購入してみましたがいくら何でも分厚過ぎました。壁にかけるのは重みで無理なのでちゃぶ台に置いてます。今日から九年、毎日一枚ずつめくります。足りない分は一年分のひめくりを足して保管してます。
商品: 筮竹・黒染・1尺3寸(39cm)
レビュー評価: ★★★★★
タイトル: 資金がいる
本文:まだ夢のなかで自分が死ぬことはなくなりました。でもたくさんの人が目の前で死んでいきます。どれだけ備品を貯めても足りません。ほとんどの他人は助けることができません。見つけるより先に亡くなっているからです。
そろそろ貯金も底を尽きてきました。いい加減、別の手を考えるべき時が来たのだと思います。
例えば老朽化した公共施設を補強して崩落を防いだり、被害が集中している場所に消火や避難の設備を増設したりするような。
でも官僚になるには歳をとりすぎているし政治家になるコネも頭もない。
ならばできることから始めるべきなのでしょう。
悪夢は未だ見続けています。でもいつかぐっすりと眠れる日を信じて足掻こうと思います。
そしてゴロ寝九段さんのレビューは途絶えました。
以降、現在に至るまで更新はされておりません。
疑問として残るのは最後に購入したアイテム二点についてでしょうか。
どちらもこれまでの傾向とは違い防災グッズではありません。
これらはなにを意味しているのでしょう。
十年日めくりカレンダーについては勘のいい方であればレビューを読んで気づかれると思います。
これは災害が起こるまでの日数をカウントダウンする為に購入したのだと。
以前ラジオのレビューにも「夢のなかで時刻盤はいつも同じ日付の同じ時間を指す」という記述がありました。それが彼にとっての地震の発生日ーーリミットなのでしょう。
次に「筮竹」。
これは何の為に購入したのでしょう。読者のなかには知らない方がいらっしゃると思うので簡単に説明しますが、これは「ぜいちく」と読み、易者ーー要は占い師が占いをする為の道具のことです。
彼は非常食や防災用品の買い溜めを行うことに限界を感じていました。
資金的な問題だけではなく、どれだけ避難具を揃えても、災害自体を防ぐことには繋がらない苛立ちがレビューから伺えます。
日増しに大きくなっていくより大きな視点から地震に備えたいという気持ち。
けれどもそうするには莫大な資金が必要になるし一人だけの力では立ち行かない。
つまり彼はその問題を解決する手段として「筮竹」を購入したのではないでしょうか。
ただどれだけ探してもゴロ寝九段さんのレビューの続きはなく、彼の別アカウント、sns、彼に関連しそうな情報は拾えませんでした。あれからゴロ寝九段さんがどうなったのかその後の足取りを追うことはできませんでした。
ここで話が変わるのですが皆さんはドゥームズデー・カルトという名称をご存知でしょうか。
あまり耳にしない言葉ではありますが、将来的な「人類絶滅」や「大災害」を信じ、狂信的な行動に出る信仰や集団を指す言葉であるそうです。
日本にもドゥームズデー・カルトは存在し、ここ数年で勢力を伸ばしてきた団体がいくつかあるのですが、そのうちのひとつがいざりび教団という新興宗教です。
いざりび教団はxデーに起きるであろう関東大災害を防ぐ為にあらゆる活動を行う団体。そしてそれをまとめている実質教祖の立場にいるのが鹿島屋九段こと、くだんの父と呼ばれる人物だそうです。
急に何の話かと混乱される方もおられるかもしれませんが今しばらくお付き合いください。
wikiによれば、教祖くだんの父は元々は東京都千代田区の九段下でよく当たる易者として活動をしてきた人物で、当時からxデーに関東大震災が起きると嘯いていたようです。
【稀少な易者時代の鹿島屋九段の写真】
「くだん」とは易者として活動していた場所の名前だけでなく予言をする牛の怪物にもちなんでいるそうです。
それくらい異常なほどに占いが当たる易者として芸能人やスポーツ選手、果ては政財界の人物などから重宝された結果、彼らのバックアップの元、教団設立に至ったようです。
「人を救いたい」が口癖で、多額の費用をかけ防災活動に専念する一方で、信者たちには駅前で恐喝まがいな募金活動を行わせたり、多額なお布施を要求したことで幾つもの訴訟を抱えているとも記述されています。
YouTubeではいざりび教団のPVが配信されており、ここでくだんの父の姿が確認できます。目にどす黒いくまのある小太りな年配の男性。
職杖として《《小さな槌》》を片手に信者に聖餅と称した《《黒飴》》を配って回る儀式をしております。PVをよく見ると分かるのですが《《厚底のスニーカー》》を履いていました。
ここまで説明すればさすがにピンとくる方も多いのではないでしょうか。僕は彼こそがあのゴロ寝九段さんなのではないかと考えております。
寡黙な彼がビジネス情報週刊誌クオンタイムにも一度だけインタビューに応じていることを知りバックナンバーを取り寄せてみましたが、そこでは「救済活動の為、一日二時間しか睡眠していない」と発言しています。
一介のmamasonレビュワーだった頃よりもはるかに大きな財力と権力を得た立場から震災に備えているにも関わらず、どうやらあの頃以上に眠ることができない様です。
ちなみに教団のxデーは二千二十九年九月九日。ゴロ寝九段さんが十年日めくりカレンダーのレビューをつけた日付から丁度九年後に当たります。
さてxデーまで三年を切りました。果たして関東大災害は本当に起きるのか。
そしてゴロ寝九段はもう一度ゆっくりとぐっすりと安眠することができるのでしょうか。




