第3話 You are meat
「た、助けて下さりありがとう御座いま──すっ!?!?」
「ん? どうしたのお姉さん? 私の顔に何か付いてる?」
犯されていた女性は、スカイの口周りに付着した真っ赤な液体に驚き、目を見開く。
女性は「何でも無い」と苦笑いして誤魔化した。
「それで──お姉さん、何されてたの?」
少女は尋ねた。
「あなたがいま殺した男たちに無理やり犯されていたの!!」
「あっ、これに?」
スカイは事切れている男たちに近付く。
「お姉さん、ちょっと待っててね。これ片付けたらそっちに行くから──」
「えっ?」
それは一刹那の出来事だった。
スカイは一人の男の体を軽々片手で持ち上げる。
「あーむっ! アムアムッ!! んー! 美味しい!!!!」
そして思いっきりおかずを頬張る。
「オ、オェェェエエエエエエッッ!!」
女性は、スカイが男たちの死体に躊躇なく喰らいつき、人肉を引き剥がし貪り食らう様子を見て、あまりにも衝撃的すぎて吐いてしまった。
「……ふぅ、けぷっ! 美味しかったっ!!」
スカイは、男たちの身体に張り付いていた肉をアッという間に平らげ骨だけにしてしまう。
「さてと──」
満足そうに肉を平らげたバケモノは立ち上がり、今度は女性に捕食者の目を向けた。
「え、何?」
「お姉さん──いい身体してるね!! とてもとてもジューシーそうな──」
「──ッ!!」
スカイは徐々に徐々に、されどゆっくりと女性にヨダレを垂らし歩み寄る。
「ち、近寄らないでっ!!」
女性は返り血だらけの少女に必死に叫ぶ。
だが、無邪気な笑みを浮かべる少女は歩みを止めることを知らない。
「お姉さん、大丈夫だよ。そんなに怯えなくても……」
「あ、あ、あなたもあの男たちと同じ様に私を犯すの!?」
「犯す? アハハハッ! 何言ってるの? 私がそんなくだらないことするわけないじゃん!!」
悪魔のような笑みを浮かべる少女の目は一言で言うなら狂っている、狂人の目をしていた。
「安心して──ちゃんと味わいながら頂くから……」
「い、イヤよ! 止めて来ないでっ!!」
女性は逃げようとするが、先ほど男たちに犯された影響か上手く立てず、かつ目の前に居る少女に恐怖して腰を抜かしてしまった。
「ちょっと〜、逃げないでよ〜」
「……えっ?」
女性が前を向くと、先程まで歩いていたスカイが一瞬にして自分の目の前に現れた。
「ニヒッ」
「あっ……あっ……」
「えーい」
スカイは男たちによって引き裂かれた布地から覗く女性の裸体をジロジロと見つめる。
「つ〜かま〜え〜た〜」
腹ペコ少女は女性の両手を片手で抑えた。
「それじゃあ、食材の命に感謝して──いっただきま~す!!」
まず食材の首筋を優しく舌で舐める。
「ん……」
そこから舌で全身をゆっくりと時間を掛けて舐めた。
「ハァ……ハァ……」
女性は気持ち良かったのか鼻息が荒くなっていた。
「よし、これで準備完了。では、ガブリンチョ!!」
満を持して勢いよく女性の首元にかぶりつく。
「──ん、んんんんん!!!!」
しかし、女性はかぶりつかれたのにも関わらず声を我慢していた。
「ふぅ、最っ高だね。反対側も味見、味見っ!」
逆側の首筋を狙い少女は肉を喰らう。
「──ッ!!」
女性はビクンッビクンッと痙攣したのち、動かなくなった。
「アムアムアム、ごくん! 若い人のお肉ってジューシーで天国に昇るような美味しさだ〜」
その後も食べ続けようとしたが、衛兵に見つかってしまい断念することとなった。