どっちから食べる? チョココロネ論争
ごきげんよう、ひだまりのねこですにゃあ!
寒波でめちゃめちゃ寒いので、一つホットな話題を。
以前『きのこたけのこ論争』について書きましたが、今回はそれに負けないほど熱い『チョココロネ論争』について。
簡単に言えば細い方と太い方、どちらから食べるか、というものですね。
さすがにチョココロネを知らない人は居ないと思いますので……簡単な成り立ちについて少しだけ。
チョココロネはチョコレートが多く輸入されるようになったことで明治時代に誕生した日本独自のパンです。開発者の名前はわからないので、もしかしたらもっと歴史は古いのかもしれませんが、少なくとも明治時代には広まっていた歴史と伝統のある格式高いスイーツパンです。
名前の由来は、その形状にあります。「コロネ」は、イタリア語で「角笛」を意味する「cornetto」やフランス語で「角」を意味する「corne」から来ていると言われています。おそらくその形状が角笛に似ていることから名付けられたのだと思います。「コルネ」と表記するケースがあるのはこちらの方が本来の音に近いからでしょうね。ちなみにぐるぐる巻いた形状が蛇のとぐろに似ているので、スネークという名前もあったのですが、結局一番可愛くて言いやすい「コロネ」が定着したようです。
さて、どちらから食べるか――――ですが、私の基本的なスタンスは尻尾側(細い方)から食べる、です。ちなみにどちらが頭なのかという論争もあるのですが、蛇のとぐろと考えれば細い方が頭ですし、角笛と考えるならば広い方が頭と考えるのが自然、つまりどっちでも良いわけで、混乱を避けるために頭という表現は使いません。
もちろん最初にチョコたっぷりの頭側から食べる――――という気持ちもわからないではないですが、お寿司屋さんでもあっさりしたものから食べるように、一番お腹が空いていて美味しく感じられるタイミングにチョコが入っていない部分をクリアしておく。そうすれば後は徐々にチョコが増えてゆく……そんなワクワク感とともに最高のフィニッシュを迎えることが出来ます。それこそがチョココロネのポテンシャルを最大限に味わう方法だと私は思うのです。
頭から食べた場合、最初は良いでしょう、しかし――――最後に待っているのはチョコの入っていないパンのみ。この世界においてすべては最後の印象が肝心なのです。終わり良ければすべて良し、だからこそコース料理の最後はデザートなのです!! パン生地のみが悪いとは思いませんが、チョコの贅沢に慣れてしまった舌には必要以上に味気なく感じてしまうもの。最初のリッチな体験が最後の味気ないパンの印象で上書きされてしまう……そんな食べ方で良いのか? 良いはずがない!!
とまあ……ここまではチョココロネ単体で食べることを想定した場合のお話です。
でも、実際問題チョココロネだけを食べる機会なんてそんなにないですよね? 大抵は他のパンと一緒に食べるはず。
もしチョココロネの後に濃厚なスイーツパンが控えていたとしたら?
私なら逆に尻尾を最後に食べて口休めとします。つまり……どちらか一方からしか食べないという行為は、チョココロネの潜在能力を活かし切れていないわけで実に勿体ない話だとは思いませんか? ケースバイケース大事です。
話は脱線しますが、チョココロネってキンキンに冷やして食べても温めて食べても違う表情を見せてくれます。特にドロドロに溶けたチョコに浸して食べるチョココロネは至高……禁断の味、冒涜の味がします。めっちゃ汚れますけどね……。
ところでチョココロネ論争って何かに似ていると思いませんか?
そうです、たい焼き論争です。頭から食べるか尻尾から食べるか、実に根深い問題です。
たい焼きに関しては、私は基本尻尾を最後に残す派です。なぜならたい焼きの生地が大大大好きだから!! 好きなものは最後に残すタイプなのです。
とはいえ――――
あえて言わせていただくならば、
臨機応変に両方使い分けられる二刀流が最強ではなかろうか。
たとえば焼きたて熱々のたい焼きならば、温かいうちに――――最高の状態で大好きな尻尾を食べたい。だからセオリーを破って尻尾から食べることも厭わない。
一つの食べ方に拘る姿勢に文句をつけるつもりはないけれど、その食べ方だって元々は美味しく食べるために積み上げたものだったはず。
敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず、邪道と斬り捨ててしまう中にも宝物はあるのです。
その境地に辿り着くことが出来れば――――私のようにチョココロネを横から食べて断面図を楽しんだり、ぐにゃりと曲げて大きい方と尻尾を同時に食べるという大技も可能になります。
まあ……汚れますけどね。
でも――――そんな私にも許せないことがあります。
尻尾の先まであんこやチョコを詰めるのはやめろ。
やって良いことと悪いことがありますよね?
それはもはや似ているだけのナニカであって、そこにはロマンも葛藤ゆえの楽しみすら存在しない虚無なのだと理解してください!!
あ!! でもあんこやチョコが入ってないたい焼きやコロネはアリ。
だってそれは紛れもなくロマンの塊だから(もっちり生地大好き~!!)