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隣の彼女は勇者パーティー  作者: 航介
1、隣の席の朝田さんは勇者様
1/1

隣の朝田さんは僕を助ける

 教室に入って自分の席に着く、ここまではなんの変わりもないいつも通りの日常だ。

「おはよう、緒山くん」 そう挨拶した練色のロングヘアに青い瞳の女子生徒は、隣の席の朝田雛だ。実は、隣にいる朝田さんはどうやら勇者らしい


………

 昨日のことだ、学校からの帰り道、ちょうど空が夕焼けで綺麗なオレンジ色になった頃ごく普通の住宅地の中を歩いていた。

(良かった〜 今日は何も起きなかった)

いつもならその持ち前の不幸体質のせいで何かトラブルが起きるはずた。実際昨日は散歩で通りかかった大型犬に噛みつかれて、その後には曲がり角でトラックに轢かれかけた。


 そのせいか今日はいつもより微妙に体が身震いをしながら少し怯えている様子で帰り道を歩いていた。歩きながら歩く時間が経つと感じていた不安も少しづつ薄れて段々と普通に歩くようになっていた。


 一軒家を1つ挟んだ距離にある公園で茶髪でツインテールの幼稚園児ぐらいの女の子が遊んでいる、「ミシッ!、ミシミシッ!、ミシミシミシンッ!」 不可解に何かが裂けるような音がした、元はすぐに気づいた、女の子の隣に生えている大木にイナズマのようなヒビが伸びて大木が少しづつ女の子のいる方向に傾いている気付いた時には「危ない!」と大声で叫びながら助けようと飛び出していた。


 いきなりの事態だったため少し足がおぼつきながら飛び出して、重心が低くいつ転んでもおかしくない体勢で走ったため、女の子の背中を押し出して大木の倒れる方向からは逃すことができたが元は体のバランスが取りきれず女の子を押した直後に両肘を前方向に伸ばした状態で頭を地面に打ちつけるように倒れ込んだ。


 元は逃げようと手足をバタバタと動かして少しでも前に進もうとしたが、足がもたついてうつ伏せのような状態から尻餅をついた状態へと体勢が変わっただけだった。大木の角度が更に傾き出して自分を潰すように倒れて行く大木を目前にして(やばい、死ぬ)と心の中で呟いた瞬間、

「助けてあげよっか」

後ろからどこかで聞いたことのある声が後ろから聞こえて、後ろを振り向く間も無く後ろから現れた練色の髪の女子高生は一瞬にして元の視界の中心に堂々とした背中で大木に向かって立った、倒れてくる大木の前に女子高生が立っているのも異様だがその空間で一番異様だったのは女子高生が右手に剣を持っていたことだ、刃は綺麗な銀色で光沢があり鍔の部分には赤い宝石のような物が付いている、見るからに重量感があり、見ただけで本物だと思い知らされる剣を女子高生が持っているのだから元も状況の異様さに気づかない訳がない。


 元が状況を理解するよりも早く女子高生は右手の剣を頭の上に上げて柄の部分に左手をかけて一気に下に振り下ろした。すると次の瞬間大木は縦に真っ二つに切れて元と女子高生の両隣に大きな音と砂埃を立てながら倒れていった。


 元は、大木が両隣に倒れているのを認識してすぐに今の状況を全て理解した。自分の命が助かったこと、倒れた大木は目の前の剣を持った女子高生に真っ二つに切り倒されたこと、その女子高生が隣の席の朝田雛であることに。


「朝田さんだよね? 隣の席の」

「どうしてそんな真剣を持ってるの?どうしてこんな大きな木を簡単に切り倒せるの?」

尻餅をつき冷や汗をかきながらいつもより少し早口で発した質問に彼女は爽やかな笑顔で一言答えた

「だって私勇者だもん!」


「え?……勇者?」

元は想像の範疇から大きく外れた答えに戸惑い顔をポカンとさせている。

「そう、勇者」

「……どうゆうこと?」

「だ・か・ら、私勇者なの!」

勇者だと言われて理解できるはずもなく元は元々混乱している状態からさらに混乱した。


「それよりあの子は?!」

混乱しながらも女の子を助けようとしたことを思い出して女の子を押し出した方向に顔を向けた、

「大丈夫? 怪我はない?」

元が女の子を見つけた時には雛が膝に手をつき女の子に目線を合わせて女の子と話していた

「怪我はないよ!」

雛は安堵した顔で「よかった〜」と一言呟き、改めて女の子に「1人で帰れる?」と質問した

女の子は元気に「帰れるよ!」と答えたため「ここは危ないから早く帰った方がいいよ」と優しく声をかけた。


 女の子は元気な声で「はーい」と答えて公園の出口へと軽やかに走っていった。

 女の子は出口の前で止まりこっち側を向いて、笑顔で「おにーちゃん、おねーちゃん ありがとー」と言って大きく手を振るので、こちらも優しく笑いながら手を振りかえした。隣では雛が「どういたしましてー」と言いながら大きく手を振りかえしていた。



「あ、私が勇者ってことは内緒ね、私もう行かなきゃ、じゃあねー」

「え、ちょっと待って朝田さーん」

言うことだけ言って立ち去って行く雛に元は更に困惑していた。

走り去る雛に元はこれだけは言わなきゃと力の抜け切った足に無理やり力を入れて立ち上がり3歩ほど雛のいる方向に進み

「朝田さーん、ありがとーー」と両手をメガホンのように口元に添えて大きく叫んだ、

雛は、走りながらも後ろを振り向き右手を大きく振りながら「バイバーーイ」と大きな声で返した。


 元も自分のカバンを拾い、公園を出て「さっきのは何だったんだろ?、でも、さっきの朝田さんかっこよかったなー」と目を輝かせ独り言を呟きながら帰路に戻った。 

………


「あ!朝田さん、おはよう。それと昨日は助けてくれてありがとう」

「どういたしまして、それと改めて言うけど昨日のことは誰にも内緒ね」

「どうして?」

「私が勇者だって知られちゃうと魔王軍がこの街に攻めて来ちゃうから!」

「え……魔王軍」

元にはまた一つ謎が増えた、

すると雛は小さくいたずらっ子のような笑いをしながら

「フフフ、冗談冗談、ウソウソ」

「もーー、からかわないでよーー」

顔を赤くする元を見て雛はさらに笑いながら

「ハハハハ、ごめんごめん、だって面白い反応するんだもん」

「もーー」

「でも私が勇者なのは本当だよ、それは内緒にしてね」

「そうじゃないと、私口封じのために君のこと切らなきゃ行けなくなっちゃうから」

「それは嫌だ!」

「じゃあ内緒ね」

「…分かった」

元は可愛く不服そうな顔をしながら答えた


「にしても、昨日の朝田さんかっこよかったなー、憧れちゃうなー」

「そ、そうかな?」

「もちろんだよ!」

「あははは…ありがとう、」

雛は少しはにかみながら微笑した。


微笑した直後に元がいる方向に素早く背中を向けた、

雛は顔と耳の後ろが赤くなって少し口元が緩んでいた。




初めまして、航介と申します。

今回が初投稿です、是非多くの人に読んで頂けるとありがたいです。

今はまだ文章的にも読みづらいところも多いと思いますが、まだまだこれから成長して行きたいと思っております。

これからよろしくお願いします。

(※コメント大歓迎です、良いコメント悪いコメント両方大歓迎ですが悪い方はお手柔らかににお願いしますww)

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