民との絆 マリアの決意
第二回目の投稿となります!
行間やセリフを多用するなど、前回の改善点を直しにかかりました。
マリアは18回目の生まれた日を迎えた。
厚い雲が出ていたが、青空も差し込んでいたのでいい日だ。
(久しぶりに、皆の顔を見に行きたいわ。)
マリアはホーリーを思い浮かべていた、
「マリア様!! 貴方様のお顔を見られて嬉しく思います!!」
本人の意思で現地に赴くと住民たちは大喜びだった。
そんな住民たちをマリアは温かい目で見つめながら、口元にはうっすらと笑みを浮かべ幸せそうな顔をしていた。
最初のさびれた状態からは大分、建造物や人口が増えた。
『ホーリー』というのは町の名前ではなく、病人たちが集まっていたところを指し示すのに誰かがつけたのだろう。だか、そんなところも今は町と呼ぶのにふさわしい程だ。
「マリア様、私と共に来てくださりますか?」
口を開いたのは村の統治者のヨルだった。
ヨルは長身の真面目な男性で、人望が厚く信頼できる人物だ。
「奥にお誕生日のお祝いの場を用意致しました。」
「あら、それはうれしいわ。ありがとう。」
「いえ、我々が貴女様にしていただいたことに比べれば大したことありません。」
「そんなことないわ。」
他愛無い会話をしているうちに会場に着いた。
紙の花やリボンで飾った綺麗な広場が祝いの会場らしい。
長いテーブルの上にはおしゃれなクロスがかけられ、その上には住民たちが用意したお菓子や料理が並んでいた。
マリアは一目でとても気に入った。
「素敵……これはいつから準備を始めていてくれたのかしら?」
「五日前程です。我らの救世主の大切な日ですから。」
【五日前】という単語にマリアは違和感を覚えた。
「まるで私が来るのを分かっていたみたいね。」
「マリア様はいつでも我らのご期待に応えてくれます。今回も、お手紙をお読みになって必ず来てくださると信じていました。」
(手紙……? )
身に覚えのない話をされ、マリアは問う。
「私宛に手紙を書いてくれたの?」
ヨルは目を見開いた。
「おや、届いておりませんでしたか? 二日前、ミツが届けに出かけたはずなのですが……」
ミツはマリアを人一倍慕っている、可愛らしい外見をした15歳の少年だ。
すると一人の女性が口を開いた。
「ミツはまだ帰ってきておりません。」
マリアは嫌な予感がした。ヨルもそれを察したようだった。
「私はミツを探しに行ってくるわ。
お祝いの準備をしてくれたのに、ごめんなさい。」
五日間の苦労が無駄になる可能性があるかもしれないマリアの行動だった。
……だが、誰も嫌そうな顔はしなかった。
「では、我々もマリア様と共にミツの捜索にあたります。」
ヨルは言葉を終えると素早く地図を広げ、捜索場所を次々に指定していった。
住民たちはそれを真剣に聞きとり、一斉に返事をした。
マリアは、自分のことを皆心から慕ってくれていることを改めて実感しここの民を助けて本当によかったと、そして、これからも絶対に守り抜くと密かに胸の奥に誓った。
10分も立たないうちに頼もしい住民たちは、着替え・武器所持・馬の用意を済ませきれいに並んだ。
「……では、行きましょうか。」
「はい!」
「それぞれ、自分の配置に。」
ヨルの声が響いた。
こうしてミツの捜索は始まった。
マリアの物語の続きとなります。
今回はマリアの個性と助けた町からのマリアの認識を描くための回でした。
次回は少し展開を変えたいと思っております。
読んでくださりありがとうございました!!