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第22話 デリカシー無さすぎじゃろ!!

 ──


 そして次の日の学校……僕は雪丸の様子を確認していたが、委員長に話しかける素振りは見られなかったんだ。


 正確に言えば、雪丸はチラチラと委員長の方を見ていたんだけど……近づくことは出来ないままでいたんだ。まぁ昨日あんなこと言ったとはいえ、急に話しかけるなんてことは難しいだろうし……ここは僕が少し手伝ってやろうかな。

 

 思った僕は席から立って、委員長に話しかけにいったんだ。


「委員長。ちょっといいかな」


「えっ? えっと君は確か……米村君だよね? 何かな?」


 一度も話したことのない僕から声を掛けられた委員長は、かなり驚いたような表情をしたが……それはすぐに、優しい笑顔へと変わったんだ。あーこりゃモテますわ。


「まぁ、用って訳でもないんだけど……雪丸さんって分かる?」


「えっ? それはもちろんだけど……」


「良かった、それじゃあ委員長。雪丸さんと友達になってくれない?」


 言った瞬間、僕の脳内にミミハ様の大声が飛び込んで来たんだ。


『ばっ、馬鹿者ぉ! 直接そんなことお願いするやつがおるかぁ! お主、デリカシー無さすぎじゃろ!!』


 ……えっ? だって、直接お願いしたほうが確実だし、一番手っ取り早いと思ったんだけど……これ、駄目だった?


「……えーと、米村君? それってどういう……?」


 そして委員長も困惑した顔を見せる。


「ああ、いや。何か雪丸さんって友達がいないらしくて。だから委員長が友達になってあげてくれないか…………ッ!?」


 喋ってる途中、謎の電撃が僕を襲ったんだ。まぁ誰の仕業かってのは、分かりきっているんだけども……何するんだよ、ミミハ様……!!


『もうこれ以上喋るでない……あまりにも栞がかわいそうじゃ』


 か、かわいそうって……俺は彼女の願い事を叶えるために行動してるんだから……逆に褒めてもらいたいぐらいだよ……!?


『でも栞は自分で行動すると言ったんじゃ。春は良かれと思ってやったのかもしれんが……委員長と話すきっかけを奪ったのは春なんじゃよ』


 いやでも…………って痛いんだけど!! しれっと電撃強めないでって!!


「えっと……私、雪丸さんとも仲良いし、友達だよ? だから、米村君が心配しなくても大丈夫だよ?」


 それで委員長は気を利かせているのか、本音なのかは分からないが、作り笑顔でそう言ったんだ……まぁそんなことを言われたら、これ以上僕は何も言えないわけで。


「そ、そっか……それならよかった……です……」


 僕は痛みを堪えながら委員長から離れて、教室を後にしたんだ……雪丸がこのやり取りを見ていたってことに気づいたのは、だいぶ後になってからだったんだ。

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