第6話 スカイ、か弱い娘キラーイ!
三人組の男を屠った女の子は私に近づいてきた。
「あ、ありが──」
私が御礼を言葉を述べようとした時──
「喋らないでくれる?」
「えっ?」
私は彼女に何を言われたのか一瞬分からなかった。
赤髪の少女は私の方にコツッ、コツッと路地に音を響かせ近づきながらもう一度言い放つ。
「だ~か~ら~、喋らないでって言ってるでしょっ!」
激昂する少女は私の髪を掴みニコニコした顔で私の顔を自分の顔に近付ける。
その瞳の奥は一切笑っていなかった。
「人間の分際で喋っていいと思ってるの?」
「あっ、あの……その……」
私は先ほどとは打って変わった態度にビビってしまい声が出せないでいた。
ドスッ!!
「ガハッ……!!」
彼女はものすごく怒っていた。
私は少女が放った拳をもろにみぞおちに受けて咳き込み、その場に前のめりに倒れ込んだ。
「何回も言わせないでくれるかな~」
少女は再度、足を後ろに振り上げる。
「────喋らないでって言ってるでしょっ!!」
がっ、と鈍い音ともに腹を蹴られた衝撃が伝わり、壁に叩きつけられた。
「ゴホッ、ゲホッ、ゲホッ…………」
私は呼吸が出来ずに咽せ、地面にうつ伏せに倒れる。
「くふふっ。ねぇ、おねーちゃん大丈夫? 私が手助けしてあげよっか? ものすごいきずー、誰にやられたのー? きゃはっ」
彼女は可愛い仕草で狂気的な笑みを浮かべながら私の側に歩み寄ってきた。
「な……んで……、助け……て……くれたん……じゃ……」
「助ける? 面白いこと言うね~。何で私がおねーちゃんみたいな、弱い人を助けなきゃ行けないの? 私ね、か弱い人ダーイきらーいっ!!」
彼女は何当たり前のことを聞くのかと、あざと可愛い仕草で首を傾げた。
「自分のことを自分で守れないおねーちゃんは、この世の中の怖さをなーに一つとして知らないし、心の中できっと『誰かが助けてくれる!!』そんな淡い期待を抱いてたり、『自分は被害者で襲ってきたあいつが悪いんです!! だから助けて下さい!!』とか言っちゃうタイプだよねー、ちょーウケるんですけどーッ!!」
彼女は私にそう淡々と言いながら、一呼吸置いて高かった声色を低くしハッキリと現実を突き付けてきた。
「死にたくなければ必死で藻掻け。大切な者を守りたければそれを全力で守れ。それが運命だと言うならば、抗え。ここは、実力が物を言う弱肉強食の世界だ。それが出来ないようなら潔く──死ぬことだね」
口調を戻し少女は言った。
彼女の言葉を聞いた私は何とか力を振り絞り立ち上がる。
「あんた……みたいな……。狂った奴何かに……絶対に──負けない!」
その言葉に対して少女は嬉しそうに口角を上げる。
「ふっ、いい目になったね。そうこなくっちゃね!!」
私たちがお互いに睨み合っていた時──サァーっと地面の砂が舞った。
砂が目に入らないよう一瞬私は瞳を閉じた。
「スカイ~、そのくらいにしておやりなさい」
目の前の彼女、スカイと呼ばれた少女の後ろから、黒紫色の縦ロールの髪に紫の目、そして黒紫のドレスに黒紫の傘をさしている全身が黒紫色に統一された服装で身を包んだ少女が穏やかに歩いてきた。
「ちぇっ、いま良いところだったのに~。マヤのケチッ」
「まあまあ、今はそこら辺にしときなさい。今夜は一緒にあれを楽しむんだから」
スカイにマヤと呼ばれた少女はクスリと笑った。
「あー、そう言えばそうだったね。今日はあれの日だったね!!」
マヤに続き、先ほどまで私をぼこぼにしていたスカイと呼ばれた赤髪の少女もニカッと笑らい返す。
私は二人の会話についていけず、困惑していた。
すると、困惑していた私を見たマヤは丁寧にお辞儀をして近付いてきた。




